マクレー社は、ロックウェル・オートメーションのPlantPAx®分散制御システム(DCS)とマクレー社のMeridian BrewSoftおよびBrewSightソフトウェア(現在のFactoryTalk® Brew™)を基にした段階的アプローチをとりました。
このシステムには、醸造サイクルトレンドをピンポイントで特定するために主要プロセスデータを収集・追跡・記録する報告書およびヒストリアンソフトウェアが含まれ、これにより、オペレータは必要な場合に積極的に醸造工程に変更を加えることができます。ロックウェル・オートメーションのプロセス・オブジェクト・ライブラリは、定義済みコントローラコードおよびフェイスプレートを提供し、新システムによってスリーマン社のオペレータはさらに短時間で新規バッチを設定し、レシピを構築することができます。
マクレー社は自社のソフトウェアソリューションを使って醸造アプリケーションのソリューションをカスタマイズし、オペレータは操作が簡単なWebインターフェイスを使ってプロセスを完全に制御できるようになっています。
ロックウェル・オートメーションのAllen-Bradley®のPowerFlex® 525およびPowerFlex 755ドライブは、醸造工程における柔軟なモータ制御を実現し、制御システムとのデバイス診断の通信をサポートします。
導入を完成させるため、マクレー社はスリーマン社のITチームと協力して、VMware®仮想化サーバをインストールしました。スリーマン社のチームは、その数年前にバーノンの拠点に冗長サーバを設置していましたが、装置と追加のストレージスペースのコストを維持するのが困難であることが明らかでした。
VMware仮想化サーバは、生産データの自動冗長性と、強化されたデータリカバリおよび拡張されたデータストレージを提供しました。1つの仮想化サーバは、最大4つの物理的バックアップサーバを置き換えることができ、それによりハードウェア装置のコストが大幅に削減されます。
またこれにより、スリーマン社のチームは仮想化サーバのコピーを作成し、オフラインでシミュレーションを実行し、生産の変更を事前にテストすることができるようになりました。
より多くのビールを生産
2週間以内に、スリーマン社はバーノン施設の生産量を1日当たり8回の醸造から12回の醸造へと50%増加させました。
現在、醸造チームは、すべての醸造をサードパーティの生産者を使うことなく自社で行なうことができるようになりました。そして、同社は新たな施設の建設、大規模の装置のアップグレードや追加などのコストを避けることもできました。
さらに、オペレータは醸造工程をより柔軟に制御できるようになりました。Webブラウザベースのレシピを使って、オペレータはより簡単に新規レシピを構築し、テストバッチを作成し、追加のテストおよび生産向けにレシピをシステムに保存することができるようになりました。
醸造マネージャは、プロセスおよびレシピの変更をWebブラウザのインターフェイスを使って簡単に行なうことができ、増員も必要ありません。
管理者は、PlantPAxシステムのトレンディング能力とBrewSightソフトウェアの報告書を活用して、あらゆる生産の問題をチェックすることができます。例外報告書を使って、システムが、醸造が発酵に至る進行状況を追跡して報告書を作成し、醸造の変数が範囲から外れると管理者に電子メールが送信されます。
醸造チームは、手直しや事後に少量の不足分を別に醸造するのではなく、必要となる任意の是正措置を講じて、ダウンタイムを低減することができます。