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Automation Today第66号 | デジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーションのための最新式のDCS

最新式の分散制御システムへのアップグレードを含むデジタルトランスフォーメーション戦略は、生産者が生産性を向上させ、リスクを軽減することを支援します。

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医薬品、消費財、食品飲料から鉱業および化学薬品に及ぶ産業分野で活動する生産者および製造メーカは、競争力を維持するために複雑性と課題を切り抜けるのに長けています。スループットを拡大してダウンタイムを短縮し、一貫性を向上させ、品質を維持し、従業員の安全を守ることにより、収益を守りつつ生産を最適化することが重要です。さらに、エンジニアリング、在庫、システムメンテナンス、およびサポートに関連したライフサイクルコストも考慮する必要があります。

これは、現在の世界的なパンデミックの観点に特に関連しています。一方では運用上のリスクを削減しながら、できる限り生産的かつ高収益であることがどんなに重要であるかがまさに明らかになりました。

産業および技術的トレンドに追随していくことは厄介ですが、成功と成長を実現するためにはオペレーションを高度化の次のレベルへと前進させる必要があります。産業用モノのインターネット(IIoT)技術がこれを支援できます。手始めは、デジタルトランスフォーメーション戦略の開発です。

デジタルトランスフォーメーションは支援できるのか?

「デジタルトランスフォーメーション」という用語は人により異なった意味を持ちますが、産業用オートメーション関連では、デジタルトランスフォーメーションはデジタルテクノロジをビジネスのすべての領域に一体化することによる最新化、アップグレード、またはオペレーションの改善として説明できます。

デジタルトランスフォーメーションは根本的に文化的な変革であり、組織がどのように機能するか、プラントフロアがどのように運用されるか、価値がどのようにお客様に提供されるかに影響を与えます。それは成果についてであり、常に変化しているお客様のニーズに応えることについてです。また、どのメーカにとっても体系的な変化であり、そのため最新式のDCSはこの変革のための土台となることができます。

デジタルトランスフォーメーションのための戦略を開発することは目的とビジネス目標を決めることを意味し、システムのニーズを評価してその目的を達成し、戦略の実行を計画することを意味します。

デジタルトランスフォーメーションの単純化と促進により、ダウンタイムを短縮しながら生産性を向上し、性能の一貫性を高めることができるようになります。競合企業がテクノロジに投資してオペレーションを変革している場合、自社の調査と意思決定へのプレッシャーがかかります。まず初めの良い質問は、「アップグレードは必要でしょうか?」です。

ブレイクアウトボックスの導入: デジタルトランスフォーメーションは根本的に文化的な変革であり、組織がどのように機能するか、プラントフロアがどのように運用されるか、価値がどのようにお客様に提供されるかに影響を与えます。

今こそDCSのアップグレードを考慮すべき時期

従来のDCSはクローズドシステム設計を特長としていたため、移行や最新化が困難で、多くの場合は総所有コストが高くなっていました。最新式のDCSは、高性能、施設全体での可用性、拡張性に富んだシステム機能、オープン・テクノロジ・スタック、および容易な統合など多くの理由から望ましい選択肢となります。工場全体の制御システムは共通のオートメーションテクノロジを使用し、プロセス制御、ディスクリート制御、パワー制御、および安全制御はプラントフロアとビジネスシステムにシームレスに統合できます。

使用しているDCSの寿命が尽きかけているとお考えなら、そう考えているのは貴社だけではありません。設置ベースで寿命が尽きかけているグローバルなDCSは、合計で約650億米ドルになります。これらのシステムの大半は25年以上使用されているものであり、緊急に更新する必要があります。

DCSを置き換える理由は、故障率の増加、製品品質の問題の頻発、増大するメンテナンス費用、旧式なDCSの専門知識の欠乏、容量の限界、最新のシステムとインターフェイスできないことなどです。
 

最新式のDCSの利点

最新式のDCSの特長は、技術的開発に対応しているプラットフォームです。最新式のDCSにより、コネクテッドエンタープライズをデジタルトランスフォーメーション戦略の一環として構築できます。これらのプラットフォームは少ないサーバとより強力なコントローラを使用して構造上のフットプリント(設置面積)を削減でき、コントローラのネイティブのプロセスオブジェクトで一貫性をサポートし、システム属性の改良した設計実績でワークフローを合理化し、リアルタイムの意思決定の強力な分析ツールを提供し、国際的なサイバーセキュリティ規格に準拠しています。

これは、最新式のDCSがメーカの工場全体の制御と最適化、およびオペレーションの最大化、高可用性の達成、コストの削減、生産の増大を支援できることを意味します。つまるところ、すべてが容易になります。

最新式のDCSは、生産者と製造メーカがほぼ例外なく直面している3つの主要な課題に対応するように設計されています。

1. 生産性の向上

企業全体にわたって異なるシステムがボトルネックと非効率性を生み出しているときに、どのようにして最適な技術革新を進めることができるのでしょうか? サプライチェーン、プラント資産、およびビジネスシステムからのとてつもない量の情報が、リアルタイムで機能して新しい発想を生み出そうとするチームを圧倒する可能性があります。テクノロジの急速な進歩により、メーカは意思決定のために以前よりもはるかに多くの情報にアクセスできます。

