- 重要なガス処理設備の無停止(ゼロダウンタイム)アップグレードを実現
- 予期せぬ停止をゼロにし、システムの信頼性を向上
- サイバーセキュリティ体制を強化し、運用上の脆弱性を低減
- 安全規格SIL-3への適合を達成
- 将来の成長に向けた拡張性のある体制を確立
ブラジルの主要な天然ガス処理ターミナルは、同国のエネルギー生産の3分の1以上を支えており、エネルギーインフラにおいて極めて重要な役割を担っています。
- 老朽化したインフラがシステム障害の一因となり、大量のガスを処理する重要ユニットの稼働停止を招いた。
- 旧式のファームウェアにより、重要インフラが脆弱性にさらされた。
- スペアパーツの不足や不完全な文書類がリスクを増大させた。
課題
老朽化したシステムとサイバーセキュリティリスク
ブラジルのエネルギー生産の3分の1以上を担う重要な天然ガス処理ターミナルにおいて、インフラの老朽化と技術の陳腐化に伴い、操業上のリスクが増大していました。
同施設は10年以上にわたり稼働し続けてきた旧式の安全システムに依存していましたが、特にI/OモジュールやPLC通信の領域でハードウェアの故障が頻発するようになりました。こうした問題は予期せぬ操業停止を招き、高い信頼性が求められる環境下で操業の不確実性を生じさせる要因となっていました。
同時に、そのシステムはWindows 7ベースの環境下で旧式のファームウェアを使用して稼働しており、重要インフラをサイバーセキュリティ上の脆弱性にさらしていました。そのため、現行のセキュリティ基準に適合するようシステムを最新化すべきだという圧力が、同ターミナルに対して高まっていました。
さらに、いくつかの制約がこうした課題を深刻化させていました。例えば、スペアパーツの入手が困難であることや、文書類が不完全であるといった問題がありました。また、運用の重要性を踏まえ、重大な障害が発生した際にはシステムを元の状態に復旧できる、確実なロールバック戦略も求められていました。
ソリューション
戦略的なファームウェアの最新化とリスク低減
システムアップグレードは2段階で実施されました。準備段階では、不測の障害に備えて予備のI/Oモジュールと旧型CPUを確保しました。同時に、試験の正確性を期すため、SIL-3安全ループに関する文書の検証を行ないました。さらに、Windows 10ベースのSISワークステーションが業界基準に適合するよう、サイバーセキュリティの専門家と協力してリスク評価を実施しました。
ファームウェアの更新と、セキュアかつ信頼性の高い運用を支える安全制御システムAADvance®
実行段階において、同施設はAADvance®ファームウェアを導入し、刷新された開発環境へ移行するとともに、相互運用性の問題を未然に防ぐべくPLC通信の高度な診断テストを実施しました。また、異常検知にはリアルタイム・モニタ・ツールを活用し、段階的なロールバック手順を設けることで業務の継続性を確保しました。
アップグレード後、部門横断型チームが故障シナリオを用いたシミュレーションを実施し、SIL-3への適合性を検証しました。さらに、安全や生産に対する残留リスクがないことを確認するため、厳密なテストが実施されました。
結果
信頼性、サイバーセキュリティ、および安全基準への適合性の向上
ターミナルにおいて、約1,600m³/hという大量の天然ガスを処理するガス処理設備の稼働を停止させることなく、システムの最新化が完了しました。今回のアップグレードにより、ハードウェアおよびサイバーセキュリティ上の課題が解決され、計画外の停止がゼロになるとともに、SIL-3への適合も実現しました。
Windows 10を基盤とする最新のプラットフォームへ移行したことで、ターミナルの耐障害性が強化され、脆弱性への曝露が低減されました。刷新された環境は最新のセキュリティ規格に適合しており、重要インフラを保護するための、より強固な基盤が確立されました。
将来の運用に向けた備え
最後に、同施設は将来のシステムアップグレードに対応可能な、拡張性のある体制を構築しました。プロジェクトの成功を受け、操業を中断することなく継続的な改善を図るため、計画的な保守期間中にさらなる最新化の取り組みを実施することが承認されました。
公開 2026年6月25日
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