フェーズ2: バッチオートメーション
フェーズ2では、ロックウェル・オートメーションのグローバル・ソリューション・チームは、デュポン社と直接連携してFactoryTalk® Batchソフトウェアを構成してインストールして、完全なレシピ制御とシーケンシャルオートメーションを実現しました。
ギブンズ氏と彼女のチームは、バッチシステムを実装するためのフレームワークを規定するISA S88規格に準拠することを求めていました。これには、ロックウェル・オートメーションが最初に生産設備の物理モデルを構築し、次に自動化生産フェーズの手順モデルを作成する必要がありました。これらのフェーズは、さまざまなレシピに区別なく交換して使用できる「ビルディングブロック」になります。
ギブンズ氏は次のように述べています。「バッチソフトウェア内のフェーズ管理機能によってS88規格に明確に準拠することができました。これにより、かなりの時間を節約できました。チームは、ミキシングや追加などのフェーズを一度設定するだけで済みました。その後、それを複数回再利用できます。レシピごとに新しいコードを作成するよりもはるかに効率的です。」
チームは、サンプリングやレシピレビューなどの手動プロセスにもバッチソフトウェアを活用します。このソフトウェアは、自動フェーズと統合した手動フェーズを提供し、ユーザがこの2つの間をシームレスに操作できるようにします。ギブンズ氏は次のように述べています。「私たちはデュポン全体でこの機能を広く使用しています。コントローラで手動プロセスのコードを書くよりも実装が簡単でスムーズであることがわかります。」
最後に、チームはロックウェル・オートメーションと協力してプラント内の保管タンクの材料を追跡するためのソフトウェアをインストールしました。このソフトウェアは、手作業で行なう在庫追跡を必要とするプラントの紙ベースの記録システムに取ってかわりました。また、自動タンク切換え機能も組み込まれています。
ギブンズ氏は次のように述べています。「以前は、タンクが追加フェーズ中に材料を使い果たした場合、オペレータは追加された材料の量を追跡し、タンクから必要な残量を計算する必要がありました。今では、ソフトウェアが必要な材料の残量を自動的に計算し、タンクを切換え、設定値に達するまで必要な量の材料を追加できるようになりました。」
収益を大幅に向上
新しい自動化システムは、すべて予定されたダウンタイム中に1週間で実装されました。
アップグレードにより、陳腐化していたプラントは、完全にサポートされたプラットフォームになりました。そして、新しいHMIは、従業員を苛立たせていたポップアップとアラーム管理の問題を解決しました。
ロックウェル・オートメーションのプロセスオブジェクトのライブラリにより、設計、構成、および配備時間を短縮できました。実際、ギブンズ氏は、このライブラリがプログラミング構成時間を40%短縮したと推定しています。今日でも、新しいシステムが稼働していると、ライブラリは効率の節約を提供し続けます。
ギブンズ氏は次のように述べています。「ライブラリは、メンテナンスとトラブルシューティングに役立ちます。説明を変更したいときに、エンジニアリングワークステーションやプログラミングソフトウェアを使用する必要はありません。フェースプレートを使用して、HMIで直接変更を行なうことができます。または、バルブが開かない場合、オペレータはフェースプレートを開き、インターロックアイコンを開いて、問題を確認できます。過去には、問題をトラブルシューティングするために、バルブのインターロックを確認したり、紙の文書をふるいにかけたりするために、画面を構成する必要がありました。今では数回クリックするだけでそれが可能になりました。」
一方で、バッチソフトウェアは、プラントが非常に限定された自動化から、自動洗浄プロセスを含む完全なバッチ自動化へと導きました。これにより、プラントはお客様が望む品質管理のレベルを達成できるようになりました。また、ソフトウェアを変更してさまざまな生産ユニット間の調整を改善した後、プラントではスループットが大幅に向上しました。
ギブンズ氏は次のように述べています。「単一ユニットプロセスのかわりに、相互に調整する複数ユニットの連続ができました。これは売り切れた製品の生産を増やすためでした。」
プラントは、プロジェクトをプラントの他のエリアに拡張する作業を行なっています。これには、プラントの旧式のI/Oの置き換え、イーサネットネットワークの導入、および手動プロセスを使用する一部のポータブルタンクの自動化が含まれます。ギブンズ氏は、これにより、プラントがすでに実現しているものに加えて、より多くの効率と生産性を提供することを期待しています。
上記の結果は、デュポン社での配備されたロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。
FactoryTalkおよびPlantPAxは、Rockwell Automation Inc.の商標です。