- 99%を超える稼働時間を実現
- 段取り替え時間を45分から5分へと90%以上短縮
- 生産スタッフの有効活用が可能

DCCオートメーション社は、食品業界向けのマテリアルハンドリング機器、システム、コンベアの製造メーカおよびシステムインテグレータであり、二次包装ソリューションを専門とする企業です。
- 旧式のケース・パッキング・システムを、効率とアジリティを向上させるロボットソリューションに置き換える。
課題
ソリューション設計への共同アプローチ
製造業では、収益性は常に生産効率に結びついています。しかし、食品&飲料業界では多くの場合、システムには並外れたスループットだけでなく、ある製品から次の製品へと迅速に移行するアジリティ(俊敏性)も求められます。
機械メーカおよびシステムインテグレータのDCCオートメーション社は、カスタムメイドの一次および二次包装ソリューションを含むマテリアルハンドリング機器、コンベア、ターンキーシステムにより、業界の需要を満たすことを目指しています。同社は、ロックウェル・オートメーションのPartnerNetwork™プログラムの一員です。
DCCオートメーション社のロボットソリューション担当ディレクターであるホリア・ソーリアン氏は次のように述べています。「当社のソリューションはすべてパートナシップから始まります。当社はお客様と協力してお客様のニーズを理解し、最大の価値を提供するソリューションを開発します。これらのソリューションにはどんどんロボットが含まれるようになっています。」
同社の共同アプローチとロボットアプリケーションの専門知識により、栄養補助食品製造メーカは新しいケース・パッキング・ソリューションにDCCオートメーション社を選択しました。
時代遅れのシステムでは追いつけない
既存のケースパッカーは、同社のベストセラー製品を扱う製造メーカの高速ラインで稼働していました。機器には、ケースの組立と梱包の両方が含まれていました。2つのケースパターンで、2つの製品サイズに対応しました。
半自動システムは、急速に生産終了になり、シフトごとに最大10%のダウンタイムを経験していた複数のコントローラとコンベアに依存していました。
さらに、システムを1つの製品サイズから他の製品サイズに変更するには、40~45分を要していました。また、切換えはシフトごとに1~2回しか行なわれませんでしたが、システムは正しいパラメータを維持するために継続的に調整する必要がありました。
最後に、ケースの組立と梱包の機能が1台のコンパクトな機械に統合され、製品集積の余地はほとんどありませんでした。その結果、システムはラインの前方で要求される毎分25ケースの処理を達成できませんでした。そのかわり、2~3人の作業員が横で手作業でケースを梱包することで作業をサポートしていました。
ソリューション
より効率的な設計をロボティクスで補完
DCCオートメーション社は、既存の機器のパフォーマンス問題の核心を素早く特定しました。旧式の制御システムが問題の一部でした。それだけでなく、機械の基本設計もまた問題でした。
ソーリアン氏は次のように説明しています。「多くのソリューションがケースの組立と梱包を1台の機械に組み合わせていますが、高速アプリケーションでは通常、異なるアプローチを取ります。2つの技術を分離して、製品蓄積のためのスペースを増大させました。」
この場合、ケースエレクタは部屋の別の部分に配置されました。これにより、必要なパックパターンに応じて、製品を蓄積し、複数のストリームに効率的に分割できます。
ピック&プレース機能として、DCCオートメーション社は2次元デルタロボットを選択しました。
ソーリアン氏は次のように述べています。「On-Machineロボットが、厳格な機械ソリューションよりも柔軟に多くの可能性を広げています。システムはパックパターンを完全に形成し、ケースを完全に組み立てます。ロボットはパックパターン全体をピック&プレースします。」
梱包されたケースは検査され、上部が密閉され、パレタイザに排出されます。
統合制御の美点
このターンキーソリューションは、Allen-Bradley®のCompact GuardLogix®コントローラ、Kinetix®サーボドライブおよびモータ、FactoryTalk® View HMIソフトウェアに基づくロックウェル・オートメーションのプラットフォーム上で実行されます。同システムは、EtherNet/IP™ネットワーク上で動作します。DCCオートメーション社は、設計プロセスの早い段階でEmulate3D™ソフトウェアを使用して、システムの機能をシミュレーションおよび確認しました。
コントローラの機能のおかげで、DCCオートメーション社はロックウェル・オートメーションのプラットフォームをすべての機械操作に使用できました。個別のロボット制御プラットフォームは不要でした。統一された機械制御は、設計と統合を容易にし、機械の運用と保守を簡素化し、ユーザは1つのシステムを理解しサポートするだけで済みます。
ソーリアン氏は次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションの制御モデルを全面的に採用したため、標準コンポーネントを使用し、安全機能を含めて、GuardLogixコントローラですべてを行なうことができます。このアプローチは無限の効率性を提供します。」
結果
効率重視の未来
新しいケースパッカーの導入により、DCCオートメーション社のお客様はダウンタイムと切換えプロセスを大幅に改善しました。
さらに、この製造メーカは補足的な手作業によるケース梱包作業を廃止しました。この作業を行なっていた作業員は、他の重要な職務を任されるようになりました。
このように目覚ましいメリットが見られていますが、DCCオートメーション社はお客様とのコラボレーションを継続し、将来的にはシステムをさらにアジリティと効率性の高いものにします。
ソーリアン氏は次のように述べています。「これは第一世代の機械でした。システムを切換えるには、オペレータによる手作業での調整が必要です。将来的には、厳密でレシピ主導の自動化されたプロセスに移行したいと考えています。」
DCCオートメーション社は、既存の空気圧操作の一部をサーボ駆動テクノロジに置き換える予定です。さらに効率性を高めるために、同社は新しいクラウド対応のHMI視覚化プラットフォームであるFactoryTalk Optix™に移行しています。
当社の機械装置メーカ(OEM)ソリューションの詳細をご覧ください。
公開 2024年1月31日