スマートな食品企業はビジネスプロセスを新しいレベルに引き上げています

成功のためのレシピ: スマートオペレーション

スマートマニュファクチャリングによって、企業は以前は想像でしかなかったレベルにまで、ビジネスプロセスを進化させることができました。

グローバルな食品&飲料メーカは、進化する業界の課題に直面しています。これらの課題の3大要因は、小売店および消費者の需要、規制省庁による生産される食料品の品質に対する要件、および利益を維持し効率を向上させると同時に優れた製品を生産したいというブランドまたは事業所有者のニーズです。

これらすべてによって、企業および製造メーカは新たな産業用モノのインターネット(IIoT)およびデジタル技術を取り入れ、継続的にプロセス改善を行なうとともに、生産拡張の機会を逃さないようにすることが必要です。

スマートマニュファクチャリングは、食品&飲料事業がオペレーションを行なう方法に、斬新でより洗練されたアプローチを提供します。

以前には分離していたプロセスを接続することで、スマートマニュファクチャリングは組織内のオペレーションを1つのビューで表示することと、人、データおよび資産をまたいだシームレスな通信を可能にします。リアルタイムの連携の強化とプロセスの継続的な改善によって、スマートマニュファクチャリングはオペレーションを常に前進させます。

最適なツール

まったく異なるネットワークの統合、生産可視性の改善、およびプロセスのより優れた制御によって、プロセスの切換えなど特に複雑な作業の運用上の改善と効率の向上が可能です。さらに、利用できる情報量が増大することにより、製造メーカはサプライチェーンの状況により敏感に対応して、オンデマンド生産を改善することができます。

特に、食品&飲料メーカは、スマートマニュファクチャリングの技術を使って製造業務を変革および改善できます。これには、以下が含まれます。

  • より優れたインテリジェンス: 生産情報は、オペレーションを改善するためのより深い分析の基礎となります。温度、圧力、調理時間、定置洗浄などのパラメータに関するリアルタイム情報にアクセスできる能力は、食品の安全および品質に対するより堅牢な予防的アプローチを創出するのに役立ちます。自動化されたデータ収集、ロギングおよび報告書作成は、法規制による負担を軽減することにも貢献します。
  • エンタープライズ製造インテリジェンス(EMI): EMIソフトウェアは、生産情報を整理し、その相関関係を示し、提示することで、オペレータがリアルタイムで問題を特定し、調整できるようにします。豊富なデータを取り扱えるダッシュボードが、機械やラインの稼働状況を表示し、生産パラメータが事前に設定した制限を超えると作業員に通知します。

  • 強化された制御: 最新の分散制御システム(DCS)は、すべてのオートメーションプロセスを1つの工場全体システムに統合します。モデル予測制御(MPC)、アラーム管理およびバッチ管理などのDCS機能は、工場の効率改善およびオペレーションのパフォーマンスの向上をサポートします。仮想化サーバおよびワークステーションによって、IT投資の削減、稼働時間の改善およびライフサイクルの延長が可能です。

  • よりスマートなマシン: スマートマシンとスマート機器は、データへの前例のないアクセスを提供します。リアルタイムのデータをログに記録し分析することで、従業員は格段に優れた意思決定を行なうことができるようになり、自分が担当する機器だけでなく、製造工程全体の最適化をサポートします。

生産からより多くのものを得る

生産量を増大するために、スマートマニュファクチャリングは材料の流れに従い、生産スループットを追跡する機会をもたらすだけでなく、オペレーションの改善点を示す可能性のある主要な生産分野に関するさらに深い洞察をも提供します。

製造実行システム(MES)ソフトウェアは、食品&飲料生産におけるプロセス制御の最も重要な構成要素のひとつです。これは、より深く、より直接的な生産可視性を実現するため、データ収集を自動化します。これにより、製造メーカは、オペレーション、一次産品市場および生原料に基づきより良い意思決定を下し、原料の変動を管理し、生産量を改善することができます。

