お客様へのご提案
保守部門は常に精神的なプレッシャーにさらされています。
パフォーマンスの向上、予想外の事象の低減、予算やスペアパーツ在庫の削減と、さまざまなプレッシャーに対応しなくてはなりません。
多くの人が、データに基づく意思決定力の向上を期待して信頼性分析システムの購入に踏み切りますが、分析できる有益なデータがほとんど、あるいはまったくないことに間もなくして気付くことになります。
次の経営的対応は、大抵が CMMSシステム(Computerized Maintenance Management System:コンピュータ制御の保守管理システム)の使用の強制です。
しかしこれも、保守技術者(場合によってはプランナ)が労力やリソースを一般的な作業命令として請求していることに経営管理側が気付き、以前に利用できたものと同程度の有益なデータしか得られないことが分かった時点で失敗に終わります。
では、何に取り組めばいいのでしょうか。何が欠けているのでしょう。システムの有用性について考えたことはありますか。
基本に戻って考えてみましょう。業務の容易化、時間の削減、より良い成果の生成。ツールやシステムの有用性は、これらもしくはこれらすべてを達成するための機能を前提としています。
こうした前提をCMMSに当てはめることはできるでしょうか。現実に目を向けてみましょう。
保守技術者は大抵、問題解決を生きがいとするような人たちです。CMMSの導入時、プランナや技術者にとってのシステムの有用性は考慮しましたか。
おそらくしていないでしょう。ここで注目すべき明白な関係がいくつかあります。
まず、一貫性のある正確なユーザアプリケーションがなければ、CMMSは有益な履歴データを生成しません。
次に、ユーザとその業務上の焦点を慎重に検討しなければ、一貫性や正確性をもって使用することはできません。
もう少し掘り下げて説明しましょう。CMMSを保守技術者やプランナにとって有益なツールにするための特長として、以下が挙げられます。
- すべての機器をシステム内で簡単に見つけられる
- スペアパーツがあり、機器に関連している
- 作業タスクおよびスケジュールがカスタマイズされている
- ツールや安全手順、スペアパーツ、指示などの情報が作業に含まれる
- パーツは各作業で必要に応じて提供され、在庫は正確である
- 故障、原因および修理のコードアプリケーションが分かりやすい
- レンチタイム(実働作業時間)の入力プロセスがシンプルかつ直感的
考えてみてください。スマートモバイル機器の提供する情報が正確でなかったり不完全だとしたも利用しますか。
オンラインサイトでは「在庫あり」と表示されるのに、実際に注文したら「在庫なし」のメッセージが返されるような製品を購入しますか。
もちろんしないでしょう。保守チーム自身が信頼していないシステムを使うように期待するのは理にかないません。
SAP、JDE、Maximo、Inforなどのシステムを使用している大手企業の経験から、マスタデータの整合性とスペアパーツのデータは一貫性に欠ける完全性で、概して質が低いという共通のテーマが浮き彫りとなっています。
多くの場合、機器は存在するものの、システムやスペアパーツとの関係はなおざりになっています。そして驚くべきことに、このトピックについて話し合われることはほとんどないのです。
有益な情報を提供するCMMSの機能は、マスタデータ基盤の枠組みや構造に根差しています。
CMMSのシステム有用性の問題に対する解決策はかなり形式的なものですが、コミットメントや厳密性、ガバナンス、オーナシップ、部門間の協力、そして何よりも幹部役員からの支援を必要とします。
成功への道は、明確化、収集、作成、展開の4つのカテゴリに分類されます。
明確化:
- 資産データの基準および構造
- 資産区分/属性
- 資産の故障/原因/修正コード
収集:
- 設置ベースの資産データ
作成:
- CMMSの資産マスタデータ
- 故障/原因/修正コード
- 資産と場所の関連
- スペアパーツのアイテムマスタ
- スペアパーツと資産の関連
展開:
- 特定したプロセスの詳細なプロセスマップ
- 現場の変更管理計画
- 目的を支援するプロセス変更
これは決して容易ではありませんが、修正を実施することで大きな見返りを得られるはずです。
データやプロセスの問題を解決すれば、保守技術者やプランナにとっての価値が結果的に高まり、システムの使用が向上します。また、その結果生まれる履歴データを基に分析を実行し、機器の可用性に関連する意思決定をデータに基づいて効果的に下すことができるようになります。
資産内の大量の保守データを有益なオペレーショナルインテリジェンスに変換する方法については、こちらをご覧ください。
公開 2016/04/25