お客様へのご提案

DSI, Inc.は、米国の大手電気統合企業です。石油&ガス、水処理、地方自治体、ジャガイモ食品加工、バイオ燃料の各産業にオートメーション設計、電気工事、機械サービスを提供します。
- 使用年数が10年以上の老朽化した電力設備のアップグレードが必要
- 旧式の可変周波数ドライブ(VFD)はダイナミック・ブレーキ・レジスタを使用しており、熱としてエネルギーを浪費
- 効率性を向上させ、サステナビリティ目的に沿った長期的なソリューションが必要
- 130台以上の新しいドライブの導入に成功
- 完全導入完了後、月間300万ドルのエネルギー節約を見込む
- 17%の回生を達成し、その電力の95%を再利用
課題
従来のテクノロジでは将来の成長をサポートできない
ロックウェル・オートメーションのPartnerNetwork™の電気統合企業兼システムインテグレータであるDSI社は、あるお客様の重大な問題を特定しました。世界的に有名なあるエネルギー会社は、インフラの老朽化という課題に直面したことで非効率が生じ、その結果、財務的にも無駄が生まれていました。これに加えて、同企業はESG (環境・社会・ガバナンス)への取り組みのためにカーボンフットプリントを削減する方法を検討していました。この地域の公益事業者もまた、エネルギー消費を削減する必要性を強調して、生産能力のオンライン化の促進に苦戦していました。
同企業は、動作効率とサステナビリティの向上のため、油井パッドテクノロジの最新化にチャンスがあるとにらみました。現場全体でエネルギーの無駄を削減し、運用コストを節約し、長期的な信頼性を向上させるソリューションを求めていました。
とりわけ、モータ制御資産の多く、特にポンプロッド用途で使用されるPowerFlex® 700可変周波数ドライブ(VFD)は、稼働年数が10年を超えていました。これらの古いドライブは、熱として放散することで過剰なエネルギーを放出するダイナミック・ブレーキ・レジスタ(DBR)に依存していました。新しいドライブテクノロジは、設計から見直し、エネルギー損失を削減する機会を提供しました。
同企業はパートナに支援を求めました。DSIはその専門知識と、ロックウェル・オートメーションとの強い関係性で、この先長くエネルギー分野のリーダであり続ける助けになる成果を達成しました。
ソリューション
回生ドライブの実装とスケーリング
DSI社はロックウェル・オートメーションと密接に連携し、新しいソリューションを模索しました。さまざまなテクノロジを評価した後、DSI社はエネルギー回生機能で知られるPowerFlex® 755TRドライブを推奨しました。従来のシステムとは異なり、余分なエネルギーをDBRで捨ててしまうのではなく、システムでリサイクルしました。DSI社のケイシー・ジョンストン社長は、こう述べています。「この回生ドライブを完全に開発している企業は他にありませんから、他社を検討しようとは思いませんでした。ロックウェル・オートメーションは、このアクティブ・フロント・エンドの回生ドライブで現在トップに位置していますから、迷うことなく選びました。」
この導入は、ノースダコタ州の3つの油井でのパイロットプロジェクトから始まりました。ロックウェル・オートメーションのフィールドエンジニアとDSIが協力し、システムの設置と最適化を行いました。チームは約1年間、消費電力、エネルギー回生レベル、効率向上などの主要なパフォーマンスデータをモニタしました。この厳格なテストフェーズで、展開範囲を広げる前にパラメータを微調整し、パフォーマンスを最適化できました。
エネルギー効率だけでなく、この新しいソリューションは予想外のメリットももたらしたのです。現在では、エネルギーの浪費を削減し、サステナビリティの目標にさらに合致し、将来の成長をサポートするカーボンクレジットを獲得できるようになりました。
同企業はまた、適応制御によりポンプの機械的共振を自動的にチューニングするPowerFlex 755TRドライブの能力も活用しました。 さらに、速度とトルク精度の向上により、油井の性能に関するレポートが改善されました。
結果
回生ドライブによるインフラ変革
パイロットの成功を受けて、DSI社と同企業は、130台以上のPowerFlex® 755TRドライブを現場に配備し、実装範囲を広げました。その結果は圧倒的にポジティブなものになりました。
第一に、このプロジェクトでは、1,200台のドライブがすべて交換された場合毎月300万ドルのエネルギー節約が見込まれています。次に、ロールアウトの12%が完了した時点で、すでにコスト削減が実際に見られています。最後に、この新しいソリューションは17%の回生を達成し、回収されたエネルギーの95%が再利用され、エネルギー効率が大幅に向上しました。この最新化の取り組みにより、DSI社はエネルギーインフラの変革を支援し、コストを削減し、効率を改善し、将来のイノベーションに向けた準備を整えました。
将来的には、DSI社と同企業は、ロックウェル・オートメーションの予知保全ソリューションであるFactoryTalk® Analytics™ GuardianAI™を使用して、すべての現場に新しいシステムを展開し、追加のデータと分析を調査する予定です。この用途は、ポンプを含む生産設備の状態に基づく継続的な監視を提供し、企業が故障の考えられる原因を予測および特定するのを支援し、最適化された保守活動をサポートします。
公開 2025年7月24日