クラウドベースのソリューションがもたらすスピードとアジリティ
ロックウェル・オートメーションのソフトウェアおよび制御担当シニア・バイス・プレジデントであるブライアン・シェパードが、製造業のライフサイクル全体にクラウドソリューションを導入する方法について詳しく説明します。
ロックウェル・オートメーションのソフトウェアおよび制御担当シニア・バイス・プレジデントであるブライアン・シェパードはAutomation Fair 2022で講演し、「皆様はチーターに、ビジネスチーターになりたいとお考えではないでしょうか」と、語りました。現在の世界情勢において、ビジネスチーターは、スピードとアジリティ(敏捷性)をもって方向転換できる必要があるとシェパードは語ります。クラウドベースのSaaS (サービスとしてのソフトウェア)ソリューションに、そのスピードとアジリティを見出すことができるのです。
シェパードは次のように述べています。「製造業が直面し、対処しなければならない課題は、ほぼ無限にあると見ています。良い知らせは、私たちは皆、まだここにいるということです。製造業は適応してきたのです。」
成功事例がある一方で、お客様からは「まだ十分に速く進んでいない」という声も聞かれると、シェパードは語っています。昔の高速道路の標識には、「スピードは命取りだ」と書かれていました。しかし、今では、スピードこそが生き残るための唯一の手段であるかのように思われます。」そして、アジリティも同様に重要です。
「クラウドは試行錯誤の末に完成したものです」と、シェパードは語ります。クラウドのSaaSは、お客様が求めるスピードとアジリティを提供し、重要なビジネス成果を達成します。「クラウドは働き方を変えることで、こうしたビジネス成果を可能にします。」
また、クラウドは価値実現までに要する時間を加速させ、導入、パッチ適用、アップグレードのための高価な現場の専門家やチームの必要性を減らすことができます。「そのような人材を見つけるのは難しいので、これは良いことです」と、シェパードは語ります。また、クラウドを導入することで、ハードウェアやソフトウェアのライセンスにかかる多額の初期費用も不要になります。「小規模から始めて、すぐに規模を拡大することができるのです。これこそ真のアジリティです。ビジネス環境の変化に応じて、規模を縮小することもできます。」
シェパードは、クラウドによって、どこからでも仕事ができるようになり、コラボレーションが促進されると述べています。「正直なところ、従業員はいつでもどこでも仕事ができること以外、何も受け入れないでしょう」と、シェパードは言います。
プロセス、機械の性能、品質記録、メンテナンス計画などが、特定のアプリケーションやデバイスにサイロ化されがちですが、クラウドを利用すれば、地域やタイムゾーンを越えてデータにアクセスできるようになります。「製造データは企業にとって非常に大きな資産です」と、シェパードは言います。異なるソースからのすべてのデータを文脈に入れることも重要で、データセットに真の価値を生み出し、信頼できるデータを確保することができます。最終的には、お客様がそのデータから意思決定を下すことができるようになるのです。「それがビジネスを変える方法であり、価値を生み出す方法なのです」と、彼は言いました。
ロックウェル・オートメーションは、アジリティとスピードの目標を追求するお客様にとって最良の選択肢となることを目指しており、SaaSとクラウドネイティブの製品のセットであるFactoryTalk Hubでその使命に投資しています。「新しい生産システムの設計から、その生産システムの運用、保守まで、製造のライフサイクル全体をカバーします」と、シェパードは語っています。
設計については、ロックウェル・オートメーションが新しいクラウド製品であるFactoryTalk Design Studioを発表しました。「これは、オートメーションシステムをプログラミングするための、まったく新しい世代の純粋なクラウドソフトウェアです」と、シェパードは言います。柔軟なプログラミング手法と言語を提供し、チームとして柔軟に拡張できるようマルチユーザにも対応しています。「そして、マルチコントローラです。オートメーションプロジェクトを単一のコントローラで見るのではなく、システムとして見ることができるのです」と、シェパードは述べています。
ロックウェル・オートメーションのSaaSネイティブのアプリケーションへの投資は、PlexとFiixの買収によって強化されました。シェパードは次のように述べています。「これらは、ロックウェル・オートメーションがクラウドと製造業の未来に賭けた大きな賭けなのです。これらのアプリケーションは、人、計画、活動、結果を結びつけるものです。」
