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制御技術でサステナビリティを実現

革新的なアプローチにより、サステナブル・ブルー社が魚の生産に清潔で安全、かつサステナブルな環境をどのように作り上げたか

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A shoal of fish in the ocean

課題

  • 品質やサステナビリティを犠牲にすることなく、魚の生産を拡大

ソリューション

  • CompactLogixTM 1769
  • POINT I/OTM 1734
  • PowerFlex® 525
  • PowerFlex® 755
  • Stratix® 5700
  • Stratix® 8300
  • E1 PlusTMおよびE300

結果

  • エンド・ツー・エンドのプロセス制御 - クローズド・ループ・システムにより、清潔で環境に優しい生産環境を実現
  • 生産量の拡大能力 - 当初80トンのサーモンを生産していた環境は、現在1,000トンを超えている。
  • リスクを抑える対策が可能 - 失敗による高コストのリスクを抑えるために安全対策を実施
  • ビジネス上の差別化 - 倫理的でサステナブルな生産への比類のない取り組みにより、市場での商品の魅力が向上

水産養殖(魚および海産食品の養殖)による世界的生産量は、過去50年間で4倍に増加し、現在では天然魚の捕獲量を追い越すほどになっています。このような状況を背景にして、魚加工品に対する消費者の味覚や好みも変化しつつあり、味が良いだけでなく、より倫理的でサステナブル(持続可能)な生産手段が望まれています。

消費者の需要の変化を捉えるため、ノバスコシア州に本拠を置く鮭養殖場であるサステナブル・ブルー社は、繁殖および養殖プロセスの品質とサステナビリティを最適化する養殖の新しい手法を開拓しました。フェアフィールド・コントロール・システムズ社、ブルーテック・システムズ社、ロックウェル・オートメーションの支援のもと、サステナブル・ブルー社は養殖場の配水ネットワーク全体の水処理と用水の純度を改善する先進的な制御ソリューションを統合しました。同社は現在、業務を拡大し新規市場に参入し、より多くの消費者に商品を供給することに重点的に取り組んでいます。
 

サステナブルなビジョンを実現

サステナブル・ブルー社の物語は、大西洋の反対側にあるイギリスのプリマスで始まりました。ブルーテック・システムズ社の技術ディレクターとサステナブル・ブルー社のCTPとして2つの役職を務めたジェレミー・リー博士は、再循環式水産養殖システム(RAS)の設計で25年のキャリアを持ち、それ以前はプリマスで有名な国立海洋水族館の水処理システムを開発していました。2008年に、リー博士は、急成長を続ける鮭養殖部門で使用するために彼の水処理技術を適合させる野心的なプロジェクトを開始しました。

カナダ東部にビジネスチャンスがあると知り、リー博士は、鮭の成長のための安全で管理された環境を提供することを目標にする内陸養殖場としてサステナブル・ブルー社を設立しました。この養殖場では、鮭は海から導入され、12カ月をかけて育ててから大手スーパーマーケットやレストランを含む顧客へと最終的に販売されます。

内陸での魚の養殖は効率的な方法ではあるものの、その実行には通常、一定のトレードオフが伴います。通常の場合、魚の養殖には放水と補水のために養殖場と海の間の水の出入りを維持する必要があります。これはいくつかの潜在的な問題をもたらします。

第一に、これによって養殖場で使用する水の温度が変化し、育成プロセスに対する養殖場側のコントロールを制限します。第二に、給水される水の中に病原菌やその他の不純物が混入している可能性があるため、品質と安全性に影響があります。第三に、この方法は一般的に、ゲオスミン(多くの内陸養殖システム内で発生する有機化合物の一種で、独特の不快な臭気を発する)に由来する「かび臭」を取り込むことによって生産物の味に影響を及ぼします。

その結果、内陸養殖場は、常に新鮮で汚れていない生産物を顧客に提供することが困難になります。リー博士は、外部からの給水を必要としない(つまり、養殖場が水の純度、したがって生産物の品質に対する完全なコントロールを維持することが可能な)RASを開発することによってこの問題を解決する方法を探し求めました。彼は、チームを編成して解決策に取り組みました。このチームにはシステムインテグレータであるフェアフィールド・コントロール・システムズ社が参加し、さらにロックウェル・オートメーションのインテリジェントモータ制御技術を導入しました。
 

リスクを抑えるための適応

フェアフィールド・コントロール・システムズ社のエンジニアリングディレクターであるピーター・マクモロー氏によると、このリスクに対するアプローチは、制御システムパートナとしての同社を差別化することに役立っていると言うことです。同社は、失敗コストの高いプロジェクトを専門にしており、高圧でも損壊しないシステムの開発で信用を積み上げてきた実績があります。

