Loading
ブログ | 産業メンテナンス
Recent ActivityRecent Activity

リーンメンテナンスのガイド

リーンメンテナンス戦略が収益に貢献する理由

Share This:

LinkedInLinkedIn
XX
FacebookFacebook
PrintPrint
EmailEmail
Industrial engineer with tablet and white hardhat and two workers in hardhats

リーン生産方式と同様に、リーン原則は現代のメンテナンスにおける成功の基礎となるものです。資源を大量に消費する環境では、効率と生産性を向上させるものは何でも必要不可欠です。リーンメンテナンスは、製造メーカがサステナビリティ(持続可能性)の課題、経済の不安定さ、グローバルな競争を経験するにつれて、より顕著になってきています。

リーンメンテナンスとは何か、そしてそれが収益にどのような利益をもたらすのでしょうか。リーンメンテナンスとは、メンテナンスプログラムのあらゆる段階で無駄を削減・排除し、より少ない費用でより速く前進できるようにすることです。リーンメンテナンスはパフォーマンスと同じです。しかし、どのようにすればリーンメンテナンスの原則を達成できるのでしょうか。

このブログでは、リーン・メンテナンス・プログラムの構築と測定のための基本的な事項を説明します。

  • メンテナンスにおける無駄の種類
  • リーンメンテナンス戦略構築のための公式
  • 自動化されたメンテナンスプログラムによる最終的なビジネスメリット
Loading

メンテナンスにおける3つの種類の無駄

環境的な無駄

非効率な保全活動により、原材料の使用や廃棄が非効率になることで、環境的な無駄が発生します。例えば、機器メンテナンス後のスクラップや再作業の増加、不適切なメンテナンス車両や現場への不必要な移動による燃料の過剰使用、古い在庫購入スケジュールによるメンテナンス用部品の過剰在庫などが挙げられます。このような廃棄物の影響は多岐にわたり、汚染やゴミの増加、二酸化炭素排出量の増加、低品質の製品、安全上の危険性の増加など、有害で非サステナブル(持続不可能)な副産物が含まれています。

メンテナンスにおける環境廃棄物削減のための戦略をいくつかご紹介します。

  • 在庫のサイクルカウントを頻繁に行ない、在庫が過剰でないことを確認するために在庫の購入を減らす。
  • 定期メンテナンスを1つの時間帯にまとめて、移動の手間を削減
  • スクラップや手戻りを減らすため、生産前の修理や交換後に2番目の技術者によるチェックを義務化
     

経済的な無駄

経済的な無駄とは、非効率なメンテナンスによる余分なコストを指します。また、不要なダウンタイムによる生産量の損失も含まれます。例えば、頻繁に行なわれる予防保守(PM)作業による人件費や部品代の高騰、組み立てや再構築が不適切な資産による不良品、技術者が修理を完了するために部品を待たなければならないことによるメンテナンスの遅延などが挙げられます。財務的な無駄の影響は、人件費や部品コストの増加、資本支出の増加、収益の損失、ビジネス成長の機会の損失として、会社全体に及びます。

経済的な無駄を減らすための戦略としては、以下のようなものがあります。

  • 予防保守のスケジュールで、廃止できる作業や頻度を減らせる作業を特定する。
  • 稼働中に完了できる保守作業を見つけることによるダウンタイムの削減
  • 故障の報告、分析、是正処置システムを構築し、重要な機器の故障に対処し、予防する。
  • 修理の迅速化と「在庫切れ」回避のため、重要機器のパーツキットを作成し、生産担当者と定期的な会議を設定し、メンテナンスとオペレーションを一致させる。
     

人的資本の無駄遣い

人的資本の無駄とは、事務的な作業や不必要な作業によって、その人にしかできない専門的な仕事から遠ざかってしまうことです。人的資源の無駄があると、疲労や士気の低下、離職率が高まり、さらなる無駄や組織の知識の喪失につながります。

