産業組織は、生産スケジュールを短縮し、収益を最大化するための方法を速やかに見極められなければなりません。これは生産工程の本質であり、できる限りデータが生成された場所の近くで従業員がそのデータを使用できることが重要です。情報に基づいた意思決定を行なうために、オペレーションや生産能力に関する洞察を深めるには、非常に時間のかかるITプロジェクトや高度に特殊なスキルが必要な場合が多々あります。
製造メーカ、製造企業およびそのオペレーションを担当する従業員のために、オペレーション環境の複雑さを軽減することは、常に課題として残ります。お客様が情報に基づいた意思決定を速やかにかつ確信を持って行なえるように、ロックウェル・オートメーションはFactoryTalk® Analytics™製品ラインをさらに充実させました。この記事では、産業用モノのインターネット(IIoT)データを使用することで組織がどのように事業を変革し、競争力を高められるのかをご紹介します。
産業生産性の分析
データや分析の活用は、企業全体の生産性を向上させる上で鍵となります。それらがいつどこで最も効果を発揮するかを見極めるには、企業内に存在するあらゆるソースから構造化/非構造化データを引き出し、アドホック分析や高度な分析ができるよう、情報にリアルタイムでアクセスする必要があります。
データ駆動型アプローチの核となるのは、産業企業内で展開されているスマートデバイスや接続済みシステムのメリットをいかすソフトウェアです。ユーザはソフトウェアを使用して、コントローラ、ヒストリアン、企業資源計画(ERP)システム、およびそれらに介在するあらゆる既存のソースからのデータを利用および融合しながら、オペレーションを分析します。
以前のダッシュボード構築は、生データが生産インテリジェンスにどのように変換されるのかを明らかにしたデータ統合計画を作成することから始まりました。それには、使用されているデータソース、主要業績評価指標(KPI)、およびその他のデータの詳細を手作業で分析する必要がありました。
データ駆動型アプローチでは、構造化/非構造化データを自動的に検出し、インデックスを付加します。このプロセスによって時間が短縮し、手作業によるプロセスよりもヒューマンエラーのリスクが緩和されます。また、このプロセスの方が、デバイス名、ラインの場所、施設の場所やその他の情報を手作業で特定するよりも、詳細な情報にアクセスできます。
データモデリング、機械学習、予知分析、およびサードパーティの分析ツールを使用してデータの管理や分析を行なうことで、ソフトウェアはインデックスが付けられたデータを関連付けし、数十億のデータポイントから答えを導き出します。
つまり、最低限の設定でも、リアルタイムかつ状況に応じた分析にアクセスできるため、問題が発生した場合でもすぐに対応ができるようになります。
この柔軟性は、オペレーションをより深く理解するための武器となります。従業員は単一の画面から、お気に入りのすべての「ストーリーボード」にアクセスできます。ストーリーボードには好みの形式でオペレーションデータを表示できるだけでなく、定義済みのダッシュボードを含めることもでき、同僚とストーリーボードを共有することも可能です。ストーリーボードを使用することで、チームメンバーは容易に分析過程と結果を理解し、問題を究明できるようになります。
オンデマンド分析
データ駆動型アプローチによって、静的なストーリーボードの使用が制限されるわけではありません。レポート環境を開けば、チームが取得したい情報だけでなく、モニタ対象からデータを解き明かすことが可能です。
このオープンな環境では、データを自在にソートできます。数回クリックするだけで、特定のデータポイントの詳細表示、過去の値と現在のパフォーマンスの比較、さまざまな変数でのフィルタリング、異なるチャート形式の適用などが可能です。
変更が加えられると、ソフトウェアはプロセスを開始し、動的レポートの作成を促します。例えば、シフトや従業員IDなどの関連する変数を選択するだけで、バッチシステムのパフォーマンスがプロセスを管理するオペレータごとに表示されます。その後、ソフトウェアはデータを統合し、相関性のあるデータでレポートを作成します。
マネージャは、レポートの内容に応じた意思決定が可能です。また、このレポートを同僚と共有することや、ホーム画面にデフォルトのストーリーボードとして保存することもできます。
スケーラブルなコンピューティングによって、産業用IoTデータを意思決定に活用
より良いビジネスの意思決定を下すために産業用モノのインターネット(IIoT)を使用したいと考えている企業は、まず従業員が必要なときにデータにアクセスできるようにする必要があります。
データはスマートデバイス、機械、そして工場フロアに散在しています。意思決定時にデータが身近にあるほど、データの価値が高まります。これによって、生産プロセスにおける効率をリアルタイムで高め、意思決定が行なわれる場所(機械)からさらに多くの機械や機器などの情報を入手できるようになります。
意思決定時には、分析の課題を解決し、企業の全レベルの課題に対応するため、リアルタイムのデータへのアクセスが必要となります。これが、より良いビジネスの意思決定、および生産性と効率の向上に役立ちます。