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OTパッチ管理: ステップ・バイ・ステップのガイド

可視性の向上、リスクの軽減、そしてレジリエンスの構築を支援するために設計されたこの包括的なガイドで、OTパッチ適用の複雑さを克服しましょう。

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Engineer on a industrial plant floor holding a laptop requiring patch management solutions

OTパッチ適用成功のためのガイド

制御技術(OT)と産業用制御システム(ICS)環境では、システムのセキュリティ維持に特有の課題が生じます。特殊な機器、限られたリソース、そして厳格なコンプライアンス要件により、システムにパッチが適用されず、組織が脆弱な状態に陥るケースが少なくありません。

こうした複雑な問題に対処するため、私たちは合理化されたエンド・ツー・エンドのパッチ管理プロセスを開発しました。

このブログ記事では、以下の内容を取り上げます。

  • OTパッチ管理とは?
  • OTパッチ適用の課題
  • OTパッチ管理: 6ステップのワークフロー

この記事を読み終える頃には、OTパッチ管理特有の複雑さを理解し、パッチ適用を簡素化する実証済みのエンド・ツー・エンドのソリューションについて学び、OT環境のセキュリティを確保するためのベストプラクティスを実装できるようになります。

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OTパッチ管理とは?

OTパッチ管理とは、制御技術(OT)と産業用制御システム(ICS)のソフトウェアアップデート(パッチ)を特定、調達、テスト、実施、文書化するプロセスです。

OTパッチ管理の主な目標は次の通りです。

  • セキュリティ脆弱性の解消: パッチは、攻撃者に悪用される可能性のある弱点を修正します。
  • システム機能の向上: アップデートは、多くの場合、バグを解決したり、パフォーマンスを向上させたりします。
  • 規制コンプライアンスの遵守: 多くの業界では、重要なシステムへのパッチ適用に関する規格が定められています(例: 電力会社向けのNERC CIP (North American Electric Reliability Corporation Critical Infrastructure Protection: 北米電力信頼度協議会(NERC)が定める電力会社などに対する強制的なサイバーセキュリティ基準))。
     

OTパッチ適用の課題

パッチ適用は一見簡単そうに見えますが、実際にはOT環境にとって大きな課題となります。電力会社などの業界では、規制遵守に関して最も時間と労力を要する作業となることがよくあります。

なぜOTパッチ管理はそれほど難しいのでしょうか? 主な要因を以下にまとめました。

可視性のギャップ
従来のツールでは、OTシステムの自動インベントリと監視は多くの場合不可能です。つまり、パッチ適用が必要な箇所を正確に把握できないということです。

パッチの過負荷
多岐にわたる特殊なシステムやアプリケーションのパッチの追跡と入手は、物流上の悪夢となります。異なるベンダーの複数のバージョンのPLC (プログラマブル・ロジック・コントローラ)のパッチを追跡し、それぞれ独自の更新サイクルを設定したり、何年も更新されておらず、元のメーカがもはや存在しない可能性のある旧式のシステムを扱ったりすると、セキュリティチームが常に変化するターゲットを追いかけ、異なるパッチのソースとバージョンを調整しようとする状況が発生します。

専門知識
パッチのレビュー、承認、そして実施には、意図しない結果を回避するために、OTに関する深い知識が求められることがよくあります。一般的なITパッチ管理者は、PLC、DCS (分散制御システム)、またはSCADA (監視制御データ収集)ソフトウェアといった特定のシステムを理解していない可能性があります。そのため、特定の業界では、継続的な稼働時間確保のために、習得に時間がかかる場合があります。

テストの制約
重要なシステムの混乱を防ぐには、綿密なパッチテストが不可欠ですが、専用のテスト環境が存在しない場合があります。

導入のハードル
パッチは、多くの場合、個別のスケジュールに基づいて、多様なデバイスに慎重に実施する必要があります。

コンプライアンスでの間接的なコスト
すべての変更を文書化し、規制への準拠を確実にすることは、複雑さをさらに増します。NERC CIP規格に加えて、OT環境では、個人データを処理する場合はGDPR (General Data Protection Regulation: EU一般データ保護規則)などの規制や、産業オートメーションおよび制御システムのセキュリティに重点を置くISA/IEC 62443などの業界固有の規格にも準拠する必要がある場合があります。

