異常なスキルギャップ
今日の市場では、熟練労働者に対する需要が供給を大きく上回っています。そして、サプライチェーンを支える倉庫や流通などのオペレーションを維持する有能な技術者の必要性は、特に深刻となっています。
アマトロール社販売担当副社長のケント・パウエル氏は次のように述べています。「パンデミック以前から、物流センターの技術者の求人が急増していました。パンデミックでは、ネット通販が急増したため、さらにその数を増やしました。」
迅速な配送、時には翌日配送に対する消費者の期待の高まりに応えるため、企業は倉庫やフルフィルメントセンターの建設を加速させました。しかし、その中核となる自動マテリアルハンドリング機器を操作・保守できる技術者は、なかなか見つかりませんでした。
この業界の課題は、スキルベースの対話型技術トレーニングの大手プロバイダであるアマトロール社にユニークな機会を提供しました。インディアナ州ジェファーソンビルに拠点を置くアマトロール社は、世界中の専門学校と産業界の顧客に魅力的な学習ソリューションを提供しています。
コラボレーションで業界と連携したソリューションを構築
アマトロール社のトレーニングソリューションの背景には、業界企業、標準化団体、教育機関との協力関係があります。
私たちは、産業界が抱えているスキル不足を真摯に受け止め、総合的なトレーニング製品で解決しようとしています」と、パウエル氏は説明します。
倉庫・流通空間におけるスキルギャップに対応するため、アマトロール社はManufacturing Skills Standards Council (MSSC)と緊密に連携しました。MSSCは、業界主導の研修、評価、認証システムです。Material Handling Equipment Distributors Association (MHEDA)、 Material Handling Institute (MHI)、およびNational Center for Supply Chain Automation (NCSCA)もこのプロセスに関与しています。
機器の設計とテストを通じて、eコマース(電子商取引)や運輸の大手企業に相談し、重要な技術がトレーニングソリューションに盛り込まれていることを確認しました。
「サプライ・チェーン・オートメーションの技術者には、従来の機器に加え、ITネットワークに精通した独自のスキルが必要であることがわかりました」と、アマトロール社のマーケティング・オペレーション・チームリーダのカール・プリンツ氏は述べました。
アマトロール社のソリューションであるSkill Boss Logisticsは、すべての関連分野を網羅し、自動物流機器をサポートする作業員を養成するものです。このソリューションは、以下の3つのMSSC認定サプライ・チェーン・オートメーション技術者(CT-SCA)資格と連携しています。
- 機器/システムのメンテナンス: CT-SCA-EM
- 機器/システムのトラブルシューティングと修理: CT-SCA-ER
- コントローラとネットワークの基本的なトラブルシューティングと修理: CT-SCA-NR
トレーニングの流れ
Skill Boss Logisticsのトレーニングには、オンラインのeラーニングと、ハンズオントレーニング、評価ワークステーションが含まれます。また、アマトロール社は文書による教材とインストラクタ指導によるトレーニングも提供します。3つのトレーニングプログラムは、それぞれ150~200時間のトレーニングで構成されています。
パウエル氏は次のように述べています。「インタラクティブなeラーニングとシミュレーションを通じて、各トピックを紹介し、教えます。その後、学生は認定試験に備え、それらのスキルを機器で練習します。」
Skill Boss Logisticsワークステーションは、MSSCが業界で定義し、国内で検証されたCT-SCA標準のリストにある100のスキルを利用します。コンパクトな卓上型のこのワークステーションは、バーコードによるパッケージの追跡、さまざまな仕分け方法、ギャップの最適化、パッケージの再循環など、サプライチェーンの機能を実行します。
このワークステーションには、複数のコンベアタイプ、排出シュート、センサなど、サプライ・チェーン・オートメーションの技術者が業務で遭遇する産業用機器が搭載されていることが最も重要な点です。また、Allen-Bradley®のCompactLogix™ 5370コントローラとPowerFlex® 525 ACドライブを搭載したロックウェル・オートメーションのプラットフォームベースの制御システムが、EtherNet/IP™ネットワーク上で統合されています。
パウエル氏は次のように述べています。「このシステムは、HMI用のオールインワンタッチスクリーンPC上でFactoryTalk® Viewソフトウェアが動作します。また、HMIにはアラームセクションがあり、工場内の作業者が見るものと同じようなデザインになっています。」
HMIとは別に、Skill Boss LogisticsはAmatrol FaultPro故障検出ソフトウェアも稼働させています。FaultProでは、インストラクタが45以上の実際の故障を挿入し、学習者がトラブルシューティングとメンテナンスのスキルを練習できるようになっています。
確かな成果。印象的なROI。
Skill Boss Logisticsの最初の発売から3年未満で、何百ものシステムが専門学校や企業で使用されています。
パウエル氏は次のように述べています。「私たちの産業界のお客様は、投資収益率(ROI)を基準に成功を評価しています。Skill Boss Logisticsを利用することで、お客様は技術者の平均トレーニング時間を約2年から6カ月以下に短縮しています。」
工場の現場では、トレーニングを受けた技術者がダウンタイムを大幅に減らし、システムの投資回収期間を2年と見積もっています。
パウエル氏は次のように述べています。「私たちの成功は、トレーニングの総合的な性質に基づくものだと信じています。テキストによる教材に加え、インタラクティブなeラーニング、さらにスキルを練習し評価するための実地ワークステーションを提供する会社は他にないと思います。」
パウエル氏は次のように述べています。「私たちの成功は、トレーニングの総合的な性質に基づくものだと考えています。このように、テキストによる学習とインタラクティブなeラーニング、さらにスキルを練習し評価するための実践的なワークステーションを提供する会社は他にはないと思います。」
次のステップ
オートメーション技術の最新動向を把握するため、アマトロール社はロックウェル・オートメーションと緊密に連携しています。
「私たちは高度な分析と拡張現実(AR)をどのように教育サイクルに組み込むか、話し合いを始めています」と、パウエル氏は述べています。
また、アマトロール社は、米軍退役軍人が高度な製造業務で成功するために必要なスキルアップを提供するロックウェル・オートメーションとマンパワーグループが共同で設立したAcademy of Advanced Manufacturing (AAM)を支援する機器の開発にも取り組んでいます。
パウエル氏は次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションとの関係は、他のどのサプライヤとの関係とも異なっています。ロックウェル・オートメーションのような世界的な製造メーカと協力することで、次世代の労働者を育成するお客様のニーズに応えることができるのです。」
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