2. 少ない資源でより多く生産し、収益の向上を支援

生産チームは、プラントのライフサイクルを通して予算の期待値に合うように、少ない資源でより多くの生産をしなければなりません。オペレーションは、予期しないダウンタイムを削減し、品質問題の発生を防止して、生産からの廃棄物を削減するために必要な可視性とコントロールを取得する方法を見つける必要があります。メーカは容易に更新でき、サポートできる工場全体のオートメーションシステムを探していて、テクノロジはプラントが連続運転を実施できるようにしなければなりません。

3. 運用上のリスクの軽減

リスクはどこにでもあり、使用中のネットワークインフラ、システムのバックボーンに応じてさまざまな形式をとります。不足の事態を考慮していても、想定外のイベントが安全な信頼できるプラントの運用に衝撃を与えることがあります。さまざまなリスクの一因となる要素を特定すると、動的な状態をナビゲートし、情報で武装して適切に応答できるシステムが必要です。脅威が運用上のリスクから外部要因に変わると、制御システムは強力かつ対応できるものである必要があります。システムに堅牢なインフラを実装していますか?
 

DCSの最新化をシンプルに

旧式の制御プラットフォームを最新式のDCSに変換するのは恐らく複雑で、「どんな場合でもうまくいく」試みでもありません。リスクを削減し、長期にわたってコストを分散するために、多くの企業は移行のために段階的なアプローチを選択します。一方では、「まるごと交換する」変換戦略が他の企業にとっては適しています。

つまり、最新化プロジェクトはそれぞれが固有のもので、適切な計画を必要とします。多くの場合、できるだけ短いダウンタイムで、最小のリスクで変換を実施することが必須で、こうした要件がアップグレード戦略の大筋を決定します。変換を実施する前に、3つの主要な戦略的選択肢を決定しましょう。

1. アップグレードは垂直的ですか、水平的ですか?

垂直アップグレードでは、一度に1つのプロセスエリアをアップグレードします。水平アップグレードでは、複数の同様なプロセスユニット、通常はプロセスエリア全体が同時にアップグレードされます。

2. アップグレードでは、すべてのオートメーションシステムのコンポーネントを同時に交換しますか、または段階的な移行アプローチで実施しますか?

段階的アプローチの場合、オートメーションシステムの交換に長い時間がかかりますが、ダウンタイムが少なく、その結果、リスクが少なくなります。計画されたダウンタイムを複数の短期間のフェーズに分割することは生産の維持に大きな利点があり、しかも移行費用を長い期間にわたって分散できます。

3. アップグレードは「ホットカットオーバー」ですか、「コールドカットオーバー」ですか?

ホットカットオーバーの場合、古いDCSと新しいオートメーションシステムは同時に稼働し、一度に1つの制御ループずつ旧式のDCSから新しいオートメーションシステムへI/Oレベルで移行します。コールドカットオーバーの場合、旧式のDCSは新しいオートメーションシステムと交換され、プロセス全体が一度に再起動されます。

システムパフォーマンスの改善のチャンスを求めて、各アップグレード領域を検証できます。こうした改善による投資利益率(ROI)の向上は旧式のシステムに比較してしばしば迅速で、 改善されたオペレーション、優れた品質、スループットの増大、安全関連事故の減少、強化されたサイバーセキュリティ、および予期しないダウンタイムの減少などをもたらすことができます。
 

デジタル化の成功の鍵

課題はあまりにもありふれています。高頻度のプロセス変更、より大型のデータセット、厳しい予算への対応、より大きなトレーサビリティとコンプライアンス要件の順守の必要性があります。油精製所から食品飲料プラントにいたるまで、プロセスエンジニアはますます複雑なシステムの管理を要求され、しかもより少ない資源でより多くのことに対処することを要求されています。

よい知らせは、最新のDCSプラットフォームは新しい技術的な発展のおかげではるかに進歩していることです。これにより、DCSユーザは最適な性能とデジタル化の成功を目指してシステムをアップグレードし、最新化することができます。

プロセスエンジニアの中でよくある質問は、「どのようにしてDCS最新化はシステムの複雑さを管理し、生産性の向上を支援できるのでしょうか?」です。最新式のDCSの最新リリースは、システムのライフサイクルを通して主要な課題に対応し、4つの重要な方法で問題を簡単にします。

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1. 専用の、強力なコントローラが複雑性を最小化

もともと、処理プラントは多面的で絶えず変化しています。アプリケーションが拡張してさらに高度になると、多くの旧式のコントローラとI/Oプラットフォームはとても対応することができません。多くのプラントでは、新たな要求を満たすために既存のオートメーション基盤にコントローラを追加することが唯一の実質的な対応でした。

