HirataはACSの標準セルを活用するコンセプトで着手しましたが、フットプリントの縮小に伴い、一つの装置(ACS)で複数の作業を行う必要に迫られました。
Hirataは装置単位の作業項目を分析し、1ステーションに複合工程を組み込む新たなコンセプトで取組み、ACS内での作業を最大4項目実施する構想を行いました。それには、ACS内に最大3ユニットのガントリーを配置し(最大23軸のサーボドライブ)、各々の軸が高速で同期動作を行い3次元的にも干渉無く最適な複合動作を行う軸構成・プログラムをロックウェル・オートメーションとの協業で開発する事に成功し、今までにない大型・高速・高精度・高機能のACS製作を達成し課題の克服を図り実現しました。
装置の情報はEthernetを介して、エンドユーザの製造実行システム(MES)と接続しています。またEthernetを通じて日本からリモート診断を行うことができるため、海外の現地サイトに行かなくても装置のデータにアクセスすることが可能で、リアルタイムで設備稼働をサポートできます。また、これにより出張旅費を削減できるケースもあります。現地サイトでの対応が必要な際も、技術者が事前にデータを確認して準備することにより現地での作業時間が短縮されます。
ロックウェル・オートメーションのControlLogix®コントローラは、共通の開発環境を備えた共通の制御エンジンを使用して、使いやすい環境で高性能を提供します。この装置では、ControlLogixコントローラを各セルに取り付け、サーボモータを制御してバッテリの材料を移動し組み立てています。Hirataは、パフォーマンスの高さとセーフティ機能を必要としていたので、ControlLogix L8とGuardLogix® L7Sコントローラを使用しました。
セーフトルクオフ機能を備えたKinetix® 5700サーボドライブとEthernetベースの安全ネットワーク(CIP safety)は、EtherNet/IP上の統合モーションの価値を強化します。さらに、このサーボドライブはシンプルな配線と省スペースを提供することで、装置のコミッショニング時間を短縮し、パフォーマンスを向上します。
Hirataはセル間のコンベアを移動するために、すぐに簡単に設置と構成ができる革新的なモジュラー設計のPowerFlex® 525 ACドライブを使用しました。これらのドライブは、それぞれ複数のモータを制御しています(1つのドライブが2つのモータを制御)。
結果
Hirataが最も重視する指標は、サイクルタイム、稼働率、そして歩留まりですが、今回はフットプリントの課題も考慮する必要がありました。