お客様へのご提案
製造業では常に、これ以上生産時間を増やさずにスループットを向上させる方法を見出すという課題があります。
そのひとつとして、柔軟性と適応性に優れた「 スマート」デバイス(中央処理装置に依存せずそれ自体が決定を下し、ローカルで素早く単純な制御機能を実行できるデバイス)を制御システムアーキテクチャに組み込むという方法があります。
例えば、楽しかった週末の思い出をデジタルカメラに捉えたとします。その場合、これまでは次の作業が必要でした。
- 画像ファイルをコンピュータにダウンロード
- ダウンロードしたファイルを近くの写真店にインターネット経由で送信
- 数時間後(または翌日)に写真が処理される
- 出来上がった写真を店頭で受取り家に持って帰る
つまり通常は、デジタル画像ファイルから開始すると写真が出来上がるまで数日かかるというわけです。
ところが、「スマート」プリンタなどといった最新の技術を利用すれば、カメラを直接接続して設定を少し調節するだけで数分後には画像ファイルが処理されて高解像の写真が出来上がります。
インターネットでファイルを送り処理が終わるまで待つ必要もなければ、写真店まで足を運ぶ必要もないのです。それどころか、閉店していたから受取れなかったということもないのです。
この写真の例と同じように、産業過程を遅らせスループットが減少するような問題をDeviceLogix技術を利用すれば解決することができます。例えば、中央コントローラがフル稼動しており処理に時間がかかるという問題や、中央コントローラの接続が切れたためプロセス全体が停止するなどといった問題を避けることができるのです。
パッケージがコンベアの上を流れていくというような、よくある産業アプリケーションを見てみると、入力装置の一種であるバーコードスキャナがあるのがわかります。
コンベアのモータを制御するデバイス(ソフトスタータ)にこのスキャナで読取られたデータが送信されます。そしてこの入力データはデバイスで処理され、通信ネットワークを通って中央プログラマブル・ロジック・コントローラに送られます。
データがPLCで受信されると、ロジックが実行されます。そのときPLCでは同時に入力データのスキャンと出力データの更新も実行します。PLCがフル稼働している場合は、PLCでの処理時間が大幅に増加します。
その後、PLCで更新された出力データが通信ネットワークを通ってデバイスに送り返され、デバイスで何らかのアクション(コンベアを10フィート動かすなど)が実行されます。
この「デバイス」がDevicelogixに対応している場合は、入力から出力まですべての処理作業がローカルで行なわれます。DeviceLogixとは、押しボタンステーションや負荷リレー、モータスタータ、ドライブなど一部のAllen-Bradleyのデバイスに組み込まれた、プラットフォームに依存しないロジックエンジンのことで、これらをまとめて「スマート」デバイスと総称します。
では、「ローカル制御」にはどのような利点があるのでしょうか。
この種のオンボード・ロジック・エンジンは1つのデバイス内で入力処理から出力制御、状態情報の管理まですべてをローカルで実行します。そのため、データが通信ネットワークを通り中央処理装置との間を行き来する必要がないのです。必然的にシステムの応答時間が90%近くも向上します。こうして作動時間が短かくなれば、応答時間に厳しい制限があるアプリケーションで重宝するというわけです。
時間制限の厳しいアプリケーションで制御システムのパフォーマンス向上をお求めなら、DeviceLogix™技術を搭載したスマートデバイスの利用をご提案します。
公開 2016/05/30