お客様へのご提案
課題
- Visy社チュマット工場でのワインダーの制御とドライブシステムのアップグレードを設計、試運転、および設置
ソリューション
- FEED調査は、ワインダーのアップグレードのエンジニアリング要件を決定するのに役立った。
- Allen-Bradley®のPowerFlex® 755TMドライブシステム - 小さい設置面積にモータリングと回生機能を装備
- Allen-Bradley®のGuardLogix®システム - 制御および安全要件を提供
- FactoryTalk® View - ワインダーのHMI要件WindProを使用するFactoryTalk® Viewソフトウェアによってもたらされた。
- 安全デバイスはカテゴリ3, Pldにアップグレードされた。
結果
- 手間のかからない試運転 - 試運転は計画的なシャットダウンの中で問題なく実施されました。抄紙機で製造された最初のロールは販売可能な品質でした。
- ローカルサービスとサポート - リモートアクセスはトラブルシューティングに役立ちます。必要に応じてローカルサービスとサポートを利用できます。
Visy社は、包装、製紙、資源回収業界のグローバルリーダであり、高品質で革新的でサステナブル(持続可能)な包装製品とソリューションを提供しています。
同社はオーストラリアで60年以上にわたり包装業界における革新をリードしており、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、ベトナムに120を超える拠点を持ち、アジア、ヨーロッパ、アメリカに貿易事務所を構えています。
サステナビリティはVisy社のビジネスの柱です。同社が製造する製品から資源回収サイクルとビジネスにいたるまで、従業員をより安全にし、地域社会をより健康にし、お客様の収益性を高めます。
環境への影響を制限することは、Visy社の重要な使命の1つです。彼らは製品の全寿命、構想から他の何かにリサイクルされるまでの責任を負っています。
Visy社のニュー・サウス・ウェールズ州チュマットにあるパルプおよび製紙工場は、オーストラリア最大のパルプ・製紙工場であり、サステナブルなクラフト紙の製造と環境性能に新しい規格を設定し、国内と海外市場向けに高品質なクラフト紙を生産しています。
チュマット工場では、毎年200万トンのプランテーション由来の木材が処理されています。つまり、木材トラックが毎日5分ごとに現場に到着します。この施設はオーストラリア最大のコンテナ製品の輸出業者の1つで、再生可能エネルギーの生成施設を備えており、プラントのエネルギー需要の半分を生み出しています。Visy社チュマット工場は、すべての工場廃水を農場の灌漑に再利用するクローズドループ水システムも運用しています。
2017-18年度に、Visy社チュマット工場のPaper Machines 9 (PM9)と10 (PM10)は、681,000トンを超える無漂白クラフト紙を生産しました。
常に未来に目を向けている会社として、Visy社は、ダウンタイムの可能性を回避すると同時に、チュマット工場を将来においても有効であるようにするために、抄紙機の下流のPM9ワインダーの旧式ドライブ制御機器を積極的にアップグレードしました。
計画および設計
Visy社は、プロジェクトの計画および設計段階を実施するためにロックウェル・オートメーションと契約しました。
ロックウェル・オートメーションのシニア・プロジェクト・エンジニアであるマシュー・バレットは次のように説明しています。「プロジェクトの最初のステップは、フロント・エンド・エンジニアリング&設計(FEED)調査を実施することでした。このプロセスの一環として、私たちはVisy社と緊密に協力し、ワインダーのアップグレードに関するエンジニアリング要件を詳細に理解しました。FEEDが完了すると、詳細な提案が準備され、アップグレードが開始されました。」
Visy社チュマット工場は段ボール箱用の高品質なライナーボード紙を生産しています。Paper Machine 9は、直径3.2m、幅約5.5mの「ジャンボロール」を生産しています。次に、このジャンボロールはワインダーに移動します。ワインダーは、お客様の要件に合わせて紙を小さなロールにカットし、簡単に出荷できるようにします。ワインダーから出てくる各ロールは、特定の張力プロファイルで巻き取られ、崩壊や伸縮を防ぎます。
最新のドライブ技術
ドライブシステムの動作要件は非常に厳しく、ロールの直径が変化しているときでも、重いロールを素早く加速・減速することができ、最大2500m/minのウェブ張力と生産速度を維持できなければなりません。
