ロックウェル･オートメーションは環境に配慮したリチウム生産を支援し、英国の供給を確保

産業用オートメーションおよびデジタルトランスフォーメーションのグローバルリーダであるロックウェル･オートメーション(NYSE: ROK)は、コーニッシュ･リチウム社と共同で、微小花崗岩から水酸化リチウムを持続的に製造することを検証するための実証プラントを建設しています。国際エネルギー機関(IEA)によると、世界は2025年までにリチウムの不足に直面する可能性があると言われています。2050年までにネットゼロ目標を達成するためには、全世界で20億台以上の電気自動車が必要とされており、電気自動車のバッテリにはリチウムを必要とします。しかし、この急増する需要に対応するために必要なリチウム資源は、世界の一部の地域にしか存在しません。

コーニッシュ･リチウム社の実証プラントは、ロックウェル･オートメーションのPlantPAx^®最新の分散制御システムで制御されます。この最新のDCSは、工場全体の制御システムを一元化し、より良いビジネス判断のための柔軟性を向上させます。

ロックウェル･オートメーション UKのマネージングディレクターであるフィル･ハドフィールドは次のように述べています。「ロックウェル･オートメーションは、複雑なリチウム抽出プロセスをサポートするためのテクノロジとこの分野の専門知識の両方を備えています。私たちは、オーストラリア、アフリカ、南米など、世界各地のリチウムプロジェクトで成功を収めてきました。ロックウェル･オートメーションの統合アーキテクチャは、エンド･ツー･エンドのシステム統合を実現します。システムは、デジタルテクノロジの新たな進歩を活用し、スケーラビリティを念頭に置いて設計されています。」

コーニッシュ･リチウム社は、微細な花崗岩から水酸化リチウムを生成するために開発された酸浸出、選択的沈殿、晶析プロセスのライセンスを取得しました。このプロセスは、通常、鉱石を1,000℃で焼成する重要な焼成工程を含む従来のハードロックプロセスよりも環境に優しいと期待されます。

このプロセスの有効性は、すでにオーストラリアの小規模なパイロットプラントで検証され、水酸化リチウム一水塩を製造できることが証明されています。次のステップは、コーンウォールの敷地内に実証プラントを建設することです。これは、原料から水酸化リチウムに至るまで、概念的なエンド･ツー･エンドの完全なプロセスで、本格的な設備と同じものを使用しますが、規模の関係で1、2点だけ変更する予定です。実際の工程をシミュレーションすることで、本格的な生産設備の建設に先立ち、コーンウォールの鉱石を使った処理技術の有効性を、すべての関係者や潜在顧客に保証することができます。

コーニッシュ･リチウム社の硬質岩石鉱物のプロセスマネージャであるデビッド・モーズリー氏は次のように述べています。「ロックウェル･オートメーションは、私たちの活動において非常に重要な役割を担っています。私たちは、フルスケールで採用する可能性のある工業用プロセス制御を、可能な限りシミュレートしてみたいと考えています。複雑な多段プロセスでリサイクルも多く、連続運転、特にろ過とプロセス制御が重要なので、できるだけ多くのものを実証プラントに導入しようと考えています。ロックウェル･オートメーションは、当社の計装機器に基づいたプロセス制御の考え方をまとめています。これは一連の異なるプロセス制御ユニットであり、効果的に稼働するプラントを実現するために調整する必要があります。」

コーンウォールには、豊かな鉱山の遺産があります。イギリスの南西部には大きな花崗岩の露頭が地質を支配しており、数千年にわたる地熱活動のため、その花崗岩はリチウムを豊富に含んでいます。その結果、スズや銅など特定の鉱物の濃縮が盛んに行なわれてきました。コーンウォールはまた、世界的に重要な陶土産業の本拠地であり、その陶土またはカオリン事業は、同じ花崗岩の資源を利用しています。

2つのプラントが建設され、1つは鉱物の濃縮プラントで、原料鉱石を粉砕、粉砕、分離してリチウムを濃縮した雲母精鉱を製造するものです。もう1つは化学プラントで、硫酸リチウムを製造する湿式冶金酸浸出システムを備え、硫酸リチウムを水酸化リチウムに変換します。化学プラントは、化学反応器、沈殿器、濾過、晶析を組み合わせたものです。実証プラントは現在建設中で、稼働開始後は1年間の稼働を予定しています。