消費者向けパッケージ商品の業界では、棚のスペースを確保するために、コストをかけて熾烈な戦いを繰り広げています。スーパーマーケットをはじめとする小売業者は、新商品のためのスロット料金や、インチ単位で販売されるプレミアムスペースのための高額な費用など、商品の配置に対して複数の支払いを要求します。
棚のスペースが確保できれば、製造メーカはその投資から最大限の利益を得ようとします。そのためには、商品を保存し、興味を引き、スペースを節約できるような、コスト効率の高いパッケージ方法を選択する必要があります。
より良い選択
HMC Products社の製品開発マネージャであるジェフ・バーグ氏は、次のように述べています。「柔軟なパウチ包装は、さまざまな製品に好まれています。生鮮食品に使用されるフォイル・フィルム・ラミネートは賞味期限を延ばし、スタンドアップパウチのようなオプションはディスプレイ性に優れ、スペースも節約できます。さらに、パウチ包装は全体的に軽量で、より経済的な選択肢となります。」
HMC Productsは、40年以上にわたり、横型製袋充填機のPouchmasterシリーズで市場のニーズに応えてきました。イリノイ州マシェスニーパークにあるHMCは、フォーチュン500企業、提携先の製造会社、新興企業を含む世界中の顧客にサービスを提供しています。
IM 7-14 Pouchmasterは、クイック・チェンジ・サーボ・シール・ドライバを搭載した高効率の間欠動作マシンです。
機械の前段では、フィルムの張力を制御するダンサーバーを介して積層フィルムが送られます。次に、フィルムはフォーミングプラウに入り、シールドライバの上部にあるボトムシールバーとサイドシールバーを通過します。
フィルムはレジストレーション光電センサを通過し、カットオフナイフに送られるフィルムの量を調整します。パウチはチェーンに取付けられたクリップに挿入され、充填ステーションを通過します。最後に、パウチは密閉され、コンベアで降ろされます。
パウチ充填の最適化
安定した密閉を実現するためには、パウチのサイズを数量に合わせて選択し、十分なヘッドスペースを確保する必要があります。その結果、パウチの充填量が不足しがちになります。
そこで、熱ではなく、高周波の音響振動と圧力でパウチ上部密閉する「超音波溶着」を採用することがあります。超音波溶着は、高周波の音響振動と圧力を加えて袋の上部を密閉するもので、浮遊物は密閉の一部として溶かされ、密閉品質に影響を与えません。そのため、パウチの中身をより多く充填することができます。
よりシンプルなデザインで多彩な機能を実現
柔軟なPouchmasterは、固形物、粉体、液体などあらゆる製品のフィーダに対応します。
バーグ氏は次のように述べています。「この機械は、1つのパウチサイズや製品に特化しているわけではありません。あるお客様はこの機械で7つのパウチサイズを運用し、別のお客様は4つの異なるフィーダを使用しています。」
HMC Pouchmasterは、Allen‑Bradley®のCompactLogix™コントローラを搭載したRockwell Automation®プラットフォーム上に構築されます。Allen‑BradleyのKinetix® 5500サーボドライブは、メインマシンのシャフトとパウチ搬送チェーンを稼働します。Allen‑BradleyのPowerFlex® 525 ACドライブはコンベアを制御します。マシンはEtherNet/IP™ネットワーク上で統合され、Allen‑BradleyのPanelView™ Plus 7グラフィックターミナルでモニタされます。
「さらに、最近では機械のシールドライバの設計を簡素化し、カムとエアシリンダをKinetixサーボ制御に置き換えました。その結果、システムはより少ないメンテナンスで済むようになりました」と、バーグ氏は説明します。
サーボ制御により、ドウェルタイムやシールバーの開閉を簡単に調整することができます。その結果、全体としてより良い密閉が可能になりました。
スマートなマシンパフォーマンス
バーグ氏は次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションのシステムは機械をよりスマートにし、切換えが非常に簡単になりました。パウチのサイズを変更するには、オペレータはシーラーバーを数本動かし、レシピ駆動のHMIで適切な選択をするだけよくなりました。」
クイック・チェンジ・ツールを使えば、製品の大幅な変更にも迅速に対応できます。
スマートマシンは、インターフェイスに表示される高度な診断機能を使って何が問題なのかを教えてくれます」と、バーグ氏は付け加えました。
稼働時間を最大化するために、HMCは広範囲のセンサを制御プラットフォームに統合して異常を迅速に検出し、HMIには視覚的に分かりやすい指示を組み込んでメンテナンスを誘導しました。また、HMCはEtherNet/IP接続を利用して、顧客の機器を遠隔で修理しています。
バーグ氏は次のように述べています。「ダウンタイムはお金を消費します。このような技術は、プラントマネージャからマシンオペレータ、メンテナンス担当者まで、すべての人が機器を最適に稼働させるのに役立っています。」