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Automation Today第59号
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自動車製造メーカの現状を打開するテクノロジ

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自動車業界は急速な進化を続けています。消費者は最新機能やスタイルを求め、車両は市場の要求に応えるためにより高度で接続性が高く、より「スマート」になっています。このためモデルチェンジが、最新の自動車の安全性、燃費効率、性能、設計、およびオプションを反映するために定期的に行なわれます。

変化する消費者の要求を満たすため、自動車メーカには複数のモデルやバリエーションの生産に必要な柔軟性とスピードが求められます。これらの要求にこたえるため、自動車メーカは最新のスマート・オートメーション・テクノロジを実装しています。

クーカ・システムズ・ノースアメリカ合同会社はドイツに本拠を置くクーカ株式会社の関連会社で、自動車、航空宇宙、エネルギー、および産業用ソリューション分野向けのエンジニアリングサービスや柔軟なオートメーションの国際的なサプライヤです。クーカ社は自動車分野向けに、車体の結合や組立てのための総合的な製造オートメーション製品を扱っています。

簡易なオートメーション設備を備えた製造施設から、高度に柔軟な製造システムまで、そして個別の部分組立てから完全なボディーシェルの組立てにいたるまでを取り扱い、クーカ社は自動および半自動での車体製造を極めたメーカとして知られています。

クーカ社の上級エンジニアたちが、自動車製造工場で使用されている標準的なオートメーションシステムを評価したところ、それらの多くが25年以上使用されたものであり、過去15年間は大きな改修はされていないことが分かりました。ここに、エンジニアたちは自動車の製造方法を大幅に改善するシステム構築のチャンスを見出しました。そこで、クーカ社は現在の業界標準を覆すような、柔軟で効率的、かつ費用対効果の高い製造方法を模索し始めました。
 

ビジョンを現実のものに

クーカ社は、自動車製造を大きく変化させ、旧式のシステムに大きなメリットをもたらすシステムの開発を目指しました。その上、クーカ社のエンジニアたちは、現状を打開するようなテクノロジ開発を行ないたいと考えました。ビジョンを現実のものへと変えるにあたり、クーカ社はMagneMotionのQuickStick HT独立型カートテクノロジを採用しました。

MagneMotionの QuickStick HT独立型カートテクノロジを見出した、クーカ社のPULSE部門で取締役を務めるケビン・ローレンス氏は、次のように述べています。「私はビルディングブロックとして使用できる製品に初めて出会いました。他の製品は、必要な機能がなかったり、価格が高すぎたり、柔軟性に乏しいものばかりでした。」

従来の代替製品は、プロジェクトを1年以内に完了する必要がある自動車産業に適した選択肢とは言えませんでした。しかし、QuickStick HTの本質的な使いやすさと柔軟性により、クーカ社はニーズやタイムフレームに応じてソリューションを簡単に構成することができるようになりました。
 

余計なものを省くという考え方

リニアモータと独立したドライブで構成されるQuickStick HTは、内蔵の位置検知機能を使用して、トラック上の個々のキャリアを個別に制御できます。加速、減速、速度、および位置はプログラム可能です。決まった速度で移動するかわりに、プロセス手順が完了すると車体部分がロボットワークステーション内を素早く進んでいきます。

産業アプリケーションでは、「余計なものは省くべき」という原則があります。システムコンポーネントの数が少なければ、シンプルな設計、より高いパフォーマンス、より簡単なメンテナンスが可能になります。従来のローラベッドやトローリーシステムと比較しても、第1世代のKS PULSEシステムでは、コンポーネント数が200から14にまで減っています。パフォーマンスの向上も特筆すべきものがあります。

数年の間にバンド幅や通信プロトコルが進歩し、最新のリリースでは改良されたQuickStick HTにより、ネットワークアーキテクチャや通信プロトコルを始めとして機能が大幅に強化されています。

当初の製品は、ハード配線されたRS-422シリアル通信を使用したノードコントローラをベースとするものでした。更新された製品には、イーサネット互換のノードコントローラが搭載されており、ネットワークのより高いバンド幅を使用できるという利点があります。

ローレンス氏は、次のように語ります。「ハード配線されたRS-422通信には限界があり、私たちの業界で一般的に使用されているものではありませんでした。EtherNet/IP上に構築する当社の最新のKS PULSEシステムは容量が大きく、システムインテグレータになじみ深いプロトコルを使用しています。」

