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Automation Today第61号: 技術に関する記事

自動車製造の未来を担う電気自動車

2015年には、世界中で販売されている新車の6台に1台が電気自動車になると予想され、2040年までには、世界中で新車の販売台数全体の半分が電気自動車になると推定されています。

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米国での電気自動車の販売は昨年、20万台近くに達し、2016年に比べて25%以上跳ね上がりました。中国では、電気自動車の販売数は77万台となり、前年の50%以上増加しました。

拡大する消費者の電気自動車への需要の圧力を受けて、ブランドオーナとサプライヤは、プロセスと技術を移行し、この変化しつつある市場のニーズに対応しょうとしています。自動車メーカにとって、スマートで柔軟なオペレーションと統合オートメーションソリューションによる電気自動車の生産の増大という過酷なレースがもうすでに始まっています。
 

市場投入に要する時間の短縮が加速

急成長を遂げている電気自動車(EV)市場のシェアを獲得するには、できるだけ早く市場に到着する必要があります。そのためには、包括的な生産戦略が必要です。これは、最高の品質と最小限のリスクで短期間に車を生産する助けとなる戦略です。

統合オートメーションアーキテクチャは、インダストリ4.0のコンセプトを実現するための基盤です。このアーキテクチャは、適切な情報に適切なタイミングでアクセスして、重要な運用上の決定を下す助けとなります。また、機器の工場への簡単な組込みと市場の要求への素早い応答を可能にします。

統合アーキテクチャは、共通のネットワーク、制御プラットフォーム、データ構造、および設計環境を共有する制御システムと情報システムを使用します。例えば、1つのネットワークで、プラントシステムの相互接続や企業のその他のシステムとの接続がシームレスに行なえます。一方、共通の標準化されたデータ構造が、オペレーション全体に渡ってデータを簡単に引き出し、このデータを作業者がすぐに使用できる情報に変えるのを支援します。

この基盤に基づいて、EVのオペレーションをより高速に、より柔軟に行なうことを支援するスマートテクノロジを導入できます。検討すべきソリューションには、以下があります。

スケーラブルなインフラ: この製品は、ネットワークを収束し、プラントシステムとビジネスシステムとを接続し、よりよい決定を行なうための情報に作業者がアクセスするのを支援します。スケーラブルなインフラ製品は、オペレーションを小規模で開始したり、時間、人材、予算に制約がある場合に特に貴重です。

例えば、IaaS (サービスとしてのインフラストラクチャ)により、ネットワークインフラの設計、配備、メンテナンスの負荷を軽減できます。また、ネットワークのコストを資本経費から運転費にシフトできます。IaaSでは、事前にエンジニアリングされたネットワークソリューション、オンサイト構成、24時間年中無休のリモートモニタを1つの契約で締結できます。各分野で最高のテクノロジとアーキテクチャを使用し、ネットワークアーキテクチャのパフォーマンス、効率、稼働時間を最適化する手助けをします。

リニア搬送システム(独立型カートテクノロジ(ICT)): このテクノロジで構築されたシステムは、電気自動車の生産に大変革をもたらすでしょう。市場導入までの時間を短縮する生産ラインの高速化とダウンタイムの軽減を可能にします。

リニア搬送システムにより、ブランドオーナは小さいコンポーネントや、自動車の車体全体までも、従来の機械式ソリューションよりも速く、精確に工場のあちこちに搬送できます。このため、従来の車体工場や、高速搬送が課題であることが実証されているバッテリセルおよびバッテリパックの生産エリアにおける生産を簡単にスピードアップできます。

ICTを採用しているシステムの機能は、ボタンを押すだけで変更でき、高速の切換えを実現できます。また、これらのシステムは可動部品が少ないため、メンテナンスのニーズを減らし、稼働時間を拡大できます。

スケーラブルな製造実行システム(MES): MESソフトェアパッケージ全体を購入しなくても、個々のMESアプリケーションを使用して簡単に生産状況を把握し管理できます。

それぞれのアプリケーションは、品質、マシンパフォーマンス、系図、追跡とトレースなどの特定の課題に対応しています。単一のアプリケーションと最小限のインフラ要件で、マシンレベルまたはワークエリアレベルで開始できます。生産が増大し目標としていた投資利益率(ROI)が実現されるのに伴って、他のアプリケーションを追加したり、統合MESソリューションにスケールアップできます。

