- ネットワークの立上げ、冗長化されたIDCの増設、30台を超えるStratix®スイッチへの光ファイバーおよび銅線接続を含む大規模な移行を完了
- 15の独自仕様の分散制御システムをPlantPAx® DCSに移行
- 約4,000点のI/OおよびIT/OTコンポーネントを統合し、サイト全体の接続性を強化
- 状態ベース制御(SBC)を使用して効率を最適化し、タスクの自動化、マージンの向上、プロジェクトリスクの軽減を実現
- HP-HMIにより、アラームの優先順位付け、オペレータ制御、および全体的なエクスペリエンスが向上

世界的な農業専門企業であるコルテバ社は、世界で最も喫緊の農業課題に対するソリューションを提供しています。農業業界で最も認知度の高いブランドと、成長を牽引する優れた技術パイプラインを擁するコルテバ社は、農家の生産性を最大化することに尽力するとともに、フードシステム全体のステークホルダーと連携し、生産者と消費者の生活を豊かにし、未来の世代の発展を確かなものにするという約束を果たしています。
- 厳しいスケジュールで、独自仕様の旧式の分散制御システム(DCS)を移行
- 旧式のシステムとコンポーネントの陳腐化に関する懸念に対処
- 工場の操業を継続しながら、複雑なI/Oの切換えに対応
- リモート・デスクトップ・プロトコル(RDP)を使用して潜在的なセキュリティ脆弱性を軽減し、セキュアで信頼性の高いリモートモニタをサポート
- リモートI/Oと複数のオペレータステーション向けに、数マイルにわたる新しいファイバー接続を設置
- 旧式のヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)グラフィックスを高性能HMI (HP-HMI)に移行
- 将来のライフサイクルコストを優先し、I/Oカットオーバー時のダウンタイムを最小限に抑えながら、ターンキー移行を実施
- 広範なフロントエンドローディング(FEL)およびフロントエンドエンジニアリング設計(FEED)調査を通じて、プロジェクトの範囲、スケジュール、予算を定義
- システムの信頼性を向上させるため、冗長化された新しい産業用データセンター(IDC)サーバを導入
- オペレータのエクスペリエンスとアラーム応答時間を向上させるため、HP-HMIを導入
- 複数の受入テスト活動を含む、詳細な共同試運転および起動計画を実施
課題
厳しいスケジュールでのDCS移行
ミシガン州ミッドランドに本社を置くコルテバ社は、自社独自の制御システムを最新の分散制御システム(DCS)に移行したいという要望で、ロックウェル・オートメーションにアプローチしました。同施設は農薬を生産しているため、業務上および契約上の義務を果たすために、移行プロジェクトを最小限の混乱で実行することが最優先事項でした。
コルテバ社は、蒸気、純水、配電などの重要なインフラサービスを複数のテナントに提供しています。施設全体のコンポーネントを最新化するには、重要な更新が必要でした。チームは、冗長化された新しい産業用データセンター(IDC)を移行する前に、複雑なネットワークの立上げを成功させました。また、4平方マイルを超える新しい光ファイバーおよび銅線接続を導入し、30台以上の新しいStratixスイッチと統合しました。
さらに、コルテバ社のオペレータインターフェイスは動的データへの高レベルアクセスが不足しており、重要なシステムの可視性が制限されていました。この問題に対処するため、新しい制御システムを導入し、動的データへのリアルタイムインタラクションを可能にしました。また、運用効率を向上させるために、HMIグラフィックスの全面的な見直しも必要でした。
ソリューション
専門知識の連携による効率的なDCS移行
厳しい納期に間に合わせるため、ロックウェル・オートメーションのチームはコルテバ社のチームと緊密に連携し、FEL/FEEDプロセスを通じてスコープ、スケジュール、予算を策定しました。コルテバ社の目標と成果が明確に定義され、達成可能であることを確認しました。
プロジェクトの複雑さと複数の段階を考慮し、ロックウェル・オートメーションの導入サービスチームはコルテバ社のチームと緊密に連携し、導入プロセスを合理化し、スムーズで効率的な導入を実現しました。コンサルティングアプローチと人員増強により、チームは15の独自仕様の分散制御システム(DCS)をPlantPAx® DCSに移行すると同時に、他のIT/OTコンポーネントのアップデートも実施しました。HP-HMIグラフィックスも導入され、PlantPAxパッケージに含まれるデータ駆動型グラフィックスと連動することで、オペレータの視認性と操作性が向上しました。
さらに、ロックウェル・オートメーションのデジタルツイン技術を活用し、チームは高忠実度工場受入試験(FAT)を実施し、機器の性能と信頼性を検証しました。
施設の重要性を考慮し、コルテバ社は新たに冗長化された産業用データセンター(IDC)サーバを要請しました。チームはまた、電気およびユーティリティ配電、蒸気/電気システム用の脱イオン水製造、化学薬品供給、そして熱酸化装置(THROX)といった重要なユーティリティの移行も成功させました。
状態ベース制御の専門知識
コルテバ社の状態ベース制御(SBC)は、施設全体の問題を拡大・特定するのに役立ち、オペレータはバッチプロセス全体を管理し、制御ループを効果的に調整できます。テスト段階では、ロックウェル・オートメーションのチームは、機能の改良、古いコードのクリーンアップ、非効率的なプログラミングの削除により、既存のSBCを最適化しました。また、元の独自システムの重要な機能をエミュレートするための新しいコードブロックも開発しました。
結果
DCS移行のメリット
当社とコルテバ社とのパートナシップとターンキー方式の協働により、コルテバ社はDCS移行プロセス全体を通して大きなメリットを得ることができました。ロックウェル・オートメーションのチームは、最新設備の導入により運用の信頼性を向上させると同時に、ライフサイクル全体の総所有コストを削減しました。これにより、工場全体で生産プロセスがより効率的になり、オペレーションの効率化が図られています。最新のDCSにより、工場はリモート・デスクトップ・プロトコル(RDP)を介して離れた場所からオペレーションをモニタできるようになり、サポートと保守性が向上しました。
HMIグラフィックスが大幅に改善され、オペレータはより優れた制御性、データの可視化による生産性の向上、そしてアラーム機能の向上を実現しました。さらに、新たに実装されたSBCプログラミングコードは、プロセスがどのステップにあるか、各ステップがシーケンス内で確実に完了する方法、そしてステップ番号や診断アラームなどのユーティリティ関連要素をクリアする方法を特定します。SBCは、機器の信頼性と資産活用をさらに強化し、アラームの合理化率を向上させ、混乱を減らし、スムーズな運用を実現します。
最終的に、プロジェクトの成功は、ロックウェル・オートメーションとコルテバ社のチームの強力なコラボレーションとパートナシップの直接的な結果であり、シームレスな実行と成果の共有につながりました。
公開 2025年7月24日
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