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起亜自動車スロバキア工場は、安全システムのダウンタイムを最大70%低減

Allen-Bradleyが提供するI/Oモジュールを備えたEtherNet/IPベースのGuardLogixを活用して、車体部門におけるダウンタイムを低減し、視覚化を実現して業務効率を最大化

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ソリューション

  • Allen-BradleyのGuardLogix
  • EtherNet/IP
  • Allen-BradleyのPanelView Plus
  • RSLogix 5000ソフトウェア
  • 安全POINT I/O

結果

  • KMSで、優れた信頼性を誇る柔軟なラインが実現
  • 柔軟なプラットフォームで保守とトラブルシューティングを低減
  • これまでよりも圧倒的に素早く問題を特定・解決
  • ラインの保守が簡単
  • KMSは他のラインにも同様のソリューションの応用を検討

背景

起亜自動車(KMC)は、1944年に創業した韓国最古の自動車メーカです。現代自動車グループのグループ企業である起亜自動車は一流自動車ブランドの地位を目指しています。ヨーロッパだけでなく全世界における市場シェアの拡大を念頭に置き、KMC社は同社初のヨーロッパ拠点としてスロバキアのジリナに施設を建設しました。同施設は2006年12月に生産を開始し、年間30万ユニットという生産能力を実証しています。

起亜自動車スロバキア工場(KMS)は、2009年にキア・シードとキア・スポーテージの両モデルを生産し、キア・シードが生産モデル全体の80%を占めていました。2010年には新しいSUVモデルとして新型のスポーテージとヒュンダイix35が同工場の製品ラインに加わったため、KMSでは現在3種類のモデルが生産されています。

KMSは2010年に22万9505台の自動車を生産し、SUVモデルがその50%以上を占めました。
 

課題

他の自動車メーカと同様、同社においても、効率と生産性を最大限に高めるための製造プロセスの最適化がかつてなく重視されるようになりました。そしてKMSが必要としていたのは、情報や各種デバイスをシームレスに相互接続した統合ソリューションでした。

KMSの車体部門は、ControlLogixと接続されたCompactLogixを使用しており、車体組立(BC)ラインにおいて20人の作業員による手作業ですべての可動部品の組立が行なわれていました。しかし、頻発する障害により生産性が低下し、ときにはKMSのライン全体が生産中断を強いられることもありました。

BCラインはSICKセーフティリレーを用いて構成され、SICKセーフティスキャナおよびリレーで保護されていました。このセーフティリレーは複雑な配線を伴い、安全装置からメインキャビネットにあるリレーまで長い導線が引かれ、スキャナからのバイパス機能はありません。

また、安全回路や安全装置の問題に起因する小規模なライン停止が頻発していましたが、障害の原因や発生箇所の特定は困難なことが多いうえ、交換には長時間を要しました。安全回路の配線が長くて複雑であるため、ラインの停止はいつ起きてもおかしくない状況でした。

リレーベースの安全制御は、作業員と機械の危険な接触の防止に長らく貢献してきました。機械を操作するオペレータの安全を確保する手段として、セーフティリレーで接続されたスキャナや非常停止用押しボタンなどの安全装置が使われてきたのです。

しかし、リレーは故障に対する診断能力が限られており、物理的な配線を必要とするため、アプリケーションの変更にも適応しにくいのが難点です。このため、危機的な状況に備える意味でも、KMSには現行のリレーシステムにかわる手段が必要でした。その手段とはすなわち、ステータスの視覚化機能を備え、信頼性と柔軟性に優れた統合安全ソリューションです。
 

ソリューション

視覚化を実現し信頼性を向上させる統合安全ソリューションを求めたKMSは、信頼できるサプライヤとして生産開始段階から同プラントの運用を支えているロックウェル・オートメーションに相談を持ちかけました。

ロックウェル・オートメーションは、安全関連のプログラマブルコントローラとネットワークで構成される安全システムを提案しました。従来のセーフティリレーのかわりにセーフティコントローラを導入すれば、無駄がなく変更にも素早く対応できる製造プロセスの構築に役立ち、オペレータの安全確保にもつながります。

ロックウェル・オートメーションは、標準のAllen-BradleyのControlLogixプロセッサにセーフティファームウェアとセーフティプロセッサを追加して拡張したAllen-Bradley GuardLogixセーフティコントローラを提供しました。リモート安全I/Oモジュールが追加され、EtherNet/IPネットワークに接続されて、既存のAllen-BradleyのPanelView Plusパネルを活用した安全状態やアラーム、緊急事態の視覚化、ならびに制御システムのプログラミングと視覚化が進められました。なお、プログラミングと設置を含むすべての作業を、ロックウェル・オートメーションのカスタマサポートおよび保守(CSM)チームが提供しました。

Allen-BradleyのGuardLogixは、Logixプラットフォームのメリット(つまり、共通のプログラミング環境、共通のネットワーク、および共通の制御エンジン)と統合安全制御を1つの使いやすい環境に集結するとともに、安全度水準(SIL) 3の制御を提供します。Allen-BradleyのControlLogixプロセッサを配備することで、GuardLogixのユーザは共通のプログラミングソフトウェア、コントローラおよびI/Oというメリットを享受し、開発時間とアプリケーションコストを削減できます。

従来の設計では、生産中に作業員1人がセルに立ち入ったり、1台のデバイスのみが故障した場合でも、ライン全体が停止していました。そのたびに問題を特定するため各エリアとデバイスを点検しなければならず、障害の特定も困難で、KMSはどの安全ボタンが押されたのかを確認できませんでした。障害が特定され、解決するまでの間、ライン全体が停止したままです。

その点、新しい設計では、ラインが5つのゾーンに分割されています。各ゾーンには安全Point I/Oを格納したキャビネットが1つずつあり、配線は2~3mのみです。各安全Point I/Oは、RSLogix 5000を用い、EtherNet/IPでAllen-BradleyのGuardLogixに接続されています。各スキャナはバイパス機能を備えており、ライトによる信号の発動や切換えも可能です。

いざラインに問題が生じた場合は、該当するゾーンのみが停止し、問題箇所が示されます。また、EtherNet/IPによる視覚化のおかげで、オペレータは各ゾーンと簡単に通信できます。これなら障害を簡単に特定し、素早く解決を図れるうえ、復旧作業中も他のゾーンは稼働を継続できます。
 

結果

KMSは、ロックウェル・オートメーションのソリューションを文句なしの成功と見ています。KMSは、リレーベースのソリューションからセーフティPLCへと変換することで、ラインの柔軟性と優れた信頼性を手に入れました。柔軟なプラットフォームによって保守とトラブルシューティングの必要性が低減され、同時に必要な安全も確保されています。KMSは現在、この統合安全の概念を車体およびプレス部門内の他のラインにも拡張・応用しようと計画中です。

「素早く障害を特定し、問題を解決できるようになったため、安全上の問題による稼働停止時間を最大70%短縮でき、生産性が劇的に向上しました」と、KMS車体部門の保守担当マネージャであるオンドレイ・バセク氏は語ります。「何よりもラインの保守が簡単になったことで、私の負担が軽減されました。」KMSの目標のひとつとして、既存のセーフティラインの効率の向上があります。次のステップとして、KMSは他のラインにも同様のソリューションの応用を検討しています。ロックウェル・オートメーションの統合安全ソリューションとGuardLogixの組み合わせは、おそらくKMSにおける標準的プラットフォームと見なされるでしょう。

公開 2013年1月14日

トピック: 自動車およびタイヤ
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