フェアフィールド・コントロール・システムズ社のエンジニアリングディレクターであるピーター・マクモロー氏は次のように述べています。「当社が行なうすべてのことで、私たちは当社独自の一連の手順と原則を当てはめ、リスクが軽減され、失敗コストが最小限になっていることを確認します。当社のお客様は、当社を信頼できることが分かり、最悪のシナリオについて十分に考え、それに応じて計画を立てることができます。」

サステナブル・ブルー社のプロジェクトは、このカテゴリにぴたりと当てはまりました。サステナブル・ブルー社は、レッド・バンク・ロード(RBR)の1番から6番までの6つの養殖場で、1,000トンを超える魚を養殖しています。万一、システムが故障すると、魚は10分以上生存することができなくなり、その予想コストは何百万ドルにも達します。そこで注目されたのが、圧力に対する耐性があり、極限状況にも対処できる制御システムの開発でした。

「リー博士にお会いして、すぐに私たちは間違いなく彼のプロジェクトを支援できると分かりました。彼は業務を拡大して、数部屋くらいの養殖場からフットボール場くらいの養殖場にしたいと考えていましたが、そのような成長は複雑な問題をもたらします。彼は、小規模生産から大量生産への発展のプロセス側で支援を受けることができるパートナネットワークを必要としていました。私たちはこの養殖場の理念を心から支持し、そのビジョンを実現する支援をしたいと思っています」と、マクモロー氏は付け加えました。

2016年に、ブルーテック社(サステナブル・ブルー社の技術部門)は、RBR 3の水処理システムの委託契約をフェアフィールド・コントロール・システムズ社と締結しました。制御技術の選択は簡単でした。フェアフィールド・コントロール・システムズ社は、30年以上にわたるロックウェルオートメーションとの協力関係があり、ロックウェル・オートメーションのPartnerNetworkTMのシルバーSIメンバーです。ブルーテック社もまた、ロックウェル・オートメーションの機器を長年使用してきました。両社ともロックウェル・オートメーションのシステムを熟知しており、標準化されメンテナンスが容易な制御環境を保証するタスクに最適であると確信しています。
 

クリーンでヘルシーな魚の養殖

チームが作った制御ソリューションは、養殖場で重要な役割を果たしています。施設内の各ユニットには、100%再循環式RASが設置され、毎時合計で5,000トンの水を処理しています。このプロセス制御システムは、システムごとに温度、pHレベル、酸素レベル、水圧などの多くの環境変数のクローズドループ制御を提供しています。制御に加えて、システムは履歴データのレポートを提供し、どのような問題でも迅速な応答を確実に受け取るためのアラーム処理ソリューションを備えています。

リー博士は、このインフラのおかげで、自動継続的に養殖場を稼動できる(この業界では独自の機能)と述べています。「魚は環境に非常に敏感です。水槽の温度は魚の成長と活力に最適な帯域に保たれており、抗生物質や成長ホルモンを導入することなく、半分の時間で魚を生産することができます。さらにまた、このシステムはプロセスの全範囲の完全な透明性、可視性、およびトレーサビリティを私たちに提供し、それが最終的に水の純度と魚の味に反映されます。」

このシステムが持つ価値は、単なる生産物の品質を超えて、養殖場の理念を強固にする手段になっています。

リー博士は次のように説明します。「このことは当社の士気の面で非常に役立っています。当社のチームはサステナビリティの問題に情熱を傾けているからです。それはまた、魚の健康と環境への影響に関心があるお客様を当社に引きつけることにも役立っています。つまり、強力なマーケティングプラットフォームでもあるのです。」

スケーラブルで信頼性が高く高品質な魚養殖場の青写真が固まったので、サステナブル・ブルー社はカナダ国内と海外市場の両面で業務を拡大するための対策を講じています。このモデルは、環境を犠牲にしてこの成長は得られないことの根拠を明確に示してします。

「当社の生産物がサステナブルで倫理的であるだけでなく、当社の業務全体をさらに環境に優しくするための対策も講じられています。当社は100%再生可能エネルギーに移行し、新しい施設でもこのモデルを複製する計画を立てています。養殖場がエンドカスタマに近いほど、サプライチェーンは短くなり、それによって鮮度と環境意識が向上します」と、リー博士は付け加えています。

リー博士は、彼が15年近くも追い求めていたビジョンの実現を制御パートナが支援した貢献を高く評価しています。「当社の養殖場はプロセス重視であり、当社の品質の高さにも関わらず、人間は反復や精度を必要とするタスクはあまり得意ではなく、そのことはRASの管理や調節というタスクにも当てはまります。当社の開発が始まったばかりの頃に私たちが必要としていたものがオートメーションであったことは、すぐに明らかになりました。魚たちのための清潔で驚くほど透明な環境を常に維持するために、フェアフィールド・コントロール・システムズ社とロックウェル・オートメーションの専門知識を利用できたことを私たちは大変うれしく思います。」

公開 2023年5月16日

トピック: 食品&飲料 海洋 分散制御システム(DCS) プログラマブルコントローラ ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI) PlantPAx
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