ソフトスタータはまた、ACドライブに比べ物理的なサイズや体積の大幅な削減を実現します。ACドライブには多数のコンポーネントが使用されているためコストだけでなく設置面積もかさみがちです。コストの削減と同じく、ソフトスタータがどの程度の体積を削減できるかは定格電力に応じて異なります。
- 37A以下: 45mmのソフトスタータ幅は同じ電流のACドライブに比べ非常に幅狭である
- 100HP (75kW): ほとんどのACドライブは一般的なソフトスタータに比べ400%のスペースを要する
- 30HP (22kW)、500HP (375kW)、800HP (560kW)、1000HP (710kW)において最も大きな節約効果が得られる: 体積の削減率は500~1000%に達する
ACドライブのかわりにソフトスタータを使用することで、エネルギー削減効果も得られます。ソフトスタータは99.5~99.9%の効率を実現します。
効率は、ソフトスタータのサイズと適用される3相電圧に応じて異なります。開始プロセスが完了すると、バイパス付きソフトスタータが内部コンタクタを引き込みます。これでSCRは点弧せずコンタクタを通じて電流が流れるようになり、非常に効率的です。
ACドライブの効率は通常95~98%で、開始および稼動、停止状態においてIGBTといったアクティブコンポーネントが常に起動しているため、ドライブの効率性が低下します。しかしACドライブは電圧と周波数の両方を制御するため、エネルギー削減のさらなる可能性を秘めています。
最高速度かつ適切な負荷をかけた状態で稼動している場合、ソフトスタータはACドライブよりも高い効率性を発揮します。
ソフトスタータが適切な速度で動作し、かつバイパスされている場合、モータ電流はバイパスコンタクタを介して流れます。熱を生成するのに、アクティブ・ソリッドステート・コンポーネントが起動することはありません。
ACドライブではアクティブコンポーネントが常に電圧と周波数を制御しているため、稼働中のACドライブは本質的にソフトスタータより高温となります。
正しく選択すれば、ソフトスタータはACドライブに比べコストおよびサイズ、エネルギーの面で大幅な削減を実現します。ACドライブはソフトスタータに比べ、コストの面では1.5~7倍、サイズでは2.5~10倍を要します。
ソフトスタータかACドライブかの選択においては、アプリケーション特性が非常に重要となります。ソフトスタータとACドライブはどちらも低電圧・低電流でのモータ始動が可能ですが、固有のアプリケーション特性を考慮することでこの二者のうち最も適したものを選択できます。
どちらのモータ制御方式においても設置および立上げ、追加フィルタや回路保護に関する考慮事項をさらに検討し、ソフトスタータまたはACドライブを選択してください。