しかしご存知の通り、ますます、時には異なるシステムを導入することが、本質的に複雑なDCSをさらにいっそう複雑にし、一体化と管理にコストがかかるものにします。

ここで、新しいタイプのプロセスコントローラが良い選択肢を提供します。処理パワーと処理能力の大幅な増大は、さらに多くの方策をより少ないコントローラで管理でき、構造的な複雑性が減少し、関連するライフサイクルコストを削減します。
最新のリリースのPlantPAxも、アラームやイベントポーリングにより引き起こされたアーキテクチャのストレスを大幅に減少させる「例外発生時のレポート」を有効化できます。しかも、多くのシステムでは、ポーリングが少なければデータサーバも少なくてすむことを意味します

2. 組込みプロセスオブジェクトがアプリケーションとユーザエクスペリエンスの一貫性を維持

誰もが、システムがどのように機能するかについて独自の考えを持っています。しかも、誰もが優れた開発者の技量を称賛する一方、ある開発者の文書化されていない「微調整」がシステムの維持や更新の際に他の技術者の大きな負担になります。
その上、ベンダーが提供したオブジェクトを一度変更すると、メンテナンス、移行、文書化の際にもはやベンダーに頼ることができません。それは自社のスタッフやシステムインテグレータの作業となり、システムのライフサイクル全体のコストとリスクの増加になります。

DCSの最新化の一環として、新しいタイプのコントローラの特長はプロセスオブジェクトがファームウェアに組み込まれていることであり、設計の一貫性がさらに向上します。組込みプロセスオブジェクトは、「ロックダウン」コアコントローラ機能によってシステム開発への最新アプローチに対応しています。これにより、開発者は上位レベルのアプリケーションの構成に集中できるようになります。

コア機能が業界標準に準拠し、しかも編集できないため、組み込みオブジェクトはシステムの整合性を維持することができ、プラントからプラントへ素早く複製できます。組み込みオブジェクトも新しいファームウェアのリビジョンが利用できるようになると自動的に移行するため、今後のアップグレードがより簡単になります。

3. 自動診断が時間をセーブ

既存のDCSタグデータベースは、使用しているコントローラ、I/O、およびフィールドデバイスに関する診断情報を含んでいます。その情報にオペレータがアクセスできるようにするには、バックエンドで多大な開発作業を必要とすることがあります。

実際、制御システムの診断タグを特定し、HMIプラットフォームでそれらのタグへのリンクを設定することは、システムの設計とメンテナンスに必要なコーディングの最大30%も占めます。

DCSの最新化はこのプロセスを効率化します。新しいプロセスコントローラの拡張機能を使用すると、構成済みのアラームはシングルクリックで自動的にHMIにすぐに配置されます。この機能により、初期の開発時間と、プロセス要件の進化に伴いシステムの寿命全体での作業時間を大幅に短縮します。

4. 最新規格への準拠がサイバーセキュリティリスクを最小化

最新のIIoTテクノロジを活用するためには、DCSを企業レベルのシステムと一体化する必要があります。しかし、企業全体にさらに情報を結びつけることは、プロセスオペレーションを不注意にリスクにさらすことがあります。

最新式のDCSは高度な分析ツールとその他のデジタルテクノロジの利点の両方を活用する必要性を認識し、しかも重要なデータを保護することができます。最新のリリースにより、移行を進め、国際規格IEC 62443に準拠した多層防御に基づくグローバルなサイバーセキュリティのベストプラクティスを採用したシステムおよびプロセスコントローラを実装することができます。

用語が意味する通り、多層防御(DiD)戦略はどんな一元的な防御も破られる可能性があることを認識しています。この戦略に基づいたサイバーセキュリティシステムは、物理的、電子的、および手続き上の安全防御の組み合わせにより複数の保護レイヤを確立します。

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稼働中の最新式のDCS

ある医薬品企業は最新式のDCSを使用してバイオプロセス機器を自動化し、製造実行システム(MES)アプリケーションと電子バッチレコードを統合してデータにアクセスしました。その結果、生産スループット、可用性、生産作業効率が10~20%も増加し、エネルギーの使用、廃材、バッチリリース時間、メンテナンス、およびダウンタイムの調査時間が5~30%も減少しました。

他の例では、飲食料品産業のある企業ではオペレーションの拡張を必要として、オートメーションシステムをアップグレードしました。最新式のDCSの実装後たった1年で、その企業は20%もの生産能力の増大を体験しました。コンスタントにアクセスできるリアルタイムのデータが利用可能で、スタッフはその場でただちに確かな情報に基づいた決断をすることができます。

デジタルトランスフォーメーションはなくなりません。どこかの時点ですべての造メーカや生産者がデジタルトランスフォーメーションの実現を始めなければならないでしょう。それは多くの製造メーカにとって新たな日常とみなされます。

最高レベルではデジタルトランスフォーメーションは基盤であり、産業生産者にとっては潜在的に抜本的な進化です。新しいテクノロジを導入することは、根本的にビジネスの仕組みを変化させます。最新のDCSプラットフォームがお客様のデジタルトランスフォーメーションを実現できるか確認するために、使用中の旧式のシステムを再評価してみましょう。

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トピック: デジタルトランスフォーメーション コネクテッドエンタープライズ
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