お客様へのご提案
製造メーカは日々無数の選択に直面していますが、どのような行動が生産性向上を導くかが明確でないために意思決定が困難になることがあります。コネクテッドエンタープライズの構築はこの状況を打開します。生産ワークフローの改革、市場を揺るがす新製品の開発、新興市場への参入、新しいサプライヤの選定など、これまで是非が不明瞭だった選択に明確な判断基準が与えられるのです。
ロックウェル・オートメーションが提唱する効果検証済みのコネクテッドエンタープライズの成熟モデルを活用してコネクテッドエンタープライズを構築すれば、継続的な投資利益を獲得できます。御社が5つのステージを経て成熟するにつれ、経済的メリットも増大します。
1.評価 — コネクテッドエンタープライズの成熟モデルの第1段階。正確なリアルタイムの情報を活用するためのプロセスやアーキテクチャの変更に対し、自社の準備がどの程度整っているかを見極めます。その過程で、テクノロジ、プロセス、人材の安全な統合に向けた戦略が確立されるでしょう。高リスクのセキュリティホールや重要な業績評価指標(エネルギーの浪費、品質上の問題、マシンのダウンタイムなど)に対するモニタ能力不足といったインフラ基盤の問題点が速やかに表面化することも金銭的メリットにつながります。例えば自動車業界における1分間のダウンタイムは、何万ドルものコストを意味します。御社ではダウンタイムによるコストが毎年どの程度生じていますか。
2.セキュアなネットワークと制御システム、およびそのアップグレード — この段階では、運用技術/情報技術(OT/IT)のバックボーンを構築し、改善を重ねます。制御システムやセンサ、インフラ基盤のアップグレードには確かに多大なコストがかかりますが、その結果ビジネスプロセスやワークフローが改善されれば、損失をはるかに上回るコスト削減が実現します。例えばスクラップや補修作業のコストはプラントの売上の5.4% (製造メーカ平均)ですが、上位4分の1の企業においては、わずか1%にとどまっています。[i] 賢明な選択こそが御社の発展を導くのです。
3.運転データ資本(WDC)の定義と体系化 — このステージ3では、新たに取得したデータの価値を引き出して活用するため、新しいワークフローやスケジュール、職務内容の枠組みにおける状況にあった情報を提供するにはどうすればよいかを見極めます。その影響力は計り知れません。適切な情報への効果的なアクセスが可能になれば、経営陣は長い間未達のままだったワークフローの大幅な変更(ライン変更、生産スケジューリング、従業員の配置など)に着手でき、エネルギーコストの削減や機器寿命の延長、メンテナンスコストの削減、生産性の向上といった経済的メリットを享受できます。2006年にエネルギー省(DOE)が実施した省エネ評価(ESA)の最初の200例を見ると、年間計52兆Btuの天然ガス消費量削減の機会が示されており、これは年間4億8500万ドル近くのエネルギーコスト削減の可能性を意味しています。[ii]
4.分析:現場レベルでは、リアルタイムの情報を最も切実に必要としている領域(持続的な問題など)を特定したり、問題発生時に情報を受領しこれに基づいて対処する人員を指定したり、その人員が必要な措置について的確な意思決定を下すための標準化された業務手順やプロトコルを確立する際にこの分析が役立ちます。また、上級幹部レベルで見れば、分析結果を活用して、業務の評価および最適化、設備投資の低減による大幅かつ長期的なコスト削減を果たすことができます。実際、ロックウェル・オートメーションでは、生産能力の有効活用と当社のプラントネットワーク全体のスケジューリングだけで、設備投資の低減による年間約30%のコスト削減を達成しました。
5.コラボレーション:ロックウェル・オートメーションのコネクテッドエンタープライズの成熟モデルでは、社内の機器やネットワークの相互通信により、外部にも目を向けることができます。全社、そしてサプライチェーン全体における動き(市場の動向、政治的な出来事から天候パターンまで)を予測し、好ましくない事象による損失を最小限に抑えるとともに新たな機会を活用して、サプライチェーンの末端およびエンドユーザを含めたあらゆる活動の調和を図ります。例えば新製品の市場投入までのスピードは、多くの場合、サプライヤが新しいコンポーネントや材料、成分、工具をどの程度迅速に提供してくれるかにかかっています。サプライチェーンの構成員全員が機会を認識できるようになれば、製品発売までの期間を数か月単位で短縮できます。オーク・ストーン・パートナーズ社の見解によれば、発売の遅延による推定コストは製品の正味現在価値の35%に上ります。[iii]
コネクテッドエンタープライズの確立は、生産そのものやネットワークセキュリティ、資産管理、サプライチェーンにおけるコラボレーションなど、あらゆる要素の改善とコスト削減をもたらし、その成果は時間の経過とともに一層拡大します。努力する価値があることは間違いないのですから、決断をためらう理由はありません。あとは一歩踏み出すだけです。
公開 2014/11/03