世界的な化粧品メーカがダウンタイムの低減と生産性の向上に成功

世界的な化粧品メーカを救ったOEEデータ

課題

  • 新しい生産ラインのパフォーマンスが著しく低く、1シフト12時間当たりの始動/停止回数が2500回もあった
  • 生産ラインが頻繫に停止するのに、その根本原因が把握できなかった

ソリューション

  • FactoryTalk Metricsソフトウェアを導入しオペレータがダウンタイムの原因を理解できるようにする
  • ソフトウェアを使用して複数ある制御システムから詳細な機械データを収集し、それを基に機械性能(OEE指標や14の主要業績評価指標など)のレポートを正確かつ迅速、詳細に作成できるようにする
  • 構成可能なデータをWebブラウザからアクセスできるようにする
  • ロックウェル・オートメーションの制御、プロセス、情報ソリューションパートナであるプライム・コントロールズ社が総合的な情報ソリューションを設計しその構成と導入を実施

結果

  • ライン停止の回数が90%減少した
  • サービスコストの削減とダウンタイムの低下により年間10万ドルの節減に成功した

背景
コールで目の縁を黒く塗ったりローズウォータを顔に塗るなど古代ギリシャや古代ローマでも美容に対する需要がありましたが、今日ほど、その需要が高かったことはありません。

世界の化粧品業界は何十億ドル規模のビジネスで、まだまだ成長を続けています。世界の化粧品の約半数は一握りの大手多国籍企業が生産するもので、残り数千のメーカにとって競争は厳しく、存続するには生産の質と効率性の問題を避けるわけにはいきません。

課題
世界的に展開するある大手化粧品メーカが最近、マスカラとリップグロスの生産量増大を目標にダラスにあるプラントに新しくラインを追加しました。これで同プラントの生産ラインは合計29本となりました。

プラントの管理部門は、この新ラインでは生産数が1分当たり100~120程度になると期待していました。ところが生産が始まると、生産量は期待はずれでライン停止も頻繫に発生しました。そこで同社の管理部門は、総合設備効率(OEE)の測定値を向上させ新ラインの効率性と質の制御力を高めようと、プライム・コントローズ社(本社所在地:テキサス州ルイスビル)に支援を要請しました。プライム・コントローズ社は情報および制御システムの構築を手がける大手で、ロックウェル・オートメーションのPartnerNetworkにも登録している、制御、プロセス、情報ソリューションのソリューションパートナです。

「新しいラインではダウンタイムの記録量が信じられないほど多かったのです」と、プライム・コントローズ社の事業開発部バイスプレジデントであるビル・ビベンズ氏は語ります。「1シフト12時間当たりの停止/始動回数は2500回を超えていましたが、その問題の原因はわかりませんでした。」このプラントには、根本原因の分析に必要な製造インテリジェンスがなかったのです。

ソリューション
プライム・コントロールズ社が採用したのは、ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® Metricsソフトウェアを使用する製造インテリジェンスソリューションです。これならデータを効率的にモニタし収集、分析することができます。何らかの事象が機械に発生するとそれが制御システムで検出され、この検出された事象が収集されレポートされるというアプリケーションです。

新ラインは複数の搬送コンベアがつながりその中に作業セルステーションが5つあるという設計でした。プライム・コントロールズ社はまずこの新ラインの運用状況を評価しました。そして、Allen-Bradley®のControlLogix®プログラマブル・オートメーション・コントローラ(PAC)と同じくAllen-BradleyのCompactLogix™ PACを導入し、ボトルフィーダや充填器、ラベル貼付機、カートナ、箱詰め機など生産機械類を自動化しました。FactoryTalk Metricsソフトウェアを導入して以来、プラント管理部門では詳細な情報を入手できるようになり機械不調の「原因」を把握できるようになりました。ダウンタイムと損失の根本原因が正確に特定できるようになったのです。

コントローラはすべて、プラントのEtherNet/IP™ネットワークでしっかり同期されました。しかし機械制御機能とプラントの既存の製造ソフトウェアの統合はあまり効果的でなくバーコードリーダのみに制限されており、そのため、ダウンタイムが発生するとオペレータはワークステーションを離れ故障の原因を手作業で選択しに行く必要がありました。また、短時間のダウンタイムは故障原因に関連付けされませんでした。そこでプライム・コントロールズ社のエンジニアがとった措置は、ロジックを設計し、ダウンタイムが自動的に故障の根本原因または事象に割付けられるように新しいソフトウェアを構成したのです。その結果、ライン停止の原因が効果的に特定されるようになりました。

FactoryTalk Metricsソフトウェアがローカルサーバにインストールされ、プログラムがプラントのネットワークに直接接続されました。既存のアプリケーションをFactoryTalkデータベースに移行したうえで、ラインの実行モードの分析が行なわれました。その結果、OEEが最も高い機械は最大限に稼動しているが、他の機械は欠乏状態または遮断状態にあることがわかりました(人の目には見えなかっただけです)。

ラインの最初の機械、ボトルフィーダは、1シフト当たりの欠乏状態が全部合わせて60分ありました。これは簡単に修正できました。量を調節するだけでよかったためです。ラベル貼付機の状態も頻繫に切り換わっていたため、ダウンタイムをそれぞれ特定の故障原因に割当てたうえで、既存のプログラミングコードを編集しました。頻繫に欠乏状態に切り換わることがないように、ラベル貼付機のバッファアラームを低下させたのです。

その後、モニタ対象機器のOEEを計算し視覚化できるように、FactoryTalkソフトウェアの構成を行ないました。これで、アラームが鳴るとオペレータは停止や効率の悪さの根本原因を簡単に把握できるようになりました。また、データにアクセスできるようになっため改善措置の必要な部分も特定できるようになりました。

結果
FactoryTalk Metricsソフトウェアの導入に伴い、主要業績評価指標(KPI)やその他の重要データにWebブラウザから簡単にアクセスできるようになりました。プラントの管理部門では、状況に即したリアルタイムの機械データとラインデータを使用して意味のある生産指標を設定できるようになり、OEEスコアも改善し大幅なコスト削減に成功しました。

FactoryTalk Metricsソフトウェアを導入して以来、プラント管理部門では詳細な情報を入手できるようになり機械不調の「原因」を把握できるようになりました。ダウンタイムと損失の根本原因が正確に特定できるようになったのです。その結果、生産の質と効率に大きな改善が見られました。1シフト当たりの機械の始動/停止回数が2500回から250回へと90%減少しました。また、稼働時間が15~20%増加し、年間のサービス契約のコストが10万ドル節減されました。生産性も向上しました。

ビベンズ氏は次のように述べています。「これまでは機械の状態がまったく把握できませんでしたが、今はよくわかるようになりました。プラントの管理部門は生産性損失を計算してその値と機械の本当の効率性を評価できますし、保守マネージャはダウンタイムの発生一覧を機械アラームコードと比較して確認することができます。」

この化粧品メーカの例では、詳細な製造インテリジェンスを新しく導入した結果、ライン不全の評価と必要な改善点の特定が簡単にできるようになりました。管理部門は情報が得られ自信がつき、化粧品業界の厳しい世界に遅れをとらずについていく力がつきました。

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