製造現場では、ISO 27001によって詳細な監査証跡、バージョン管理、厳格な変更管理が不可欠となり、OTセキュリティチームに大きな管理上の負担が加わります。

ダウンタイムの制限
発電所や水処理施設などの重要インフラは、多くの場合、年中無休24時間体制で稼働しています。パッチ適用のためのダウンタイムのスケジュール設定は非常に困難です。たとえ短時間の中断であっても、重大な影響を及ぼす可能性があるため、綿密な計画と運用チームとの調整が必要です。例えば、需要のピーク時にパイプラインを制御するシステムにパッチを適用することは、到底不可能です。

これらの課題により、従来のITパッチ管理手法はOT環境では不十分です。これに対処するため、6段階のエンド・ツー・エンドのパッチ適用プロセスを開発しました。ロックウェル・オートメーション傘下のVerveとロックウェル・オートメーションが提供するマネージドサービスは、これらの課題を克服するためのツールと専門知識を提供します。この統合ソリューションは、プロセスを簡素化し、時間を節約し、精度を向上させ、システムの効果的な監視とコンプライアンスの維持を支援します。

OTパッチ管理: 6ステップのワークフロー

OTの複雑さを克服するために、合理化された6ステップのパッチ管理ワークフローを開発しました。ロックウェル・オートメーション傘下のVerveソフトウェアとロックウェル・オートメーションが提供するマネージドサービス (リモートまたはオンサイト)は、パッチ適用に必要な時間と労力を大幅に削減します。この統合アプローチは、パッチ適用を簡素化し、品質を向上させ、コンプライアンス遵守の維持に役立ちます。

ステップ1: OT資産インベントリのベースラインを確立

堅牢なOT資産インベントリは、効果的なパッチ管理の基盤となります。資産、場所、インストール済みソフトウェアの特定を支援します。多くの組織は、特にOT環境でよく見られるWindows以外のシステムについては、この作業に苦労しています。

ロックウェル・オートメーション傘下のVerveは、エージェントベースのツールと独自のエージェントレス・デバイス・インターフェイス(ADI)を組み合わせることで、100%の可視性を実現します。この包括的なアプローチは、困難なOT環境でも機能します。費用対効果の高いソフトウェアベースのソリューションは、追加のハードウェアを必要としません。

完全かつ正確なOT資産インベントリを構築することで、あらゆる潜在的な侵入ポイントを直接特定し、攻撃対象領域を削減できます。このきめ細かな可視性により、組織はリスクの優先順位付けと対処を効果的に行ない、先を見越した脆弱性管理を実践できます。

ステップ2: 脆弱性を特定し、パッチを適用

パッチが適用されていない脆弱性は、OTシステムをサイバー攻撃の脅威にさらし、壊滅的な被害をもたらす可能性があります。

当社のソリューションは、OT環境に合わせた継続的な脆弱性スキャンと、既知の対策を組み込んだ厳選されたアップデートリストを提供することで、こうしたリスクを軽減します。これにより、組織は脆弱性を積極的に管理し、アップデートの優先順位を決定し、運用の継続性を維持できます。

ステップ3: 適切な資産にパッチを適用

パッチ適用における大きな課題は、どの資産にどの特定のアップデートが必要かを把握することです。利用可能なパッチのリストを集めるのは簡単ですが、それらをOTネットワーク内の適切なデバイスにマッチングさせるのは、時間のかかる悪夢のような作業になりかねません。

私たちは自動フィルタによってこの問題を解決します。特定のパッチの適用対象となる資産を指定するだけで、それに応じて分類します。この分類は、オペレーティングシステム、NERC CIPの重要度、その他お客様にとって重要な属性など、あらゆるデバイス特性に基づいて行なうことができます。

この強力なフィルタ機能により、膨大な時間を節約し、どのパッチがどのシステムに適用されているかを迅速に判断できます。また、パッチと資産の正確なマッチングにより、組織の重要なシステムに必要なアップデートが迅速に適用され、脆弱性の期間が短縮され、悪用されるリスクも低減されます。

ステップ4: パッチのレビュー、承認、および管理

従来のパッチ管理では、複数のツールと分断されたプロセスが使用されることがよくあります。ロックウェル・オートメーション傘下のVerveは、承認とアクションをVSC (Visual Studio Code)に直接統合することで、これを効率化します。

