電子機器に不可欠なコンポーネントとして、半導体産業は世界経済の大部分を支えています。研究、設計から製造に至るまで、半導体製造工場は、製品が納期通りに納入されるよう、24時間フル稼働する必要があります。しかし、技術の進歩に伴い、サイバー犯罪は制御技術(OT)システム全体にますます蔓延するようになり、生産ラインを混乱させています。
2018年、世界的な半導体企業がOTネットワークへのサイバー攻撃に直面し、1日で数百万ドルの損失を出しました。このため同社は、情報技術(IT)とOTの両方の専門知識を持ち、エンド･ツー･エンドのプロセスをより可視性と透明性をもって監督するサイバーセキュリティ･マネージド･サービス･ソリューションの検討を開始しました。
その後、同社は評価プロセスを開始し、ロックウェル･オートメーションが同社のニーズに最も適していると判断しました。同社の担当者は次のように述べています。「概念実証(Proof Of Concept (プルーフ･オブ･コンセプト))を実施したところ、ロックウェル･オートメーションが経験豊富で、当社のアーキテクチャを熟知していることから、このソリューションが最適だと判断しました。チームは私たちのOTネットワークで起こりうる抜け穴を指摘することができ、OTとITの両方のセキュリティについて深く理解していました。」
24時間体制の迅速な脅威検知
継続的脅威検知ソリューションにより、ロックウェル･オートメーションはOTネットワークを経由するさまざまなポートやパッケージのコピーを毎日収集･作成し、その中に悪意のあるメッセージが隠されていないかどうかを解析します。異常が検出された場合、システムはモニタするためにオペレータに合図を送ります。ネットワークの挙動は、正常な状態のベースラインを理解するために継続的にモニタされ、システムは例外的な挙動を検出し、より詳細なモニタのためにアラートを送ることができます。これは受動的に行なわれるため、生産ラインに支障をきたすことはありません。
ロックウェル･オートメーションのソリューションコンサルタントであるイェン･カイ･ホアンは次のように説明します。「この会社にはすでにロックウェル･オートメーション製品が大量に導入されており、制御システムの半分以上はロックウェル･オートメーション製です。そのため、ロックウェル･オートメーションのアーキテクチャに精通しており、異常な動作の原因を素早く特定し、突き止めることができます。」
ロックウェル･オートメーションのチームは、技術的な専門知識だけでなく、深い知識と洞察力で的確なアドバイスを提供することができます。拡張モノのインターネット(XIoT)に特化したサイバーセキュリティソフトウェア企業であるクラロティ社と提携することで、ロックウェル･オートメーションは同社のOTシステムとITシステムを統合し、ネットワーク全体で最高レベルのサイバーセキュリティを実現することができました。
現在、この半導体企業は13の製造工場を完全にオンライン化し、今後2年間でさらに多くの工場を移行することを目標としています。
移行後、ロックウェル･オートメーションは各製造工場の完全なチューニングも提供します。
今後5年間で、各工場につき合計160時間のコンサルティング時間が割当てられ、さらに潜在的な抜け穴に対処するため、同社の経営陣と検討会を実施する予定だ。ロックウェル･オートメーションのバーティカル･アカウント･マネージャであるネリー･ウーは、「我々は、発見されたことをレビューし、彼らのファブで何が起こっているかを完全に把握した上で、エコシステムをさらに保護するための可能な次のステップについて話し合う予定です」と、語ります。
公開 2023年11月1日