- エンド・ツー・エンドの可視性
- 信頼性の向上
- セキュリティの強化
- トラブルシューティングの迅速化
- 将来を見据えた拡張性
- 一貫したユーザエクスペリエンス
- 連携の強化
エクセルプロ社は、自動化システムのインテグレータ、電気設備工事業者、および制御盤メーカとして、企業の業務最適化を支援しています。
同社の顧客は、鉄道輸送、ストックヤード管理、マテリアルリクレーミング(材料を回収し、再利用可能な状態に戻すこと)、船舶への積み込みといった一貫したバルク・マテリアル・ハンドリング(大量の粉粒体・塊状資材を効率的に輸送、保管、処理する技術や工程)のネットワークを運営する大手鉱山事業者です。
- 複雑な制御を伴う大量処理業務
- 老朽化した設備が信頼性低下を招いていた
- 拡張性を考慮していないアーキテクチャ
課題
陳腐化、断片化、運用リスク
当該拠点の従来の制御アーキテクチャは、老朽化したPLC-5®ハードウェアと多種多様なサードパーティ製制御システムが混在する構成となっており、信頼性、保守性、安全の面で大きな課題を抱えていました。
同ターミナルの大規模な運用においては、相互に接続された複数のシステム間で、綿密に連携されたシーケンス制御、堅牢なインターロック機能、そしてリアルタイムでの状況把握が求められていました。対象となるシステムには以下が含まれます。
- 複数の列車を同時に管理する鉄道運行システム
- 列車荷降ろしシステム
- ストックヤードスタッキング(積み上げ)設備
- ストックヤードリクレーミング(回収)設備
- 船舶積込システム
- 各作業エリアを接続する広範な搬送ネットワーク
その施設は操業上極めて重要であるにもかかわらず、旧式なシステム環境では、求められるレベルの連携を維持することが困難でした。長年にわたり分散的に改修が繰り返された結果、プログラミング規格の不整合、度重なるシステムの不安定化、そしてトラブルシューティング能力の限界といった問題が生じていました。
オペレータは、システムの稼働状況の把握が困難であること、機器ごとに操作手順が異なること、アラーム発生時の状況説明が不十分であること、さらにはオーバライドやバイパスの状態を一元的に確認できないことなど、多くの課題に直面していました。
また、保守担当者はトラブルシューティングの際にPLCのロジックへ直接アクセスする必要がある場合が多く、その結果、安全上のリスクやダウンタイムの増大を招いていました。
パートナシップの始まり
制御インフラの老朽化に伴うリスクの増大に直面したお客様は、カナダ有数の産業用オートメーションのシステムインテグレータであり、ロックウェル・オートメーションのゴールドレベル・システム・インテグレータ・パートナでもあるエクセルプロ社に協力を依頼しました。
エクセルプロ社は、産業オペレーションにおける大規模な最新化プロジェクト、カスタム制御システムの開発、仮想化、HMI/SCADAの標準化、およびライフサイクル管理に関する豊富な経験をいかして取り組みました。
同チームは、既存環境の評価、将来を見据えたアーキテクチャの構築、そして長年にわたる断片的なプログラミング手法に起因する運用上の不安定さの解消を任されました。
ソリューション
PlantPAx®とControlLogix®を統合したアーキテクチャ
エクセルプロ社は、ロックウェル・オートメーションのControlLogix®プラットフォームとPlantPAx®分散制御システム(DCS)アーキテクチャを採用して、制御環境全体を最新化しました。
プロジェクトの手法:
- 詳細なシステム調査および評価
- 現場のオペレータや技術者との連携
- HMIおよびPLC規格の共同策定
- 段階的な導入および立上げ
技術的なシステム設計:
- PlantPAx® DCSアーキテクチャおよびライブラリ
- 10台のControlLogix®コントローラ
- 30のFactoryTalk® View SE HMIクライアント
- 12のFactoryTalk® View SE冗長化仮想サーバ
- 集中型高可用性アーキテクチャ
- FactoryTalk® Transaction Managerの統合
- FactoryTalk® Historianの統合
- FactoryTalk® AssetCentreの統合
エンド・ツー・エンドの統合運用および安全の向上
導入された新システムは、ターミナル全体にわたる包括的な運用可視化を実現し、担当者が状況の監視や現場作業の確認を行ない、より的確な判断を下せるようにしました。
主な機能は以下の通りです。
- 鉄道レイアウトの表示(ターミナル折り返しループ)
- ヤード全体の概要画面(機械ごとの制御制限付き: 現地操作のみに限定)
- タスク管理
- オーバライドおよびバイパス一覧のリアルタイムモニタ
- 現場確認用カメラ映像のHMIへの直接組み込み
- 遠隔操作拠点からの特定機器の遠隔制御
オペレータの状況認識の向上
エクセルプロ社は、ユーザビリティと状況認識を向上させるため、ISA-101の原則に準拠した高性能なHMIグラフィックを導入しました。主な改善点として、異常状態を際立たせるための色使いの抑制、ナビゲーションやフェイスプレート動作の標準化、状況に応じた運用情報の表示、そしてアラームの優先順位付けと管理の最適化が挙げられます。
このように刷新されたHMI環境により、重要なプロセス状態の可視性が向上し、プラントで発生する事象に対してオペレータがより効果的に対応できるようになりました。
トラブルシューティングワークフローの改善
アップグレードされた環境では、詳細な機器フェイスプレートやインターロックの可視化機能が導入され、トラブルシューティング能力が向上しました。さらに、保守担当者は、現在発生中のアラーム、過去のアラーム、およびバイパス状態のアラームを管理できるようになったほか、パラメータ変更の監査証跡も利用可能になりました。
その結果、技術者は日常的にPLCコードにアクセスすることなく問題の診断と解決を行なえるようになり、安全の向上と保守対応時間の短縮が実現しました。
結果
最新式で拡張性に優れ、レジリエントな運用体制
アップグレードされたシステムが実現するもの:
- 鉄道、荷降ろし、スタッキング(積み上げ)、リクレーミング(回収)、船への積み込みを含む、ターミナル全体の包括的な可視化
- 標準化されたPLC/HMIコードによる信頼性の向上
- 強固なサイバーセキュリティと厳格なアクセス管理
- ISA-101に準拠した高性能グラフィックスによる、迅速なトラブルシューティング
- 将来の自律運転を見据えた拡張性のあるアーキテクチャ
- ストックヤード全体で一貫したオペレータエクスペリエンス
- 複数の機械および列車間における連携の強化
お客様、エクセルプロ社、およびロックウェル・オートメーションの連携により、本プロジェクトでは、最新のHMI環境に支えられた、ControlLogix®とPlantPAx®による統合制御アーキテクチャが実現しました。
プラットフォームの最新化に加え、信頼性の向上、運用状況の可視化、ワークフローの統合、トラブルシューティング能力の強化、そしてより安全な機器管理体制といったメリットももたらされています。
その結果、お客様の将来的な業務目標を支える体制を整えた、拡張性とレジリエントな(回復力に優れた)オートメーションプラットフォームが実現しました。
公開 2026年8月25日
こちらもおすすめ