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Automation Today第72号 | 特集記事

スマートセーフティで生産性向上とオペレーションのレジリエンスを高める

安全にスマート機能を追加することで、製造メーカが新たな効率性を獲得し、製品品質を向上させ、より安全なオペレーションを実現する方法をご紹介します。

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現場の作業員を保護し、生産性を向上させるだけでなく、スマート・セーフティ・ソリューションのメリットを発見しましょう。

パンデミックが拍車をかけたこの新たな日常では、製造メーカと加工業者は、自宅で働く従業員と一緒にリモートで業務を実行するという新しい現実に徐々に慣れつつあります。

デジタルトランスフォーメーションは、物理的および組織的な境界を打ち破り、リアルタイムで人材を活用し、チームを結び付け、コラボレーションを推進する能力を強化しました。企業はまた、市場の需要の変化に対応する組織の完全性と柔軟性を維持するために、サプライチェーンを管理しなければならないという圧力にさらされています。同様に、リアルタイムの可視性と制御により生産をモニタするツールを使用して、遠隔地からこれを実現しなければなりません。

この新たな日常には新しい方法論とテクノロジが必要とされています。これは、強化された安全とセキュリティアーキテクチャを活用しながら、故障の防止、製品の完成度と高い生産性の実現、人員の保護に向けて、これらすべてをモニタして支援する必要性に対応します。

デジタルトランスフォーメーションの加速により、スマート・セーフティ・ソリューションの需要が高まっています。スマート・セーフティ・ソリューションは、現在では、製造メーカと加工業者のオペレーショナルレジリエンス戦略の不可欠な要素であり、今日の繁栄に必要な生産性を達成するための重要な要因です。
 

スマートと安全の融合により生産性が向上

デジタルトランスフォーメーションの実現では、エンドユーザと機械装置メーカ(OEM)ははるかに多くの生産情報および機械情報を取得する必要があります。このことは、さらに多くの産業用コンポーネントが生産オペレーションや機械データを収集し、そのデータを有意義な情報に変換し、しかも、その情報を生産現場、制御システム、クラウド、またはこれらのオプションの組み合わせに送信する能力を持つ必要があることを意味します。

これにより、これらの機能を内蔵したスマートソリューションが開発され、生産ラインと機械の生産性が増大し、情報対応力の強化により生産効率が向上し、予定外のダウンタイムが減少しました。

安全は、製造メーカと加工業者にとってますます重要性を増し続けています。特に、これらの企業が、安全がコストを増加させるだけのものではなく、競争上の優位を提供することができることに気が付いた場合はなおさらです。リスクを最小限に抑えるだけでなく、安全の向上は、予定外のダウンタイムを削減し、設備総合効率(OEE)と総資産利益率(ROA)を増大させることにより、これらの企業の生産性と収益性を向上させるのに役立ちます。

さらに、機械に詰まったものを取り除いたりワークセルに入るときに電源を切るなど、怪我や生命を脅かす危険性のある状況から労働者を保護するのにも役立ちます。それに加えて、例えば、機械の詰まりを解決するために非常停止ボタンを継続的に使用する必要がないため、時間を節約できます。このため、予定外のダウンタイムの頻度と時間を最小限に抑え、生産性を大幅に向上させ、すみやかな投資の回収を実現します。

統合安全は、データが収集された時点またはその近くでリアルタイムにデータを収集および処理するなど、スマートデバイスのすべての機能と利点を活用しながら、すべての安全機能を活用できます。これは、2つのテクノロジの利点の統合を表しています。

多くの企業が制御技術(OT)と情報技術(IT)の機能が収束していくのを目撃しているのと、まったく同じように、加工アプリケーションと製造アプリケーションに使用されるこれらのデバイスについても、安全とスマートデバイスは設置、プログラミング、運用、およびオートメーション機器と製造資産を保守する従業員の便益のために一体化しつつあります。スマートデバイスは、重要なデータを収集して生産プロセス全体をより安全に、効率的に、生産的にし、収益性を上げるために、そのデータを分析し活用できように設計されているため、これにより、これらの資産の運用がより安全になるだけでなく、何が起こっているかについて貴重な洞察も得られます。
 

