人工知能(AI)と機械学習(ML)の登場により、世界中の製造業は変革を遂げています。市場環境の変化とサプライチェーン全体のオペレーション最適化へのプレッシャーの中、ますます多くの企業が、競争が激化する市場の需要を満たすためにテクノロジを活用しています。
スマート製造の現状と、製造業者がこれらの新しいテクノロジをどのように活用しているかをより深く理解するため、「スマートマニュファクチャリング報告書」の最新版では、アジア太平洋地域(オーストラリア、中国、インド、日本、ニュージーランド、韓国)を含む17カ国、さまざまな業界の製造業の意思決定者1,500人以上を対象に調査を実施しました。
第10版となる本報告書は、今日の課題と将来の機会、そしてスマートマニュファクチャリングとエマージング‐テクノロジ(新興技術)がどのようにレジリエンス(回復力)を構築し、未来を形作っているかについて、世界的な視点を提供しています。
アジア太平洋地域におけるAIの現状打破
豊富な資源と、絶え間ない適応と革新へのレジリエンスを備えたアジア太平洋地域(APAC)は、世界の製造業と産業の成長を牽引しています。AIとスマート製造技術はもはや流行語ではなく、品質、アジリティ(俊敏性)、そして成長を推進するために不可欠な要素となっており、地域全体でデジタル化の勢いが高まっています。
今年の調査は、重点が実験から実行へと移行し、より多くの製造業者がテクノロジファーストの考え方を採用していることを証明しています。製造メーカのほぼ半数が、人材不足、サイバーセキュリティリスク、そして進化するサステナビリティ目標に対応するために既にAIを拡大しており、アジア太平洋地域の企業は生成AIと因果AIへの投資が前年比10%増加しました。
企業のAIに対する認識の成熟度は顕著に高まっており、補助的なツールではなく、戦略的な推進力へと変化しています。AIへの信頼は深まり、アジア太平洋地域の調査対象者の41%が、労働力不足への対応とスキルギャップの解消のため、職場の自動化を推進する計画を持っています。企業はもはやAIを予知保全に主に利用しているのではなく、品質保証や適応制御など、より高度な自律運用にもAIを活用し、ヒューマンエラーの削減やリアルタイムの意思決定の強化に役立てています。
サイバーセキュリティにおけるAI
デジタル技術の急速な導入に伴い、製造業を含むあらゆる業界でサイバーセキュリティへの懸念が高まっています。世界的に見ると、サイバーセキュリティは製造業にとって2番目に大きな外的障害となっています。アジア太平洋地域では、インフレやエネルギーコストの上昇と並んで、サイバーセキュリティが最大の課題となっています。
これを受けて、企業はAIの活用を加速させ、スマートマニュファクチャリング技術を導入してオペレーションをデジタル化し、競争力を維持しサイバーセキュリティリスクを最小限に抑えるために、既存の人材のスキルアップをはかっています。また、新たな優先事項として採用活動も展開しており、サイバーセキュリティのスキルと規格は、ますます求められる能力となっています。
ロックウェル・オートメーションは、セキュア・バイ・デザイン・アーキテクチャとリアルタイムの脅威検知機能の必要性を理解し、製造メーカが進化するサイバーセキュリティのフレームワークと業界標準の先を行くための一連の脅威インテリジェンスおよび検知サービスを開発しました。
AIによる労働力の変革
AIと共に、労働力も進化しています。AIがビジネスニーズをサポートする能力を持つのと同様に、これらの技術を適応させ、真のビジネス価値を生み出すには、熟練した労働力が必要です。アジア太平洋地域の製造メーカは、自動化を推進し、ワークフローをより効率的にするためにAIに注目すると同時に、より付加価値の高いタスクを担う、優れた分析的思考力を持つ人材を求めています。「スマートマニュファクチャリング報告書」は、課題ではあるものの、より熟練した労働者の必要性は、この地域特有の問題ではなく、先進国と新興国の両方の産業に影響を与える世界的な懸念事項であることを明らかにしています。
明るい面としては、アジア太平洋地域におけるスキルギャップは前年からわずかに縮小しており、2025年にはスキルギャップを課題として挙げた回答者はわずか29%でしたが、2024年には31%にまで減少しました。これは、人材育成と教育への投資が成果を上げ始めていることを示唆しています。
長期的にサステナブルなビジネス成果の実現
製造業は多くのエネルギーを消費する産業です。この地域の製造業者は、ESG (環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))目標への投資を増やすにつれて、サステナビリティ(持続可能性)と資源保全を目指して事業効率の向上に注力しています。回答者の半数以上(55%)が、効率性の向上がサステナビリティ向上を追求する最大の理由であると回答しており、これは昨年の39%から増加しています。自動化やAIなどのテクノロジを通じてワークフローの効率性を向上させることで、企業は事業コストを削減しながら、より優れたエネルギー管理を実現しています。
ロックウェル・オートメーションは、絶えず変化する産業環境において長期的なアジリティを確保するために、運用のレジリエンスを高めながら生産性を向上させるソリューションを開発することで、効果的なデジタルトランスフォーメーションを通じて製造メーカのサプライチェーンの最新化を支援し続けたいと考えています。
この記事の初出はマニラ・タイムズ紙です。