ミラカ社はPavilion8によって能力を4%増大

消費者の需要に効率的に対応するため、またはリコールの予防および管理のために、サプライチェーン内でのトレーサビリティが必須となっています。既存のオートメーションシステムの上に、MPCをインテリジェントなレイヤとして適用することで、すべてのプロセスのオペレーションパラメータをキャプチャできます。MPCは、プロセスの分野およびラインの状態を予測し、プロセスの効率を連続的に向上させるために、継続的な調整を行ないます。

例えば、ミラカ社は、プロセスの改善箇所を特定し、生産を最大化するために乳製品加工工場に革新的なソリューションを導入しました。Pavilion8® MPCソフトウェアのインストールと制御システムのスマートアップグレードによって、ピーク時期に生産能力を4%以上増大し、水分ターゲットを0.04%引き上げることができました。

生産量のわずかな改善でも、製品への経済的な影響は大きなものとなります。例えば、材料使用を最大化し、廃棄を年間わずか1%低減しただけで、数百ドルから数千ドルの原材料費の節約につながります。

ニュージーランドにあるミラカ社の施設では、製品のばらつきの問題を軽減し、乳製品の品質の均一性を改善しました。また、同社はプロテインおよび脂肪分のコントロールを改善し、脂肪およびプロテインの廃棄を年間100トン以上も削減しました。

無摩擦の生産性

スマートマニュファクチャリングのアプリケーションとメリットは、機械のみに限定されません。これらは、従業員管理においては現実の便益を作り出す可能性があります。生産性の向上と従業員保護については、規模に関係なくすべての企業やその工場が同じ圧力に晒されています。

歳を重ねた経験豊かな従業員が退職し、若く経験の浅い従業員に代替わりします。新たな従業員は、生産を柔軟かつ俊敏に行なうという課題をクリアするために、新たなツールとワークフローを必要とします。ダイナミックな環境で柔軟に、変化に迅速に対応するために、従業員は情報を必要とします。

従業員個別の指示および状況に当てはめた生産情報で、新人のために作業の複雑さを軽減できます。モバイルデバイスを使って、インタラクティブでわかりやすい方法で情報を提供できます。プロセスのデジタル化によって、経験豊かな従業員が退職する前に、彼らからクリティカルな「ノウハウ」をキャプチャし、オペレーションの効率と新人の労働条件を改善することもできます。

例えば、ミルク・スペシャリティーズ・グローバル社が3つの生乳施設に新規の生産インテリジェンスシステムを導入した後、生産制御システムがデータ的に孤立した状態が解消され、報告の機能が旧式化することがなくなり、さらに、報告は手間のかかる作業ではなくなりました。FactoryTalk® VantagePoint®エンタープライズ製造インテリジェンス(EMI)ソフトウェアによって、工場フロアにいる全員がリアルタイムの可視性を有し、製品に含まれる化学物質(CIP)、化学物質の使用量および追跡などの生産データを理解できるため、従業員はデータを迅速に複数の状況に当てはめて確認できます。

主要な生産ステージごとにオーダーメイドのスコアボードが用意され、従業員が異なるエリアのプラント概要データを確認できます。また、自動化された報告書作成は手作業で報告書を作成するより時間の節約となるため、報告機能はよりスマートであると言うことができます。従業員は、生産目標を達成する力を得ます。

さらに、機械制御システムに統合された安全システムは、リスクを緩和し、旧型のハード配線されたシステムと比較して、やっかいなシャットダウンの発生率が低くなっています。安全事故のデータを使って、製造メーカはリスクを特定し、安全関連のシャットダウンが発生するエリアを調整することができます。

計測器の測定

生産性向上は、企業がスマートマニュファクチャリングを使って水、空気、ガス、電気および蒸気(WAGES)を含む資源を管理した結果として得られる恩恵です。

エネルギーのコストは上昇を続けているため、食品&飲料の製造メーカは、クリティカルな競争上の優位性を確保するためにこれらの経費をさらに厳密に管理しています。エネルギー関連コストを削減する鍵となるのは、どこで、いつ、どれだけのエネルギーが消費されているかを理解することです。この情報を武器に、企業は負荷要件を積極的に管理し、システムパフォーマンスを改善し、コストを削減することができます。