ロックウェル・オートメーションのお客様であるMotus Integrated Technologies社は世界中の輸送会社に自動車の内装を提供していますが、紙ベースのプロセスに依存していました。「彼らは、アジリティが求められる世界で盲目的に飛行していました」と、シェパードは述べています。Motus社は、Plexとクラウドベースのスマート・マニュファクチャリング・プラットフォームを使用して、3大陸の7つの工場でシステムを導入しました。生産データのリアルタイムな可視化により、同社は生産におけるエラーや機会を特定し、製品製造プロセスで即座に対応できるようになりました。この結果、Motus社ではスクラップや全体の品質が大幅に改善されました。「クラウドが提供するアジリティとスピードによって、今日の企業はこのようなパフォーマンスを達成しています」と、シェファードは語りました。
食品、飲料、スポーツ栄養食品会社向けの原料サプライヤであるPerth County Ingredients (PCI)社は、主に資産の事後保全を行なっていましたが、より積極的なアプローチに移行したいと考えていました。Fiixの導入により、PCIはデータを利用して重要な資産の保全活動を計画し、最適化することができるようになりました。「これは、PCIが進めるデジタルトランスフォーメーションの最初のステップです。簡単でインパクトのある方法で、変革の旅を始めることができます」と、シェパードは語っています。
FactoryTalk Hubにより、ロックウェル・オートメーションはコネクテッドエンタープライズと、すべてのアプリケーション間でシームレスにデータを流すための統合された経験に焦点を合わせています。シェパードは次のように述べています。「製造業のデータはこれまで、作成されたデバイスやアプリケーションの中に閉じ込められ、鎖国状態にありました。意思決定を下すには、適切なデータを適切なタイミングで適切な場所に、適切な文脈で提供する必要があります。」機械センサは、生産プロセスの健全性や資産の健全性に関する膨大な量のデータを生成します。「これらのデータセットは、まさに工場の生命線です」と、シェパードは語ります。
エッジテクノロジもまた、クラウドベースのソリューションに不可欠なものです。「純粋なクラウド製造業は存在しない。常にハイブリッドなのです」と、シェパードは述べています。ロックウェル・オートメーションは、生産工程に近いオンプレミス、エッジ、クラウドで起きていることを管理するために、FactoryTalk Edge Gatewayというまったく新しいSaaSソリューションを発表しました。「これは、会社全体のデバイス群を管理するというITの考え方を、OTの世界に持ち込んだものです。「これは、会社全体のデバイス群を管理するITの考え方を、リモートで行うOTの世界に持ち込んだものです。クラウドを利用して、安全に管理することができるのです」と、シェパードは語ります。
データの価値は、それがもたらす洞察から生まれますが、真の課題は、それらのツールを拡張していくことにあります。シェパードは次のように述べています。「その課題とは、長期にわたって存続し、繁栄するように成長させることです。そして、規模が大きくなると、データ処理に産業的なアプローチが必要になります。そうでなければ、カオスになります。」
産業用データハブの必要性が、ロックウェル・オートメーションとコグナイト社のパートナシップの必要性を後押ししているのです。「私たちはコグナイト社と協力して、同社の最先端の産業用データハブを、FactoryTalk Data Mosaicsと呼ぶ新しいソリューションに組み込んでいます」と、シェパードは語ります。このソリューションは、2023年半ばに提供される予定です。「工場にある膨大なデータから大規模な価値を引き出す鍵になります」と、シェパードは述べています。データから価値を生み出すには、信頼できる単一のソースからのデータセットが必要です。「それが、FactoryTalk Data Mosaicsのターゲットです。FactoryTalk Data Mosaicsは、SaaSベースのFactoryTalkテクノロジ全体をお客様に提供する方法として、非常に重要なものになると思います」と、シェパードは語りました。
シェパードは次のように述べています。「私たちは、クラウドに投資し、大きな賭けに出ています。私たちは、お客様のニーズに応え、お客様が求めるスピードやアジリティといったビジネス成果を達成するためのお手伝いをします。そして、ビジョンと投資、テクノロジ、そして皆さんとともに、製造業をまったく新しいレベルへと引き上げるのです。」
この記事は、Control Globalがロックウェル・オートメーションのスポンサーコンテンツとして発表したものです。