ペトロアマソナス社は、仮想化によるHMIアップグレードでダウンタイムの削減に成功

ペトロアマソナス社、HMIアップグレードでダウンタイムの低減に成功

課題

  • 信頼性の低下した旧型のHMIインフラ基盤により、頻繁なシステムクラッシュや再起動の反応遅延(40分程度)が発生。これが長時間の中断を招いている

ソリューション

結果

  • 保守作業中のダウンタイムを削減
  • サーバの再起動時間を40分から5分に短縮
  • 新しい仮想サーバの導入を30日間で完了(物理サーバでは60日間)。15台あった物理サーバを6台に削減
  • データ収集の速度が従来システムの10倍アップ。データ管理ツールの改善によりシステムの増加に対応できるようになった

FactoryTalkソフトウェアと仮想サーバが、複数施設のアップグレードの一環として老朽化したHMIインフラ基盤を置換

背景

ペトロアマソナス社はエクアドルの大手石油メーカで、国内石油生産量のおよそ3分の2を占めています。2013年のペトロエクアドル社との合併後、同社の製造速度は2倍以上に向上し、現在の約35万5000バレル/日のレベルに到達しました。

エクアドルの首都、キトに本拠を置き、石油の探索、開発、製造の各工程は国内に分散点在する17の施設で行なわれています。これら施設の多くは、エクアドル東半分、深い密林に覆われたオリエンテ盆地地区にあります。

施設の大半は、石油およびガスを専門に扱う数社の企業によってこれまで運営されてきました。これらの企業が買収または開発し、短期間にわたって運用した施設が、その後ペトロアマソナス社に譲渡されたため、標準化されたプロセスや機器が大幅に欠如しています。

ペトロアマソナス社が必要としていたのは、システムとプロセスを標準化し、効率性の向上と修理・保守の簡易化を実現することでした。企業全体の接続性を改善するため、同社はロックウェル・オートメーションと提携し、HMI基盤の標準化と仮想サーバによるダウンタイムと機器費用の削減を目指しました。

課題

ペトロアマソナス社は、1日およそ8万1000バレルの石油を生産するエデンユチューリ油田とインドラナ油田の2つの新しい生産施設を買収しました。所有権引継ぎの際、両施設間で統一されたヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)のインフラ基盤が老朽化しており、アップグレードか交換の必要があることは明らかでした。HMIソフトウェアプラットフォームは不安定でオペレーティングシステムは陳腐化しており、ライセンス不足やシリアルキーの重複といった問題も抱えていました。物理サーバの保証期間も終了していました。

「インフラ基盤の信頼性はもはやゼロの状態で、これが結果的に施設のオペレータにとって深刻な問題となっていました」と、ペトロアマソナス社のテクニカル・アプリケーション・スーパーバイザであるハビエル・マルドナド氏は語ります。「施設では毎日のようにレポート関連の問題が発生している状態でした。システムのクラッシュは頻繁で、バックアップサーバも配置されていないのでそのたびにサーバを再起動しなくてはなりません。しかもそれに40分もかかるので長時間稼働が中断してしまいます。」

既存のインフラ基盤では、プラントの作業員に提供できる情報に制限があるのも問題でした。例えば、施設における傾向の特定や稼働の改善に役立つ履歴データをオペレータが簡単に収集したり分析することはできませんでした。

これらの問題と並行して、エデンユチューリおよびインドラナ油田の石油およびガスアプリケーションの規模と需要は増大の一途を辿っていました。このため、施設の拡張は不可欠で、タグやアラーム、サービスの追加が必要となったため、結果的にこれが物理データサーバの増加を招き、データセンタの処理能力は限界に近い状態に達していました。

ペトロアマソナス社は、両施設のHMIインフラ基盤の可用性と信頼性、保全性を高めると同時に、会社のリソースを最適化するソリューションを求めていました。

ソリューション

Allen-Bradley® ControlLogix®およびCompactLogixコントローラなどのロックウェル・オートメーションのベースハードウェアをエデンユチューリとインドラナの新施設ですでに使用していた経緯から、ペトロアマソナス社はロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® ViewFactoryTalk Historianソフトウェアの使用を決定しました。これらのソフトウェアは、既存ハードウェアとの互換性と統合のしやすさを特長とし、同社が求めるパフォーマンスや視覚性、データ管理のニーズに対応するものでした。

