お客様へのご提案
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の調査「Sprinting to Value in Industry 4.0」は、製造業の変革を約束する新しいデジタル産業技術の採用競争について、興味深い評価をしています。
よく計画されたプログラムにおける一連のスプリントとして導入を管理することは理にかなっています。私は、この調査に対するIndustryWeekの回答にも同様に興味をそそられました。
前提: デジタル技術の潜在的価値を認識しながらも、一部の製造メーカ(特に米国を挙げている)は、そのアプローチによってその価値を喪失しています。私は、この調査結果について、全く異なる見解を持っています。
「正しい」アプローチはあるのか?
そうです。テクノロジによって採用や導入が偏っていると思われていることは、実は私の目には正しいアプローチに映ります。テクノロジの成熟度と投資対効果がすべてのテクノロジで一様でないため、テクノロジの導入にばらつきがあるのです。
新しいテクノロジを「オール・オア・ナッシング」で採用できる企業はほとんどありませんし、採用すべきでもありません。企業の優先順位が採用の原動力となるのです。
デジタル産業技術の場合、最も優先されるのは接続性、つまり企業全体の資産をつなぐことです。これは、クラウドとビッグデータの価値を実現するための最初のステップです。
そして、BCGの調査でも確認されているように、次の優先順位はサイバーセキュリティ、つまりクラウドを介して共有される情報が外部の脅威から安全であることを確認するための支援です。この2つの優先事項の後、回答者は積層造形技術、高度なロボティクス、拡張現実(AR)の導入レベルが低いことを示しています。
これは、ガートナー社のハイプサイクル(新技術が社会に受け入れられる段階を模式的に表した図)と同様に、ほとんどの製造メーカが新しいテクノロジを導入する方法であることから、理にかなっていると言えます。ハイプサイクルは、技術の成熟、採用、応用を、ブレークスルーから生産性のプラトー(またはメインストリーム採用)までの5段階で表しています。
障害と解決策
IndustryWeek誌は、障害は明らかだが解決策は見つけにくい、と述べていますが、私はそうは思いません。賢い企業は、最小の予算で最大の効果を上げ、投資当たりの利益を最大化するソリューションに目を向けています。ありがたいことに、製造業は産業用デジタル技術を全体として導入しなくても、その断片の価値を実感することができます。
それが、コネクテッドエンタープライズのコンセプトです。これは、最大のROI、つまり狙った投資で最大の利益を得ることを目標とした、目的にかなったアプローチです。
ここでは、開発ライフサイクルに沿って目的に応じた実装を行なう例として、「見える化」を紹介します。少し前までは、ワークステーションは固定されていました。現在では、タブレットや携帯電話によるモビリティがあり、FactoryTalk TeamONEのようにセキュリティ環境におけるモビリティとコラボレーションに対応するアプリがあります。
今後の展望
私たちはすでに、拡張現実などを扱う技術がどのように進化しているかを見ていますし、従業員の教育やトレーニング、メンテナンス、製造現場全体の設計や設置面積など、企業が扱うべきすべてのものに変化が生じていると考えています。
また、これらの製品が開発された場合、すでにデジタル産業技術を製造プロセスに取り入れ、接続性と安全を高めている企業は、より高い生産性を実現するために次の段階の技術を導入しやすくなります。
BCGの調査は、私たちのアプローチ、つまり私たちがお客様の導入を支援しているアプローチが、論理的で思慮深く、価値主導で効果的であることを補強するものです。
公開 2017/01/16