フルオシド･スパはMPCで原材料使用量を削減

本質的に複雑なプロセス

フルオシド社のカリアリ工場では、リアクタやキルンなどのさまざまな加工技術を使用してさまざまな製品を生産しています。これらの技術はすべて、製品の品質、プロセス効率、エネルギー消費の最適化を確実にするために厳重に制御する必要があります。

生産工程における主な課題は、原材料の品質が自然に変化することや外部要因など、さまざまな変動要因がプロセスの安定性や製品の品質に影響を及ぼす可能性があることです。

これらのプロセス変数は最終製品の品質に影響を与えるだけでなく、損失となる原材料の消費量や無水物副産物の品質も左右します。無水物副産物とは、使用可能な商品そのものです。

手作業によるプロセス調整

カリアリのフルオシド工場のプラントディレクターであるダニエレ･トッコ氏は次のように説明しています。「プロセス制御は、もともとオペレータによって調整された単純なPIDコントローラを使用して行なわれていました。しかし、ここが実際の課題となっていました。当社のプロセスにおける化学反応は、蛍石原料の品質やプロセスに投入されるエネルギーの量など、いくつかの要因によって影響を受けるため安定することはめったにないからです。

このプロセスにはインテリジェンスが必要であり、それにはモデル予測制御(MPC)ソリューションが最適でした。モデル予測制御ソリューションは工場の挙動をモニタし、個々のセットポイントを変更することで、プロセスの制御と最適化を常に改善し、真のポテンシャルを発揮させます。」

高度なプロセス制御の導入

カリアリ工場で導入されているモデル予測制御ソリューションは、ロックウェル･オートメーションのFactoryTalk® Analytics™ Pavilion8®ソリューションです。

Pavilion8は、既存のプロセス制御システムに追加のインテリジェンスレイヤを提供し、現在および予測される動作データを継続的に評価します。このデータを望ましい結果と比較し、新しい制御目標を推進して、プロセスのばらつきを低減し、パフォーマンスを改善し、効率を向上します。これらはすべて自律的に、そしてリアルタイムで行なわれます。これは、クローズドループ最適化と呼ばれています。

キルン制御アプリケーションは、ロックウェル･オートメーションの専門チームが策定したもので、ロックウェル･オートメーションのデジタルトランスフォーメーション事業であるカリプソのデジタル･データ･コンサルタントも参加しました。

トッコ氏は、「モデル予測制御ソリューションの展開の背景にある理論的根拠は、高価な蛍石原料の消費を最適化することでした。副産物になんらかの存在がある場合は、反応プロセスに問題があるということです。反応プロセスを改善できることはわかっており、現在のレベルを2.9%削減するという目標を設定しました」と、付け加えました。