ショバンは2021年にアジア太平洋地域のチャネルディレクターとしてロックウェル・オートメーションに入社して以来、付加価値販売代理店、専門代理店、正規再販業者と協働する同社のチャネル戦略をリードする重要な役割を担ってきました。Fiix®の買収後、同地域でFiix®パートナ・パイロット・プログラムとインフォメーションソフトウェア付加価値再販業者プログラムを実施しています。シンガポールを拠点としています。
1. アジア太平洋地域の産業オートメーションサービス市場は2027年までに743億5,000万米ドルに達すると予測され、シンガポールが東南アジア市場を支配しています。企業が取り組むべきメリットとギャップとは何ですか?
ロックウェル・オートメーションは5月にクアラルンプールで年次パートナネットワーク会議を開催しました。この会議では、業界のリーダたちが一堂に会し、新たなトレンドをどのようにビジネスにつなげ、共同顧客のためのソリューションを構築し、活性化させることができるかを議論しました。西はインドから東は日本、南はニュージーランドまで、さまざまな国のパートナが参加しました。明らかになったのは、製造業のスマート化がもたらすメリットと課題は、この地域全体で驚くほど似通っているということでした。
このことは、ロックウェル・オートメーションの第8回「スマートマニュファクチャリング報告書」でも裏付けられており、企業がナビゲートしなければならない多くのメリットとギャップを強調しています。企業は、産業用オートメーションサービスを利用することで、よりサステナブル(持続可能)で、より効率的で、より生産的になることができます。当社の報告書によると、29%はスマートマニュファクチャリングが市場の変革に対応し、パンデミックの長引く影響を緩和するのに役立っていると考えています。
プロセスが合理化されることで、人的ミスが減り、全体的な生産高が向上します。また、人件費の削減やリソースの最適利用により、コスト削減も実現します。さらに、オートメーションサービスは、標準化された生産工程により、より安定した製品品質を促進できます。このような利点は証明されていますが、多くの企業が導入に際して課題に直面しています。
報告書によると、企業の48%がスマートマニュファクチャリングのイニシアチブを管理するスキルの不足を採用の最大の障壁として報告し、46%が新技術に対する従業員の抵抗を最大の障壁として報告しています。したがって、技術採用を成功させるためには、特に技術採用によって従業員に新たな成長機会がもたらされる場合には、変更管理が重要な要素となります。
自動車メーカの26%が、克服すべき主な障害の1つとしてテクノロジパラリシス(ソリューションの取捨選択ができないこと)を挙げていることからもわかるように、導入も依然として課題となっています。その他の検討事項としては、サイバーセキュリティ、システム統合、規制があります。相互接続されたシステムを潜在的な脅威から守るためには、サイバーセキュリティが最も重要になります。新規システムと既存システム間の複雑な統合は解決が必要です。進化し続ける規制やコンプライアンス基準のナビゲートは不可欠です。
2. ロックウェル・オートメーションは、スマートマニュファクチャリングの導入において、コスト効率の面で企業をどのように支援しているのでしょうか?
多くの企業が、生産上の課題を解決するためにスマートマニュファクチャリング技術に注目しています。スキル不足への対応、機械学習(ML)、人工知能(AI)などの分野に投資しています。ロックウェル・オートメーションは、これらのニーズに対応するハードウェア、ソフトウェア、コンサルティング・サービスを提供することで、製造業をサポートしています。重要なことは、単独で行なうのではないということです。他のテクノロジリーダ、OEM (相手先ブランド製造)メーカ、販売代理店、システムインテグレータと提携し、スマートマニュファクチャリングの導入のどの段階であっても企業に革新的なソリューションを提供します。
また、コスト効率の向上はスマートマニュファクチャリングの重要な原動力ではありますが、それだけがメリットではないことも注目に値します。スマートファクトリーはまた、よりサステナブルで、より高品質の商品を生産し、よりレジリエントです(回復力があります)。廃棄物を減らし、電力や水などの資源をより効率的に使用することは、製造メーカにとっても地球にとっても良いことです。
3. スマートマニュファクチャリングの導入に際して、企業が考慮すべき課題や障壁は何ですか?
スマートマニュファクチャリングの導入を検討している企業は、さまざまな課題に取り組まなければなりません。これには、離職の恐れによる既存の人材からの潜在的な抵抗、高度なシステムの操作と保守を行なうための従業員のスキルアップと再教育の必要性、新技術と旧式のシステムを統合する際の相互運用性の問題、相互接続環境におけるサイバーセキュリティのリスク、実用的な洞察を得るための大量のデータの管理と分析の複雑さなどが含まれます。
これらの課題に対処するには、スマートマニュファクチャリングの実践を成功させるための技術的、組織的、文化的な変化を包含する包括的な戦略が必要です。ロックウェル・オートメーションと当社のパートナは、製造メーカがこのような複雑な問題に対処できるよう支援します。
4. アジア太平洋地域におけるスマートマニュファクチャリングの成長についてどのようにお考えですか? ロックウェル・オートメーションが検討している新しいパートナシップや販売代理店の可能性はありますか?
アジア太平洋地域では、スマートマニュファクチャリングの導入が目覚ましい勢いで進んでおり、当社は常に、当社のネットワークに参加してくれる適切なパートナを探しています。情報技術(IT)と制御技術(OT)の世界がぶつかり、サステナビリティ(持続可能性)の重要性が高まるなか、さまざまなスキルを持つ新しいパートナが当社のエコシステムに参入してきています。この傾向は今後も続くと思います。
5. 2023年以降のロックウェル・オートメーションの成長目標をお聞かせください。また、市場拡大の課題と機会について教えてください。
当社はパートナとともに、市場よりも早く成長したいと考えています。私たちは、食品&飲料製造やライフサイエンスなど、変革が進む複数の伝統産業が強みを発揮していると見ています。また、電気自動車へのシフトやバッテリ製造&リサイクルなど、エネルギー転換市場への継続的な投資も見られます。これは、アジア太平洋地域が世界をリードし続けるための大きなチャンスです。
原文はAutomate Asia Magazineに掲載
公開 2023/12/06