オペレーショナルレジリエンスにはスマート・セーフティ・ソリューションが必須

新たな日常を基準にして推進される企業のデジタルトランスフォーメーションの工程の目的の1つは、ビジネスリスクを克服する能力を向上させるための回復力のある(レジリエントな)オペレーションを実現することです。ビジネスリスクには、サイバーセキュリティの脅威の増大、新たな法規制の順守、プラントと人員の安全に関するより厳しい要件などがあり、そのすべての要因が、スマート・セーフティ・ソリューションの需要をますます拡大します。

パンデミックが発生する前でさえ、製造メーカと加工業者は、市場や商品の不確実性、需要の急激な変動など、多くの課題に直面していました。そのため、そのニーズは、安全で生産的な作業環境を維持しながら、より機動力のある効率的かつサステナビリティ(持続可能性)を達成することでした。しかし、パンデミックはこれらの課題を大きく拡大したため、製造メーカと加工業者は、デジタルトランスフォーメーションのプロセス中の主要な企業目標としてオペレーショナルレジリエンスに大きな重点を置くようになりました。

オペレーショナルレジリエンスを実現するためには、企業は多くの場合、物理的および組織的な壁を打ち破って、従業員を完全に関与させ、チームを結び付け、安全がプロセスに組み込まれている環境でリアルタイムのコラボレーションを強化する必要があります。

オペレーショナルレジリエンスには、サプライチェーンをリアルタイムで管理して、その一貫性、機動性、柔軟性を維持し、サプライチェーンが市場の需要と材料の入手性の変化に対応できるようにする必要もあります。

企業は、予定外のダウンタイムや資産の障害から生産を保護し、製品の完成度を確保し、人員を保護し、セキュリティアーキテクチャを強化するための新しい手法を開発しています。このすべてに、スマート・セーフティ・ソリューションの豊富なポートフォリオを必要とします。

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運用上の課題の克服に役立つスマート・セーフティ・ソリューション

また、スマート・セーフティ・ソリューションは、企業がさまざまな運用上の課題を解決できるようにするために重要です。例えば、スマート・セーフティ・ソリューションは、従業員が標準の操作手順に従い、決められた手順からの逸脱を考慮し、誰もがこれらのシステムを回避して自分自身や他の人を危険にさらすことがないように設計されています。これは、労働力が進化し、よりリモートになり、年配の労働者が退職または退職年齢に近づき、若い労働者が経験不足のために怪我をしやすくなる場合に特に重要です。労働者の負傷は、機械の修理や、ジャム、ミスフィード、製品の切換えなどによるプロセスのダウンタイムによって引き起こされることがよくあります。

スマート・セーフティ・ソリューションは、ダウンタイム情報の可視性を高め、機械の故障などのダウンタイムの原因の詳細な状況を労働者に提供し、これらの問題を解決するための対策を提供します。スマート・セーフティ・ソリューションが運用上の課題に役立つもう1つの分野は、データ管理であり、データの収集とレポートが最新のデータと情報に基づいていることを保証します。

また、スマート・セーフティ・ソリューションは、検査、コンプライアンスログ、インシデントレポートの安全データを手動で入力する手間を最小限に抑えます。これらのソリューションは工場現場のシステムに接続されているため、エラーをなくすことに貢献しています。

スマート・セーフティ・ソリューションによって法規制の順守が強化され、文書化とレポート作成に関する業界標準に従うという課題も克服できます。スマート・セーフティ・ソリューションは導入とメンテナンスも格段に簡単です。

通常、安全ソリューションでは、追加の診断データを取得するために、より複雑な配線を必要とします。しかし、統合されたスマート・セーフティ・ソリューションは、従来の配線で重要な診断データにアクセスできるため、時間とコストが節約でき、機械または生産ラインの状態と健全性の全体像を把握するのに役立ちます。

パンデミックによって引き起こされたこの新たな日常の市場で、生産性とオペレーショナルレジリエンスの両方を増大させるスマート・セーフティ・ソリューションに対する市場の需要に対応するために、ロックウェル・オートメーションはその豊富な安全ソリューションのポートフォリオにスマート機能を追加してきました。

これらのソリューションは、データを分析および診断し、それを意味のある情報に変換することで、安全の順守と生産パフォーマンスを同時に向上させるように設計されています。これらの情報を使用して、安全性とコンプライアンスを維持しながら、生産性を向上させ、予定外のダウンタイムを削減できます。このすべてが当社のコネクテッドエンタープライズ戦略として実施されています。
 

