非管理型および管理型ネットワークスイッチは、ポートレベルでは共通の性能特性を持っているように見えるかもしれませんが、当社の経験から、これは一面的な見方であることが分かります。実際に容量を拡張したり、旧式の機器を共通のネットワークプロトコルに移行しようとすれば、すぐにこのことがご理解いただけると思います。
管理型スイッチは、ネットワーク性能の最適化にとって極めて重要な機能を提供します。個々のスイッチのポート速度はここで議論されることの一部にすぎず、時間の経過とともにますます多くのデバイスやポートが非接続型機器を接続するために追加されていきます。
ネットワークにボトルネックが生まれる原因は、このような状況にあります。接続性によって、プロセスを最適化し生産性を向上させるために必要なデータを利用できるようになります。これらのアプリケーションが統合されるにつれて、性能を最適化する機能間の差異がますます顕著になります。
お客様は、予想外の事態に対処するために必要なネットワーク性能を導入するか否か、ここで一度、自問してみる必要があります。
シナリオ1
自分が生産マネージャになったと仮定して、通信エラーが原因で2つの生産ラインのシャットダウンが発生したという連絡を受けたとします。
保守要員が障害を除去し、装置を再起動します。10分後に、ラインの1つが再びシャットダウンに見舞われます。ここで、あなたは専門家に支援を求め、ネットワークインフラの図面を確認します。
メンテナンスのために現在シャットダウン中の生産ラインが、同じ制御キャビネットを介して接続され、このラインで保守作業中のチームが機器の障害状況を離れた場所にいる専門家に送信するためにイーサネットカメラを現場に設置しネットワークに接続していることが確認されました。
これは通信エラーの原因となるのでしょうか?
非管理型スイッチにはセグメンテーション機能が備わっていないため、各機器をそれぞれ固有の領域に分割して、原因不明の障害に関連する性能上のリスクを軽減する機能が利用できません。
このため、既存のネットワーク負荷がこのカメラによって増大し、配備リスクや予期しない潜在的なダウンタイムの原因となっています。
簡易管理型や完全管理型スイッチで利用可能なVLAN機能を使用すれば、このセグメンテーションを利用することができます。さらに、QoS (サービス品質)機能が簡易管理型または管理型スイッチのデータトラフィックに優先順位をつけ、この2つのシステムによって共有されるスイッチのクリティカルなデータトラフィックの優先順位付けが可能になります。
シナリオ2
スタッフの誰かが離れた場所にいる専門家によるトラブルシューティングを容易にするため、工場の反対側にイーサネットカメラをネットワークに接続したとします。
現在、コストやリソースを最適化する業務の一環として、共通のネットワークインフラ全体でのモーション、安全および標準制御がサポートされています。施設の他の装置が通信障害のためにシャットダウンを開始したことが発見されます。