北欧の乳製品メーカと8,000以上の牛乳生産業者によって所有される協同組合が、乳製品業界で重要な役割を果たしています。この会社は、1世紀以上前に設立され、業務による環境への影響を最小限にし、リソースを効率的に使用することに継続的に取り組んでいます。
今回取り上げた施設は、世界的な食品飲料メーカに牛乳ベースの材料を提供する主要サプライヤです。この施設は、この会社が所有し運営する6つの生産施設のうちの1つです。この施設は年間500,000トンの牛乳を加工し、63,000トン以上の濃縮ホエイプロテイン、14,000トン以上のカゼイン塩、600トンの加水分解タンパク質、1,000トン以上のミルクミネラルを生産しています。
経営陣は、同社のカゼイン塩の生産ラインをより効率的かつ一貫的に運営したいと考えていました。カゼイン塩とは、プラスチック、接着剤、およびある種のチーズやその他の食品を作るために使用される乳タンパク質です。
この乳製品メーカでは、政府の規制への適合を維持するために、カゼイン塩粉末を製造する乾燥工程を制御するという課題を抱えていました。粉末製品は必要最小限の乾燥状態でなければ販売できないため、同社は基準を満たし廃棄物を出さないためにゆっくりと時間をかけて乾燥機を運転することを余儀なくされました。
これらの問題はかなりのエネルギーを消費し、製品の処理能力に影響を及ぼしました。そのため、乾燥プロセスの制御を最適化することが同社の重要な課題となっていました。
このお客様は、各ラインの処理能力を増加させると同時に、製品品質を維持しエネルギー使用量を削減するソリューションを求めていました。このお客様は、競合するソリューションを検討した後に、ロックウェル・オートメーションと協力してカゼイン塩生産ラインの乾燥機の全体的な効率を改善しました。
製品の水分レベルに影響するプロセスの3台の乾燥機とその他の要因が評価されました。ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® Analytics™ Pavilion8®が持つクローズドループの予測的/処方的分析機能を使用すれば、プロセス制御を厳重にして一定の水分レベルを維持し、それによってラインの処理能力とリソースの消費を最適化することができます。
ロックウェル･オートメーションのチームは、製品の水分量を管理するためのクローズドループ水分制御アプリケーションを推奨しました。このソリューションは、Pavilion8®プラットフォームをベースとして、設計、開発、および配備されました。
このソリューションは、ロックウェル･オートメーションのモデルを使用して、粉末水分(品質)のインライン化された推論的測定をリアルタイムに提供しました。ライン全体でこのセンサデータを使用することによって、モデルベースのクローズドループ制御が予測的に対応可能になり、水分のばらつきの大幅な削減、乾燥機の処理量の増加、カゼインの乾燥に要するエネルギーの削減を実現しました。
この施設のカゼイン塩生産ライン(3×噴霧塔)でのPavilion8®ソリューションの結果は、予想以上のものでした。このお客様は、品質のばらつきを最大42%削減し、平均水分含有量の0.12～0.38%の増加を達成しました。さらに、生産スループットの6～15.8%の向上も達成しました。
それ以来、この北欧の乳製品メーカは、同社の材料プラント全体で合計19のPavilion8®クローズド･ループ･ソリューションの導入に成功しました。
この乳製品メーカの技術マネージャは次のように述べています。「ロックウェル･オートメーションの専門知識とモデルベースのプロセス制御ツールは、この困難な経済状況で生産性と収益性を維持するために当社が必要とする競争力を提供してくれました。ロックウェル･オートメーションは期待通りの成果を上げています。」
公開 2023年7月7日
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