自動車メーカが組立搬送システムの性能を改善するには
リニアモータ技術に基づいた独立式カートコンベアの進歩により、運搬性能が大幅に向上しています。
それはなぜでしょう? リニアモータ技術により、コンベアモジュールを端から端まで構成することで、従来のシステムよりもはるかに速くキャリアを推進する電磁力を生み出せるようになったからです。また、リニアモータには接触部品や摩耗部品がないため、メンテナンスが最小限で済みます。
しかし、リニアモータは変革の一部に過ぎません。インテリジェントなモーションコントロールこそ、生産性、柔軟性、そしてサステナビリティの向上に不可欠です。
自動車産業向けの世界的なオートメーション・システム・サプライヤであるクーカ・システムズ社から発表されている、PULSE carrier conveyanceシステムを例にとってみましょう。 自動車の車体組立ライン用に設計されたコンベアには、ロックウェル・オートメーションが開発するマグネモーションのリニア同期モータ技術が活用されています。
内蔵型位置センサと制御ソフトウェアを使用することで、トラック上の各キャリアの個別制御を実現しています。加速、減速、速度、および位置はプログラム可能です。固定された速度で移動するかわりに、プロセス手順が完了すると車体セクションがロボットワークステーション内を素早く進んでいきます。
この結果、従来の摩擦による搬送システムよりもエネルギー効率に優れ、30%も高速化されたソリューションである、「ピッチレス」システムが実現しました。さらに、高速化によって産業用ロボットやその他のプロセス機器の可用性が高まり、システム全体の設置面積が従来システムよりも大幅に削減されました。
また、システムを詳細に設定できるため、複数のモデルタイプを扱えるようになり、モジュール設計によってコスト効率よく拡張することが可能になりました。
独立式カート技術が工場やその他の自動車産業アプリケーションをどのように変革しているかをご紹介します。