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統合安全によりコンポーネント数を削減

従来のQuickStick HTがニッチなドライブを使用していたのに対し、新しい製品ではAllen-BradleyのKinetix 5700サーボドライブ技術が採用されています。

ローレンス氏は、次のように述べています。「定評のある、標準的なサーボドライブを使用することで、当社の製品は業界のインテグレータがより扱いやすいものとなりました。学習曲線を下げることに、非常に貢献しています。」

Kinetix 5700サーボは、安全トルクオフ機能などの高度な安全性も備えています。安全トルクオフ機能を使用すれば、システム全体の電源を切断することなく、モーションを発生させる可能性がある電力だけをリニアモータから切断できます。その結果、機器をより安全に停止し、より短時間で再稼働することができます。

また、ローレンス氏は次のように述べています。「当社の従来のソリューションで機能安全を実現するには、安全定格リレーやコンタクタなどのさまざまなコンポーネントを追加し、それらをすべて配線する必要がありました。統合安全のおかげで、システム全体の複雑さを減らし、潜在的な故障箇所を削減することができました。」
 

最新の電源

クーカ社は、電源および接続システムに関する最新のアプローチを使用することでメリットを生み出しています。QuickStick HTのアップデートには、Kinetix 5700ドライブに加え、Kinetix互換の電源も組み込まれました。

「初期のKS PULSE製品では、複数のトランスを使用して各国の電源規格との互換性を持たせていました。各トランスに対して、固有のパーツ番号と配線図が用意されていました」と、ローレンス氏は説明します。

電源に関する新しいアプローチにより、異なる入力電圧に対応するためのトランスは不要になりました。また、以前は部品や配線図が複数ありましたが、基本的に1つの標準バージョンで対応できるようになりました。

ローレンス氏は、「当社のパネルに取付けられた端子台のおかげで、ケーブル交換が非常に簡単になりました。コネクタが外側についているため、お客様はケーブル交換時にボックスを開ける必要がありません」と、さらに続けます。
 

モジュール化の一層の推進

KS PULSEシステムの簡略化されたハードウェアは、更新されたソフトウェアシステムにも影響をもたらしています。

「当社のソフトウェアと新しいユーザインターフェイスは、ハードウェアに対する合理化されたアプローチを反映しており、簡単に構成できるように設計されています」と、ローレンス氏は言います。

高度なテクノロジを活用し、機器の要件が緩和されたことで、クーカ社はあらゆるレベルで統合の複雑さを軽減することに成功しました。

ローレンス氏は、次のように述べています。「当社では、KS PULSE輸送システムのモジュール化、プラグ&プレイ化をさらに進めようとしています。このコンセプトを取り入れた最新のリリースは、将来的な進化の基礎となるでしょう。」
 

お客様への付加価値

ローレンス氏は、次のように述べています。「QuickStickにより、クーカはあらゆる測定基準を向上させる、革命的で完璧なソリューションをお客様にお届けすることができました。2倍の速さ、10分の1の部品数、外付けデバイスなし、省電力、平均故障間隔(MTBF)を延長しつつ平均修復時間(MTTR)を大幅に短縮し、柔軟性の向上を実現しました。これらはすべて、お客様の当社に対する評価基準であり、すべての項目において当社は非常に優れた評価を上げています。」

最新のアップグレードでは、QuickStickのインテリジェントな搬送テクノロジにより、自動車業界が求めていた画期的なすぐに使えるソリューションを提供することに成功しました。

EtherNet/IPによって強化された通信、簡略化された安全構成、合理化された電源や接続システムのアプローチ、そしてユーザフレンドリなソフトウェアとインターフェイスにより簡単になった構成で、KUKA PULSEは、多くのモデルを生産し、変化する消費者の要求に応えるために必要な柔軟性とスピードを実現できるように自動車メーカを支援します。

将来のビジョンについて、ローレンス氏は次のように述べています。「MagneMotionのQuickStickテクノロジを活用したKUKA PULSEを徐々にすべての自動車車体工場に拡大していきます。

従来の機器と比べて、PULSEが生み出すメリットは驚異的です。個人的には、自動車業界にとって、製造フロアへのロボット導入以来となる大きな革新だと考えています。」

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