現場とリモートの両方に対応するスマートセーフティ

安全ソリューションの従来の価値は、現場の人材を保護し、生産性を向上させることでした。しかし、今日の人材は現場とリモートの組み合わせであり、デジタルトランスフォーメーションに必要なテクノロジを活用するスマートな安全ソリューションが求められています。

このため、ロックウェル・オートメーションは、スマート・セーフティ・ソリューションの製品ラインで多数のリモートモニタおよび制御機能を設計するようになりました。例えば、リモートでトラブルシューティングを実行するために、スマート・セーフティ・デバイスのパフォーマンスをEtherNet/IPネットワークを使用して通信できます。これにより、個々のデバイスの動作についての標準データと安全データの両方を取得することができ、作業者はどの場所からでも視覚化できます。スマート・セーフティ・デバイスのセットアップとモニタ、およびデバイスプロファイルへのアクセスは、Studio 5000®を利用してどこの場所からでも実行できます。

EtherNet/IPネットワークでは、履歴データから確立された予知保全ルーチンをヒストリアンからスマート・セーフティ・デバイスに送信し、デバイスの稼働から収集したデータに時間を付けてヒストリアンに送り返すこともできます。遠隔地の作業者が、EtherNet/IPネットワークを使用して、ガードドアの位置やガードロックのステータスの表示状態など、スマート・セーフティ・デバイスへの安全なアクセスを要求することもできます。履歴データアクセス要求は、アプリケーションの調整にも使用できます。これが可能なのは、Safety over EtherNet/IPの簡素化されたネットワークアーキテクチャのためで、標準規格準拠のイーサネットで管理される標準および安全制御用に設計されています。

当社のスマート・セーフティ・デバイスは、個別に識別されたアクセスポイントを介して特定の資産または機械へのデータアクセスを提供します。これにより、個々のデバイス動作についてのデータを取得できます。1つのデバイスにスマートと安全を持たせることで、配線とシステムの複雑さを簡素化できます。さらに、スマート・セーフティ・デバイスを資産や機械の既存の安全装置と併用することで、既存の設置ベースを活用し、まるごと入れ替える必要性を防ぐこともできます。スマート・セーフティ・デバイスは、デバイスの使用状況や経過年数に基づいた予防保全が可能です。
 

CIP Safetyがオペレーショナルレジリエンスと生産性の向上を実現

ロックウェル・オートメーションのスマート・セーフティ・デバイスの差別化要因の1つは、EtherNet/IPネットワーク上のCIP Safetyの使用です。CIP Safetyは、EtherNet/IPのアプリケーション層プロトコルである産業用共通プロトコル(CIP)の拡張機能です。この機能により、現場または遠隔地であるかに関係なく、作業者は、機械または生産ラインのステータスのより包括的な全体像を把握するために必要な重要なデータにアクセスしやすくなります。

EtherNet/IPネットワーク上のCIP Safetyに接続されたスマート・セーフティ・デバイスを組み合わせることで、意味のある情報を提供できる機械や生産資産を構築できます。そのため、どこにいても、機械の状態をより適切に監視し、予定外のダウンタイムを減らし、柔軟性を高め、安全を高めることができます。その一方で総所有コスト(TCO)を削減し、会社のオペレーショナルレジリエンスを高めるのに役立ちます。

EtherNet/IPネットワーク上のCIP Safetyに接続されたこれらのデバイスは、安全関連の障害が発生している場所や、作業者が標準の操作手順に従っているかなど、より価値のある洞察を提供できる診断情報を提供します。

加工業者と製造メーカは、これらの洞察を活用して、生産設備の生産性とサステナビリティを向上させることができます。これらの機能は、機械が減速したり停止したりするのを防ぐために作業者が危険に近づいた場合にアラームで通知するなどして、あらかじめ危険を防止できるため生産性の向上に役立ちます。さらに、CIP Safety機能は、利用可能な診断データを拡張して、スキャナのレンズにほこりが付着しているなどの一般的な障害も作業者に警告します。
 

新たな日常に完全に組み込まれたスマートセーフティ

安全にスマートな機能を追加することで、製造メーカと加工業者は新たな効率性を獲得し、製品品質を向上させ、少数の現場作業員でも応答性の高い安全なオペレーションを実現できます。

スマート・セーフティ・ソリューションは、プロセス、機械、および安全制御を標準化するのに役立ち、システムは予定外のダウンタイムの影響を受けにくくなり、生産性と収益性の向上に役立ちます。

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