ユーザはVSC内で承認済みパッチと未承認パッチのベースラインを作成でき、これらのベースラインには特定のベンダーの承認を反映させることもできます。ダッシュボードには承認済みパッチのみが自動的にフィルタされるため、実施可能なアップデートを手作業で追跡する必要がなくなります。必要な数のベースラインを作成できるため、パッチを柔軟に管理できます。VSCのパッチ承認・管理を一元化することで、管理された監査可能なプロセスが構築され、不正または不適切なパッチの実施リスクが軽減されます。これにより、コンプライアンスへの取り組みが効率化され、セキュリティ体制全体が強化されます。

ステップ5: パッチのテストと実施

徹底的なパッチテストは不可欠ですが、OT環境では時間的な制約から難しい場合が多くあります。ロックウェル・オートメーション傘下のVerveは、パッチが正規のベンダー承認済みであることの確認を支援します。

コンソールから直接、プログラムによってサポート対象デバイス(Windows/Unix/Linux)にパッチを実施できます。初期テストでは、リスクの低い少数の資産にのみ実施をスケジュールします。問題が発生した場合は、更新は自動的に前の状態に戻されます(ロールバックされます)。より広範な実施は、都合に合わせてスケジュールできます。これにより、組織にとって重要なセーフティネットも確保できます。

追加の制御機能には、再起動オプション、デバイス上のメッセージ、再試行設定などがあります(注: 自動実施は、管理された状況でのみ推奨されます)。

自動パッチ適用が不可能なデバイスの場合、経験豊富なエンジニアがオンサイトでパッチ実施を行ないます。OT機器に関する豊富な知識とテスト経験により、スムーズな実施プロセスを実現します。多くのお客様は、承認済みパッチの実施を当社に委託することで、スタッフをコア業務に集中させることができると実感しています。

当社の制御された導入およびロールバック手順により、ダウンタイムが短縮され、中断が軽減され、システムの不安定性が長期間続くのを防ぐことができます。

ステップ6: 文書化コンプライアンス

パッチ適用前後のシステム変更を文書化することは、面倒ながらもコンプライアンス上不可欠な作業です。ロックウェル・オートメーション傘下のVerveは、このプロセスを自動化することで、時間を節約し、精度を向上させます。

エージェントベースのシステムでは、変更はすべて即座にフラグ付けされます。当社のエージェントレス・デバイス・インターフェイスは、リレーやPLCなど監視が難しいデバイスも含め、OTネットワークの大部分に対して同様の機能を提供します。更新後にベースラインレポートを簡単に実行し、すべてのパッチが正しく適用されていることを確認できます。

当社のソリューションは、パッチ適用とシステム変更の明確な監査証跡を提供することで、レポート作成を簡素化し、セキュリティ対策が適切に文書化され、監査可能な状態を実現します。

最後に、当社のサービスチームが、これらのベースライン変更を収集し、規制ワークフローとサイバーセキュリティ報告に直接統合するお手伝いをいたします。これにより、手作業によるデータ入力が不要になり、コンプライアンスへの対応が維持されます。

OT/ICSパッチ管理の簡素化: ロックウェル・オートメーション傘下のVerve

OTパッチ管理は一見シンプルに見えますが、これらの環境特有の複雑さにより、非常に困難な作業となります。適切なツールがなければ、パッチ適用は手間がかかり、エラーが発生しやすく、大きなセキュリティリスクにつながります。これは、システムの信頼性と規制遵守の両方を脅かします。

そのため、私たちは包括的なエンド・ツー・エンドのパッチ管理ソリューションを開発しました。革新的なテクノロジと専門サービスにより、プロセスのあらゆるステップを効率化します。脆弱性の特定からパッチの適用、文書化まで、手作業を排除し、精度を向上させます。

その結果、パッチ適用時間の短縮、サイバーセキュリティの向上、そしてコンプライアンスの容易化が実現します。当社の柔軟で拡張性に優れたソリューションは、規模や複雑さを問わず、お客様固有のOT環境に適応します。

パッチ適用を簡素化する準備はできましたか?

パッチ管理を合理化し、リスクを低減し、監査に対応するため当社がどのようなお手伝いができるか、当社までお問い合わせください。

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公開 2025年4月29日

トピック: Build Resilience
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