例えば、作業指示書の作成、見直し、分類に毎日何時間もかける、同じ部品を何度も修理する、故障率が低いか存在しない重要でない機器を検査する、専門的な保守作業のかわりに生産をサポートする、ストックルームで部品や消耗品を探す、などが挙げられます。従業員の離職率が高く、会社の知識が失われることは、人的資本の無駄がもたらす影響のうちの2つです。また、その影響は、バックログの増加、従業員のエンゲージメントの低下、データの正確性の低下として現れます。

無駄をなくすための戦略には、以下のようなものがあります。

  • 保守チームのミーティングを頻繁に開催し、課題を議論し、解決策をブレーンストーミングする
  • 作業指示書や報告書の作成など、頻繁に行なう作業の自動化
  • フォローアップ率の低い機器の定期メンテナンスを廃止または削減する。
  • 定期メンテナンス作業を行なう機械オペレータを育成する。
     

リーンメンテナンス戦略の構築

無駄対策には、3つのステップを踏んでください。

1) 現在行なっていること、行なっているプロセスを把握する。

2) 無駄を発見し、排除する。

3) ステップ1と2を繰返し行なえるような長期的なビジョンを追求する。
 

ステップ1: メンテナンスプロセスのマッピング

このステップは、あなたのチームが現在どのように活動しているかを知ることで、やりすぎている作業や不足している作業を特定するためのものです。この段階では、以下を含むメンテナンスプロセスを文書化します。

  • 機器の重要度や故障モードなどの主要情報
  • 点検・修理の内容・頻度
  • 部品購入と倉庫管理
  • 緊急事態の様子とチームの対応
  • フォローアップまたは是正処置の作成、割当て、および追跡方法
  • 目標設定、指標の作成、報告、データ収集
  • 健康・安全・コンプライアンス活動

次に、以下のようなビジネスニーズを確認します。

  • 季節ごとの生産量
  • 売上の多い時期、少ない時期
  • 過去の緊急事態に対する反応的ニーズ
  • 組織の目標とリソース
     

ステップ2: 今すぐ実行できる改善の機会を特定

次のステップは、時間、お金、エネルギーを使いすぎている箇所を発見することです。ここでは、プロセスの無駄を発見する方法をいくつか紹介します。

  • 保守チームのメンバーと具体的な工程を確認する。どの工程に最も時間がかかっているか、作業を完了する際にどのような問題に直面しているかを尋ねる。この洞察をもとに、活動を容易にし、障害物を取り除く。
  • 計画よりも常に多くの時間や費用を要する作業を特定し、その原因を究明するために「根本原因分析」を実施する。
  • 計画された保守作業を監査し、より効率的にする。すべての定期メンテナンスの必要性と、各タスクの頻度、タイミング、リソースを問い直す。
  • チームの成長と成功に関するKPIと指標を開発する。このデータにより、無駄な可能性を見つけることができる。
     

ステップ3: 長期ビジョンの構築

リーン・メンテナンス・プログラムの作成は、リーンメンテナンスの考え方から始まります。正しい質問をし、やり方を変え、進んで変化することが必要です。まず、ビジネスと生産の目標を中心に保守活動を構築し、これらの目標につながらない作業を減らすか、最小限に抑えることから始めます。次に、事後対応型ではなく、事前対応型の保守を開始します。リーンメンテナンス戦略は、データとそれを収集するための時間にかかっています。作業指示書の余分な項目を入力するのに5分余分にかかることは、大きな負担です。重要なデータを報告するために、スケジュールに時間を割当てるようにしましょう。そして、これらの余分なステップの重要性について、メンテナンスチームに伝えてください。

ここでは、それぞれのタイプのメンテナンスのおける無駄を解決するために、まずベストプラクティスの指標を紹介します。

環境的な無駄 経済的な無駄 人的資本の無駄
アイドルタイム メンテナンスコスト(資産別、タイプ別、タスク別など) レンチ時間(現場実務時間)
原材料の使用量 機器のダウンタイム(計画的、非計画的) 従業員の離職率
炭素排出量/エネルギー使用量 点検後の是正処置率 生産サポートに費やした時間
施設間の移動時間 故障/緊急時の対応率 管理業務に費やした時間
原材料の廃棄(例: 石油) メンテナンス後のクリーンなスタートアップ メンテナンス工程のステップ数