FactoryTalk View HMIソフトウェアは共通の外観と操作性、ナビゲーションフォーマットを使用しており、これは開発やトレーニングにかかる時間の削減に貢献します。単一機械のアプリケーションから企業ベースや監視レベルのアプリケーションにいたるあらゆる用途に使用できるほか、リアルタイムな履歴データへのアクセスも提供します。

ロックウェル・オートメーションはグアヤキルにあるエクアドルオフィスのプロジェクトへのサポート提供のほか、置換中の大半のソフトウェアのライセンス交換も行ないました。

マルドナド氏と同氏の率いるチームが採用したのは、両施設の老朽化した物理インフラ基盤に新しいHMIアーキテクチャを整備、テスト、導入し、すでに容量に余裕のないデータセンタにさらに負荷をかける方法ではなく、仮想化というまったく新しいアプローチでした。ロックウェル・オートメーションとペトロアマソナス社のITチームは、両施設のHMIプラットフォームを物理サーバから仮想サーバへと移行しました。

「仮想化が提供するバックアップ機能とデータ保護機能は大きな魅力です。仮想化のおかげで、将来的な変更に対応する柔軟性も高まりました」と、マルドナド氏は語ります。「当社では最新式のDCSにアップグレードし、ロックウェル・オートメーションのPlantPAx®を仮想化しました。当社が使用するアプリケーションと互換性があり、稼働への影響を最小限に抑えながら移行プロセスをスムーズに進められることがわかっていましたからね。」

PlantPAxプロセス・オートメーション・システムは標準ベースのアーキテクチャ上に構築されています。仮想化システムでは、PlantPAx仮想イメージテンプレートでPlantPAxシステムの中核的な要素を構成済みの一時的なテンプレートとして提供することができます。

移行に備え、ペトロアマソナス社のITチームは両施設の物理サーバを仮想サーバにコピーし、新しいサーバテンプレートを作成しました。新しい仮想インフラ基盤のストレージサイズが評価され、両アーキテクチャ内の冗長性が検証されました。エデンユチューリ油田では8台の物理サーバを3台の物理サーバと16台の仮想サーバに移行し、インドラナ油田では7台の物理サーバが3台の物理サーバと13台の仮想サーバへと変換されました。

結果

仮想化によりアップグレードされたHMIインフラ基盤は、2施設での導入後すぐに成果を発揮し始めました。

「FactoryTalkソフトウェアのおかげで、従来システムの10倍のスピードでデータを収集できるようになりました」と、マルドナド氏は語ります。「このHMIシステムは安定性と信頼性が向上しています。また当社が引き継いだシステムよりもたくさんの機能を搭載してるので、プロセスをより効果的にモニタでき、オペレータは日々の業務における意思決定力を向上できます。両施設間で増加し続け、現在およそ19万にものぼるタグも効果的に管理できます。」

仮想インフラ基盤により、ダウンタイムを削減しながら測定可能な改善を実現することができました。施設では保守作業中のダウンタイムが解消され、サーバの再起動にかかる時間も40分から5分と大幅に短縮しました。物理サーバではなく仮想サーバの採用を決定したことで、同社の設備投資額は70%も削減されました。

新しいサーバの導入にかかる時間も大幅に改善されました。新しい物理サーバの導入には60日~70日を要しますが、仮想サーバならわずか30分程度で完了します。

エデンユチューリおよびインドラナ施設でのプロジェクトの成果を基に、プトロアマソナス社は他の施設で使用しているHMIプラットフォームの分析を決定。完全なコネクテッドエンタープライズの実現を目指し、他の13施設でも同じシステムを展開できるよう取り組んでいます。

ここで紹介した成果は、ペトロアマソナス社でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。

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