カリフォルニアの新しい電気自動車イノベーションセンターに参加して、促進された生産戦略を設計し、スマートで柔軟な運用を構築する方法を学びましょう。

新しいEVイノベーションセンター

ロックウェル・オートメーションは最近、カリフォルニア州サンノゼの情報ソリューション開発施設内に、新しく8,000平方フィートの電気自動車(EV)イノベーションセンターを開設しました。このセンターでは、製造デモンストレーションのライブ、新しい技術を使用した実地体験トライアル、業界の専門家とロックウェル・オートメーションのパートナとのコラボレーションを紹介するイベントなどが開かれます。

拡張された仮想現実モデリングを使用して、EVイノベーションセンターは立ち上げたばかりの自動車メーカやすでに定評のある自動車メーカに、新しいテクノロジと標準を学ぶ環境を提供し、これらのメーカがより少ないリスクとより低いコストで電気自動車を市場導入するまでの時間を短縮できるようにします。

ロックウェル・オートメーションの技術とパートナの技術の組合せが、センターをユニークなものにしています。特に、ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk InnovationSuite, powered by PTCは、PTCとロックウェル・オートメーションのソフトウェアを組合せた唯一の統合ソリューションです。同様に、Eagle Technologiesはバッテリパックの組立て機械、FANUCはロボット技術を提供しており、どちらもロックウェル・オートメーションの技術と統合されています。

生産設備メーカーである平田機工は、電気ドライブユニットの組立てとテストをデモンストレーションするアセンブリセルを提供しています。ロックウェル・オートメーションのシミュレーションソフトウェアEmulate 3Dは、機械を製造する前のプロトタイプの製造とテストを支援します。teamtechnikは、ドライブを電気自動車に組込む前に機能テストを行ない、パフォーマンスを確認します。

ロックウェル・オートメーションの自動車およびタイヤ産業部門担当副社長であるジョン・カクサーは次のように述べています。「グローバルな消費者の要求が高まるにつれて、電気自動車会社はアグレッシブな生産予定表に応えるという課題を突き付けられています。ロックウェル・オートメーションは、電気自動車会社の可能性を広げ、オペレーションの効率を上げながら、可能な限り低コストかつ短期間で製品を消費者に届けられるよう、電気自動車イノベーションセンターを設立しました。

お客様がコネクテッドエンタープライズを配備し、実現するのを支援するのは、没入型体験です。これは、お客様がデータを活用してポジティブなビジネス結果を達成できるようにする、当社のスマートマニュファクチャリングのビジョンを体験するものです。4,000以上の自動車製造プロジェクトの設計、設置、立上げに成功しているロックウェル・オートメーションは、EVメーカが市場導入までの時間を短縮し、企業リスクの管理を改善するための方法を熟知しています。」
 

消費者の需要に応える

ブルームバーグは、2040年までに、新車の販売の54%が電気自動車になると予測しています。さらに、2030年までには、中国とインドでは乗用車の100%が電気自動車になると予想されています。つまり、EVとEV用バッテリの需要に応えるには、メーカは前例のないスピードで生産をスケールアップする必要があります。

電気自動車メーカとバッテリメーカの課題は、需要に応えるのに十分な速度で短時間に生産を急速に増大させることです。また、必然的な今後の技術革新に備えて、将来を見据えた生産オペレーションも必要です。

自動車メーカは、高度な柔軟性と接続性を備えた環境でのデータ主導の製造に移行する必要があります。製造メーカは、ビジネス分析を進め、経営判断の精度を向上させる情報を提供するために、プラントフロアとビジネスシステムを接続する必要があります。コスト効率と製品の品質を向上させるためのシームレスなサプライチェーン接続とオペレーション、それと共に、新たな技術を活用するための柔軟性と拡張性が必要です。

現時点では、大手自動車メーカはすでにスマートマシン、分析、および拡張現実(AR)を使用して競争力をつけつつあります。ロックウェル・オートメーションでは、お客様が現代で最もスマートな技術を使用できるようにするために、一層の技術開発をしています。最高の品質と最小限のリスクで短期間で自動車を製造するための包括的な戦略により、お客様も成長するEV市場でシェアを勝ち取ることができます。

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