事後対応型メンテナンスから事前対応型メンテナンスへの移行

メンテナンス戦略を「リアクティブ(事後対応型)」から「プロアクティブ(事前対応型)」に変えることは、時間をかけて小さな変化から始めるプロセスです。しかし、このような小さな変化が、直接コスト(人件費、資源費)や間接コスト(ダウンタイムや生産量低下による収益損失)の削減といった大きなメリットにつながるのです。小さな目標やマイルストーンで進捗を示し、進捗を追跡し、成功を祝うことを学んでください。

正しい方法で行なえば、決して真の意味で終わることのないプロセスなのです。「勝つか負けるか」ではなく、「勝つか学ぶか」の考え方を導入する。チームには、非難や罰なしに現状に疑問を持つことを許しましょう。あなたとメンテナンスチームは、成功とは、収益と全体的なパフォーマンスに影響を与える一連の小さな継続的な変化であると考えるようになります。

たとえば、リーンメンテナンスでは、月に一度、作業指示を検討することで、遅延を減らし、レンチ時間(現場実務時間)を年間10%から15%増加させることがベストプラクティスとなっています。進捗を追跡し、チームと一緒にそれを祝うことが重要です。そして、ベストプラクティスについてスタッフからの提案を奨励します。技術者は、この指標に対して所有者意識を持ち、進歩の達成に投資するようになります。
 

メンテナンスニーズに対応した最新のCMMSを検討

ロックウェル・オートメーションのFiix®のような最新のコンピュータ化されたメンテナンスソフトウェアは、リーンメンテナンスを実現するためのベストプラクティス戦略です。包括的なソリューションを導入することで、リーンメンテナンス戦略を実行し、効率化を支援します。不要な作業や管理業務を削除することで、従業員がより仕事に集中できるようになります。また、トレーニングや価値の高い作業を行なう時間を確保することができます。

リーンメンテナンスの核心は、メンテナンスの実践をビジネスニーズに結びつけることです。これは、保守をコストセンターからバリュードライバー(企業価値に大きな影響を及ぼす要因)に移行するための重要なステップです。そして、それが達成されたとき、メンテナンスチームは真のビジネスパートナとなるのです。

公開 2022年2月17日

トピック: Operational Excellence Optimize Production

Gaurav Verma
Gaurav Verma
Senior Manager, Software Solutions Marketing, Rockwell Automation
Gaurav Verma is leading solution marketing for Industrial Analytics portfolio at Rockwell Automation. He has 20+ years of progressive experience spanning Product Marketing, Strategy, Consulting, and Team Leadership at B2B/C SaaS companies belonging to IoT, Field Service, eCommerce, Telecom, and FinTech domains.
連絡先:
EmailEmail
購読申込

最新ニュースと情報をお受け取りになるには、ロックウェル・オートメーションのメールマガジンの購読申込をお願いいたします。

購読申込
お客様へのご提案
Loading
  1. Chevron LeftChevron Left ロックウェル・オートメーションのホーム Chevron RightChevron Right
  2. Chevron LeftChevron Left 企業情... Chevron RightChevron Right
  3. Chevron LeftChevron Left ニュース Chevron RightChevron Right
  4. Chevron LeftChevron Left ブログ Chevron RightChevron Right
  5. Chevron LeftChevron Left リーンメンテナンスのガイド Chevron RightChevron Right
を続行するには、クッキーの設定を更新してください.
この機能には、お客様の利便性を向上させるためにクッキーが必要です。これらのクッキーを許可するように設定を更新してください:
  • ソーシャルメディア・クッキー
  • 機能性クッキー
  • パフォーマンスクッキー
  • マーケティングクッキー
  • 全てのクッキー
いつでも設定を更新することができます。詳しくは{0}をご覧ください プライバシーポリシー
CloseClose