RAM Elettronica社がロックウェル・オートメーションの技術を使用して開発に成功したパイロットプロジェクトが、5つの生産拠点で実施
地中海食の象徴的な製品の1つを生産するサプライチェーンは、止めることができません。もし、石臼の稼働が止まったら、食糧システム全体が危機に陥ります。だからこそ、この業界の企業は、市場の本質的な複雑さだけでなく、守らなければならない千年の伝統も考慮に入れて、絶えず革新を続けようとするのです。
つまり、産業用オートメーションベンダーの選定は、その技術的な貢献はもちろん、何よりもこれらのイノベーションを実現するためのノウハウや専門性を慎重に評価した上で行なわれるのです。この印象的なマルチサイトプロジェクトに、産業用オートメーションソリューションのリーダであるロックウェル・オートメーションと、今日イタリアの製粉所やパスタ工場にある中堅・大規模企業の85%をサポートしているRAM Elettronica社が関わったことは、驚くには値しないでしょう。
RAM Elettronica社は、1974年にヴィンチェンツォ・スカルセッリ氏が設立した電気設備分野の会社を発展させたもので、彼がすべての活動を統合したものです。本社は、古代ローマ時代からイタリアの穀倉地帯とされてきたタヴォリエーレ・デッレ・プグリエ地方に近いアンドリアにあります。現在、本社では約50人が働いており、付帯する業務を含めると100人にまで増えます。20人以上の技術者とエンジニアが、オペレーションの設計と開発だけに携わっています。創立50周年を間近に控え、RAM Elettronica社はシンプルな産業用システムから、国内外の産業用電力システムの導入に至るまで、成長を遂げてきました。
このような専門的な活動に加え、過去20年間は、産業特有の製造プロセスに関する深い知識により、独自のソフトウェアを開発し、産業プロセスの自動化と監視の分野で活動してきました。
RAM Elettronica社のテクニカルディレクター兼セールスマネージャであるリッカルド・スカルセッリ氏は次のように述べています。「創業以来、私たちは主に製粉・パスタ業界向けのオートメーションシステム・機器を扱ってきました。当社は、イタリアの中堅・大規模企業の大半にオートメーションプロジェクトを提供していますが、長年にわたり、製薬や飼料など他の分野でも経験を積んできました。しかし、私たちはイタリア市場だけを見ているわけではありません。なぜなら、私たちのオートメーションソリューションの売上の約20%は海外からのものだからです。」
5つの生産拠点、1つの制御システム
RAM Elettronica社とロックウェル・オートメーションの関係は、2000年代初頭に始まりました。最近では、製粉の大手メーカの大規模な最新化プロジェクトによって、この長期的な協力関係が強化されました。その後、国内の5つの統合拠点でパイロットプロジェクトを実施し、成功を収めました。
RAM Elettronica社による最新化以前、このシステムはWindows XPソリューションと旧式のPLCをベースにしていました。
クライアントの主な懸念の1つは、非標準のソリューションに投資していることでした。スカルセッリ氏は次のように説明します。「このため、ロックウェル・オートメーションの技術のみを使用することにしました。私たちは、ロックウェル・オートメーションの最新のPlantPAx DCSのハイレベルなライブラリのみを使用して、制御および監視ソフトウェアを開発しました。」
これらのライブラリにより、すべてのユーザとすべての施設でのプロセス測定に対して、同じ制御・監視・監督技術の標準化が可能になりました。これにより、IEC 62443-3-3規格の機能要件に準拠したセキュリティアプローチも保証されました。
「この工場は、ソフトウェアの内容もハードウェアも非常に大きいため、世界トップクラスのコントローラを使用してプラットフォームを構築しました。システムの複雑さは、3000以上のI/Oと約15000のタグが印象的です。」具体的には、新しいオートメーションプラットフォームはAllen‑BradleyのGuardLogix® SIL 2/PL dコントローラをベースにしており、システムの安全機能を実現しています。すべての拠点で、ロックウェル・オートメーションが提供するマルチプラットフォーム産業用データセンター(IDC)の1つのサーバを共有し、データを交換することで、プラントフロアでのリアルタイム制御と即時対応を可能にし、サービス継続の面でも多くの利点をもたらしています。
監視業務にはFactoryTalk® Viewソフトウェアを使用し、ヒストリアンツールとしてFactoryTalk Historian Site Editionを導入しました。
スカルセッリ氏は次のように述べています。「すべてのデータを管理するために単一のプラットフォームを使用することで、お客様は外部ソフトウェアを通じて5つの施設の分析を実行することができます。そのために、FactoryTalk Viewに常駐するHistorianツールを活用することで、必要なデータ集計をタイムリーに実行することができます。」
その結果、すべてのプラント監視、ヒストリアン、およびデータ集計操作は、ロックウェル・オートメーションのソフトウェアスイートに基づいて行なわれ、追加のコード開発は必要ありません。
RAM Elettronica社は、すべてのデータ、制御、可視化リソースを集中化するという目的の一環として、新しいシンクライアントHMIとモバイルデバイスに複数のアプリケーションインスタンスを可視化するロックウェル・オートメーションのソリューションを導入しています。その目的は、オペレータがさまざまな工場情報システムからデータや手順に完全にアクセスできるようにすることです。