適切なHMIでアラームと生産の問題を把握

機械コンポーネントに障害が発生したり、動作条件が変化し始めたりすると、作業者が何か問題があることを示す最初の兆候は、HMIのアラームであることがよくあります。アラームの正確性、検出可能性、情報量などの要因は、作業者がアラームを確認して対応する速度に直接影響する可能性があります。

そのため、多くの産業生産者が最新のHMIソフトウェアの使用に移行しています。
生産システムと統合された最新のHMIソフトウェアは、過去のHMIソフトウェアよりも詳細で効果的なアラーム情報を提供できるため、作業者は重大な状況をより確実に把握できます。このソフトウェアを使用すると、アラームコマンドやアラームへのモバイルアクセスなどの高度な機能を利用できるため、作業者は問題をより迅速に特定して解決できます。

最新式のHMIソフトウェアを使用すると、次の3つの主要な方法でアラームへのアプローチを改善できます。

1. 速度と精度の向上
   従来のタグベースのアラームは、コントローラ内のデータポイントをモニタして状態の変化を探し、情報をアラームマネージャとアラームログにルーティングします。このアプローチは効果的ですが、いくつかの欠点があります。
   
   例えば、アラームタグは、コントローラとHMIの両方で設定する必要があります。アラームのタイムスタンプも、アラームが発生した直後ではなく、ポーリングと処理の後にHMIによって適用されるため、遅延します。
   
   最新式のHMIソフトウェアには、デバイスベースのアラームという2番目のオプションがあります。これらのアラームはコントローラで検出および管理されます。つまり、アラームのタイムスタンプは、アラームがHMIサーバに到達するまで遅延するのではなく、すぐに適用されます。このため、アラーム状態をより迅速に検出し、作業者により正確なアラーム情報を提供できます。
   
   
2. 改善された通知
   最新式のHMIソフトウェアは、最新のオペレーションの接続された性質を利用しています。つまり、アラームがいつ発生するかを知るために、作業者が画面の前に立つ必要がなくなります。かわりに、電子メール、テキストメッセージ、またはスマートフォンのアラートによってリモートで通知できます。
   
   このソフトウェアを使用すると、作業者がアラームに応答していないときや状態が悪化したときなど、アラーム通知を他の人にエスカレーションすることもできます。
   
   例えば、タンクが許容スレッショルド(閾値)である80度を超えると、オペレータは従来のHMIアラートとスマートフォンへのテキストメッセージの両方で通知を受けることができます。その温度が緊急のスレッショルドである90度まで上昇した場合は、テキストメッセージをプラントマネージャとメンテナンスチームに送信することもできます。また、温度が100度の臨界スレッショルドに達すると、緊急モニタシステムをトリガしてプラントの避難を開始できます。
   
   
3. より迅速な問題解決
   生産中に問題が発生した場合、最後にしたいことは、何が起こったのかを知る手がかりを探すことに時間を費やすことです。
   
   最新式のHMIソフトウェアは、関連するタグを使用して、プロセスデータとイベント情報およびアラームメッセージを含めることができます。そのため、アラームがトリガされると、生産担当者は、アラームが発生したときのシステムの動作環境を説明する情報を自動的に受取ることができます。

よりスマートで高速なアラーム応答

作業者にHMIアラームが通知されるのが早ければ早いほど、収益を損なう可能性のある生産上の問題に迅速に対応して回復することができます。