実際に、上流リアクタでのシングルバッチの生産に必要とされる手動操作は、使い捨てビニール袋の挿入から正しい機器、栄養素、チューブなどが所定の場所にあることの確認にいたるまでの、800~900にも上ります。しかも、セットアップのどの時点でエラーが発生しても、バッチが失敗する原因となります。
オートメーションシステムをさまざまな方法で使用することによって、エラーの可能性を最小限に抑え、検証メソッドを改善するのを支援できます。例えば、自動機器認識および検証システムを制御プラットフォームに組み込んで、機器の配置を追跡し確認することができます。
また、制御システムに視覚的な支援を組み込めば、プロセスステップ内でオペレータは指示を参照でき、紙ベースの取扱説明書に対して大幅に作業効率を改善できます。
どのように機能するのか?
オペレータが、転送パネルでポイント1とポイント4を接続する必要があるとします。これらのポイントは、該当するチューブの接続に沿って電子インターフェイス上に点灯します。
ビジュアルガイダンスのほかに、システムは検証まで行なうことができます。例えば、原料や機器を追跡するために、シリアル番号の入力やバーコードのスキャンをオペレータに指示でき、入力やスキャンデータはバッチレコードに自動的に記録されます。
その上、オートメーションおよび情報技術の発達のおかげで、製造メーカは多額のインフラ投資や複数のインターフェイス端末なしで、一貫した視覚化を実現できます。
最新のシンクライアント技術を使用して、作業員はタブレットで必要な操作を実行できます。さらに、位置検出機能がモビリティをサポートし、また、オペレータが特定の作業を行なうための正しい場所にいることを確認することで、セキュリティを維持するのを支援します。QRコード、Bluetoothビーコン、Wi-Fi、GPSなどの位置レゾルバが、モバイルユーザおよびデバイスが認可されたエリアでのみ内容を受信していることを確認します。
施設全体で統合と一貫性を実現するための最良の方法は?
根本的には、単一用途施設は複数の機器ベンダーが提供する複数のプロセススキッドで構成されています。通常、制御プラットフォームとソフトウェアセットはサプライヤごとに異なっています。さらに、特定の機械装置メーカ(OEM)内部でも、機器のタイプが異なると、使用される制御システムも異なることがあります。
その結果として生じた「オートメーションの島々」が、工場全体での一貫したオペレーション、保守、エンジニアリングの大きな障害となっています。オペレータはすべてのシステムを学習しなければならず、また、多くの場合、複数のスペアおよびサービス契約を維持する必要があります。
その上、一貫したデータフローがないため、データの整合性とコンプライアンスに問題が生じる可能性があります。
道は未来に続いているか? バイオテクノロジ企業とそれに協力する機械装置メーカ(OEM)は次第に、一貫した構造、および一貫したソフトウェアセットを実現する最新の分散制御システムに基づいた統合へのアプローチを探るようになっています。この拡張性に富んだ情報対応アプローチは、比類のない接続性と柔軟性を約束します。
多くの点で、バイオテクノロジ企業の将来の展望は今までにないほど明るくなっています。単一用途施設と生物製剤の製造に習熟したオートメーションコンサルタントが、お客様の新しい施設を真に未来を見据えたものにするための戦略を決定するお手伝いをします。