エネルギー管理におけるスマート技術によって、製造メーカはサイトレベルまたは特定の生産ライン別に一定の容量のエネルギー消費を追跡できます。消費量を監視することで、これらの企業はエネルギー消費と費用を低減するための運用の変更を行なうことができます。

履歴データへのアクセスによって、管理者は時折発生する、または継続する電圧低下や高調波など電力品質の問題に対応することができます。このようにして、機器の損傷や品質の低い製品による数千ドル単位の損害や、電力網の力率の問題に関連した罰金を避けることが可能です。このタイプのデータモニタおよび分析は、改善を行なう上で不可欠です。これによって、企業は先を見通し、エネルギー使用量を制御することに関してよりスマートな意思決定を下すことができます。

例えば、フェアリボー・フーズ社のマメ工場では、既存の生産設備をプロセスソリューションに置き換えて、WAGES消費情報の管理における効率を飛躍的に向上しました。Allen-Bradley®のスマートドライブとコントローラの新たなセットを使い、さらにインテリジェントなモータ制御を工場全体に導入することで、 同社は天然ガス使用量を年間38%以上削減し、1億ガロン以上の水を節約できました。

フェアリボー・フーズ社は、食料サプライチェーン全体の環境意識を高める重要性を理解しています。同社は、スマートマニュファクチャリングを通じて製品の品質と法準拠を改善しました。また、同社は生産信頼性の向上と、生産速度の7日から5日への短縮に成功しました。

アーノッツ社の工場では、さらに柔軟に好きなお菓子を作れるようになりました。

データとレシピの保護

新しく開発された技術により、食品&飲料製造が再定義されます。モノのインターネット(IoT)、無線およびモバイルテクノロジ、データ分析およびネットワークインフラを統合することで、企業はオペレーションからのデータにアクセスし、それに基づき行動を起こすことができます。スマートマニュファクチャリングが提供するすべての恩恵を得るには、セキュリティに対するより包括的なアプローチが欠かせません。

食品&飲料産業では、製造メーカは稼働時間と知的財産だけでなく、製品の安全および品質維持に関連するプロセス、機器および関係者を保護する必要があります。

例えば、アーノッツ社は、オーストラリアのアデレードにある工場を新規の制御プラットフォームに移行させることで、スマートプラントの運用を開始しました。同社は、EtherNet/IP™ネットワークPowerFlex®可変周波数ドライブのインテリジェンスを活用し、オペレータが工場内で安全にリアルタイム情報にアクセスできるようになりました。このシステムは一元管理され、現場の柔軟性と敏捷性が向上したため、工場のアップグレード中のエンジニアリング時間と生産損失の低減に成功しました。

このアップグレードの結果、アーノッツ社工場には柔軟性と接続性が備わりました。システム変更によって、選択とセットアップのプロセスが単純化し、ヒューマンエラーが減少しました。

リードし続けるための鍵

すべてに当てはめられる単独のアプローチはありません。それと同じく、スマートマニュファクチャリングは、購入したり、インストールすることができる機械ではありません。それは実現に向けての過程であり、製造メーカがどこからスタートすればよいかを理解することをご支援する事例です。

いくつかの企業は、これに成功しました。そのような企業の成功は、スマートマニュファクチャリングが食品&飲料の製造業務を変革する可能性を証明しています。

関連する、リアルタイムおよびロールベースの情報にアクセスする能力は、あらゆるレベルでのより多くの情報に基づく意思決定を可能にし、プロセス改善のほとんど終わりのない機会を作り出します。機器、制御システムおよび情報システムの進歩は、さらに柔軟で、応答性の高いオペレーションを確立するために役立ちます。

よって、スマートマニュファクチャリングの恩恵は、オペレーションの改善を遙かに超えたものです。セキュアなネットワークインフラ、より優れた接続性、およびすぐに使用できる情報へのアクセスによって、品質、食品の安全、および労働者の安全を強化する機会が作り出されます。同時に、規制準拠の負担が軽減します。

Automation Today

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