一貫したロール品質を実現するには、ワインダーシステム全体を安定させることが不可欠です。張力変動がロール構造に影響しないように、ドライブと制御システムの設定を微調整する必要があります。これを達成するには、ワインダーのドライブの調整が重要でした。「すべてのドライブが協調していない場合、ワインダーは効果的に動作できません」と、バレットは説明しました。
ロックウェル・オートメーションの最新世代のドライブであるAllen-Bradley®のPowerFlex® 755TMドライブシステムは、このアプリケーションに最高の選択肢でした。これらのドライブは、エネルギーコストの削減、柔軟性の追加、生産性の向上を支援する高調波の軽減、回生、およびコモン・バス・ソリューションを提供するように設計されています。
協調ドライブシステムは、バスのエネルギーを共有できるためエネルギー消費を削減し、一部のドライブは他が回生しているときにモータリングします。ドライブは旧式のシステムよりも設置面積が小さいですが、システムを収納するのに必要なスペースを削減することができました。
制御要件はAllen-BradleyのGuardLogix®コントローラによって提供され、すべての安全デバイスはカテゴリ3, Pldにアップグレードされました。GuardLogixシステムが設置されているため、さらなる安全のアップグレードが簡単に実現できます。EtherNet/IP™はコントローラとドライブ間にセキュアな通信を提供します。
ワインダーのHMI要件は、FactoryTalk® Viewソフトウェアによってもたらされます。WindProソリューションは、製紙メーカがペーパーロールの密度をモニタおよび制御でき、、しわや裂け目などの品質不良を防ぐことができるように、ロックウェル・オートメーションによって設計されました。これは、レシピ管理、ロールデータ、ワインダーへの一般的なオペレータインターフェイス、フォルト、アラーム、およびトレンディングを含む、リアルタイムのワインダー制御およびモニタを提供します。
バレットは次のように説明しました。「これは、新しいPowerFlex 755TMドライブを使用した世界で最初のアプリケーションの1つであったため、ドライブの技術的な側面について米国の製品の専門家と緊密に協力しました。」
「新しいシステムの試運転には限られた時間しかなかったため、工場受け入れテスト(FAT)を実施して、マシンの完全なシミュレーションを提供しました。これにより、Visy社が動作中のドライブシステムを確認できるようになり、すべての機能を実行してVisy社の要件を満たしていることを確認できました」と、彼は言いました。
システムの設置と試運転は、プラントの毎年の停止中に実施され、重大な問題はありませんでした。実際、ワインダーによって製造された最初のロールは販売可能な品質でした。
ローカルサービスとサポートによるリモートアクセス
バレットは次のように述べています。「新しいワインダーのドライブシステムはうまく機能しており、ドライブシステムの問題によるダウンタイムはありませんでした。システムにリモートアクセスできるため、必要に応じてトラブルシューティングを行なうことができます。」
ロックウェル・オートメーションのローカルサービスとサポートのおかげで、Visy社チュマット工場のPaper Machine 9は、オーストラリアと世界のために高品質なクラフト紙を生産し続けることができます。
Visy社チュマット工場のプロジェクトマネージャであるサンティアゴ・ヴァルガス氏は次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションのテクニカルサポートは素晴らしいものでした。ワインダー用の新しい制御とドライブシステムは非常にうまく機能しており、システムへのリモートアクセスによりロックウェル・オートメーションは必要に応じてサポートを提供し続けることができます。プロジェクトはVisy社にとって成功であり、私たちはロックウェル・オートメーションのチームを非常に信頼しています。」
Allen-Bradley, FactoryTalk, GuardLogix, PowerFlex, Rockwell Automation, およびRockwell Softwareは、Rockwell Automation, Inc.の商標です。
EtherNet/IPは、ODVA, Inc.の商標です。
公開 2019/01/18