新しいコントローラ、ソフトウェア、およびネットワークアーキテクチャは、堅牢なサイバーセキュリティ、より高いパフォーマンス、より簡単な診断、および大幅に強化されたデータキャプチャを提供
産業用モノのインターネット(IIoT)およびインダストリ4.0の出現により、製造とプロセスデータは、まったく新しいレベルの重要性を帯びてきました。スマートデバイス、はるかに深い統合、およびこのデータを収集、照合、および活用するための高度なツールによって、オペレータとプラントの所有者はこれまで以上に迅速に情報に基づくプロセスクリティカルな決定を下すことができるようになります。
ただし、このデータ駆動型のパラダイムは、あらゆるレベルで堅牢なシステムに依存しています。ネットワーク内の1つの弱いリンクでも、速度、有効性、セキュリティ、適時性、量の観点から、収集されているデータの有効性を無効にする可能性があります。このため、運用を最適化するために可能な限り最良の情報を抽出するために、データインフラはプラントの運用のあらゆる側面を網羅する必要があります。
トルコ最大の地熱発電所を運営しているゲルマット社(Gürmat Elektrik)は、既存のデータとネットワークインフラが現代レベルのパフォーマンスを提供できないだけではなく、サイバーセキュリティも欠いているという状況に直面していました。
それは、遅いか遅くなっていたSCADAシステムに関する問題を示していました。ソフトウェアが古くなりもうサポートされなくなり、ネットワーク関連の故障の平均修復時間(MTTR)が長くなってました。さらに、プラント内の他のシステムとの統合もありませんでした。ネットワークの遅延、許容できないレベルのパフォーマンスおよびセキュリティに加えて、プラントには大量の旧式のハードウェアと独自の「ブラックボックス」のコントローラもありました。
これらの問題に対処するために、ゲルマット社はトルコのロックウェル・オートメーションに連絡し、ソリューションの評価して提案するように求めました。ロックウェル・オートメーションのチームは、現代の産業用ネットワークインフラの評価、設計、実装、検証、モニタ、セキュリティ、および管理に関する豊富な経験を持っているため、ゲルマット社に最適でした。
克服すべきハードル
ロックウェル・オートメーションのチームはいくつかの課題に直面しました。一般的なネットワークとセキュリティ問題に加えて、プラントの地理的な広がりはデータ転送の障害となりました。また、複数のハードウェアとソフトウェアの追加と更新を組み込んでいる間も、プラントの要素が確実に機能しなければなりませんでした。
タイムスケールも考慮に入れなければならず、他の作業が行なわれたために元の終了日が6週間前倒しになりました。その後、チームは最新化の作業にとりかかるのにわずか1週間しかかかりませんでした。
コネクテッドエンタープライズのネットワーク
ロックウェル・オートメーションのゲルト・ソーネンは、次のように説明しました。「当社のチームは、ゲルマット社に対して包括的なデジタル移行プロジェクトを提供できる機会があることを知りました。それは、よりセキュアなネットワークインフラを設計、配備、管理、および提供するものです。最初のステップは、ネットワークがどのように構成されているかと、問題が何であるか理解するための、当社のネットワークの専門家によるオンラインウォークスルー評価でした。2日後、現場で画像はより鮮明になりました。ゲルマット社は、アクセス制御がほとんど行なわれていない時代遅れのコントローラ、サーバ、およびソフトウェアに結合されたセキュリティ保護されていないパッチの当てられていないネットワークを持っていました。」
ソーネンはさらに続けます。「ゲルマット社が必要としてたのは、ロックウェル・オートメーションがまったく新しいコネクテッドエンタープライズのネットワーク上で既存のインフラを管理することでした。これにより、異なる独立したスタンドアロンのシステムを、1つの標準化された信頼性に優れたソリューションに統合することができます。そのソリューションは必要とされるセキュリティを提供するだけではなく、ダウンタイムを防ぐために詳細な情報と診断も届けます。また、ゲルマット社に、リアルタイムに運用上の意思決定を下せるような形式で情報を収集、照合、および配信する機能を提供します。」
コントローラレベルでは、長さ1キロメートルのファイバーラインの最後に設置された古いAllen-BradleyのCompactLogixプログラマブル・オートメーション・コントローラ(PAC)は、より新しいモデルに置き換わりましたが、さらに大きなAllen-BradleyのControlLogixコントローラは、冗長性と、モレックス社(Molex Electronic Solutions)のModbus+カードを含む最新のネットワークカードを備えて強化されています。ネットワークカードはコントローラ、振動モニタ、およびモータ・コントロール・センタを含むサードパーティのシステムからデータを収集するために使用されます。
ネットワークは再設計され、ゾーニングを使用するよりセキュアなインフラへと移行されました。すべての既存のスイッチは、レイヤ1にあるバルブからコントローラレベルまでStratixイーサネットスイッチに置き換わりました。サーバレベルでは、ストラタス・テクノロジーズ社(Stratus Technologies)のftServerモデル4800が、FactoryTalk View SCADAとFactoryTalk Historianの最新バージョンと組み合わせて導入されました。これによって、パフォーマンスが向上し、リアルタイムのデータが継続的に利用できるようになりました。
ストラタス・テクノロジーズ社とモレックス社の両社とも、Encompass製品パートナとしてロックウェル・オートメーションのPartnerNetworkプログラムのメンバーです。Encompassプログラムは、ロックウェル・オートメーションの開発した幅広い製品を補完するサードパーティが製造した製品を設計された識別、認定、共同で販売する製品参照プログラムです。
報酬を獲得
Stratusサーバを含む新しいハードウェア、およびロックウェル・オートメーションの移行されたネットワークインフラを導入して以来、ゲルマット社はプラントのあらゆる側面からのはるかに適切なリアルタイムのデータ信号の可用性とあいまって大幅にパフォーマンスを向上できました。また、診断は非常に簡単で効果的で、すべての重要なサイバーセキュリティ問題が解決されました。
ゲルマット社のオートメーションチーフであるムスタファ・ヤルヴァチュ氏は、次のように述べています。「古いDCSシステムは、ネットワークによりPLCとコンピュータに割込みが発生するために使用されていました。また、互換性がないため、古いSCADAでは一部の診断をモニタできませんでした。アップグレードに関しては、DCSの改訂前の準備作業が十分に検討されており、シャットダウン期間が非常に短い場合でも時間は非常にうまく使われました。」
「私たちがロックウェル・オートメーションと共に作業しているのは、そのソフトウェアおよびハードウェアソリューションの高い信頼性と低い故障率ゆえです。テクニカルチームとの関係も良好です。サポートを要請すると彼らはいつでも懸命に助けてくれます。また、テクニカル・サポート・チームは私たちのアプリケーションに対して適切なレベルの知識を持っており、私たちが直面した問題を解決するための準備が十分に整っています。
より高速で信頼性が高いことに加えて、私たちが現在目にしている最大の利点の1つは、制御基盤とネットワークにまたがる複数のブランドをなくすことです現在、私たちは正確なニーズを満たすために、製品と知識の両方を十分に備えた単一のベンダーを持っています。将来のプロジェクトについてはロックウェル・オートメーションのチームに確実に連絡を取り、そのうちのいくつかはすでに開発中です。」