消費者向けパッケージ商品(CPG)分野では、厳しい時代が続いています。過去10年間における製品やショッピングの嗜好の激変、グローバルなサプライチェーンの打撃、パンデミック政策によるグループ規模の制限、有資格の労働者の不足はどの企業にとっても無縁ではありません。そのうえ、さらに急増するサイバー攻撃の頻度も加わっています。
課題:
ある世界的なスナック食品会社は、コンピュータシステムと生産ラインを混乱させるマルウェア攻撃を受けた後、サイバーセキュリティの防御を強化し、世界80カ所の拠点にまたがるネットワークインフラを最新化する必要がありました。同社は以前、セキュリティリスクの測定と軽減、既存アプリケーションのパフォーマンス向上を支援するため、設備総合効率(OEE)プラットフォームの導入を試みていました。しかし、OEEソフトウェアと同社のエンタープライズ制御レイヤおよびネットワーク要件との間の非互換性により、この取り組みは頓挫しました。
この企業はロックウェル・オートメーションに、デジタル資産のグローバルな資産管理機能を作成し、インシデント対応と包括的なサイバーセキュリティ機能を最新化するよう依頼しました。このソリューションは、世界中に80カ所ある拠点すべてに導入する必要があり、脅威への迅速な対応を可能にする必要がありました。
ソリューション:
ロックウェル・オートメーションは、同社のグローバル・エンジニアリング・ディレクターと協力してネットワークを評価し、企業のネットワークやアプリケーションと互換性のある方法でOEE測定に必要なデータを提供しました。
その後、ロックウェル・オートメーションは、同社の世界中にある施設全体で包括的なネットワーク評価を実施しました。ネットワーク評価により、ネットワーク上で稼動しているデータや保護が必要な機器についての洞察が得られました。同社はグローバルなマルチサイト企業であるため、産業用データセンター(IDC)はデジタル資産のリモートモニタ・管理に理想的なソリューションでした。IDCは、仮想化環境への移行を大幅に容易にし、付属のリモート・サポート・サービスと組み合わせることで、インフラを効率的に稼動させる技術サポートへのアクセスを可能にします。
綿密な評価の後、当社のチームは、OEEアプリケーションとのネットワークの競合を緩和し、ロックウェル・オートメーションのサポートチームによる年中無休24時間体制のリモートモニタと管理を導入する計画を策定しました。
結果:
新しいネットワークインフラを導入したことで、このスナック菓子メーカは、データ精度と標準化されたグローバルなレポート作成を迅速に改善することができました。統一されたインフラとロックウェル・オートメーションのマネージドサービスの組み合わせにより、ダウンタイムの削減、データ精度の向上、サイバーセキュリティインシデントへの迅速な対応が実現しました。
OEEがわずかに改善されただけでも、大規模な生産ラインでは多大なコスト削減を意味し、企業のOTサイバーセキュリティ防御を強化するためのビジネスケースを裏付けることができます。ビジネスとサイバーセキュリティの両方のニーズに対応することで、採用されたソリューションにより、この食品&飲料会社はOEEスコアを全体的に5%向上させることができました。