BIQハウスが実現する新しいエネルギー源のカタチ

BIQハウスが実現する新しいエネルギー源のカタチ

課題

  • 藻の栽培に使用する革新的技術と最新の建築技術を融合する

ソリューション

結果

  • CompactLogixコントローラが、プログラミングソフトウェア、コントローラ、I/Oモジュール間のシームレスな統合を実現
  • 初期開発にかかる時間の短縮、立上げおよび運用コストの削減
  • 制御システムのタグベースのアーキテクチャでプログラミングプロセスを簡易化
  • FactoryTalk Viewの使いやすいグラフィカルな機能により全プロセスを正確に認識できるようになった、システムのモニタやプロセスの分析が簡単になった
  • エラーのアラートやアラームに迅速に対応できる

ロックウェル・オートメーションのリモート制御技術が建築技術と画期的なバイオリアクタを統合

背景

2013年ドイツ、ハンブルクの国際建築展(IBA)で、バイオリアクタファサードを擁した世界初のビルが発表されました。光合成作用と太陽エネルギーを利用して微細藻類がビルの外壁で増殖し、バイオマスと熱を生産するこのプロジェクトでは、微細藻類の培養技術を最新の建築技術と連携させることが大きな課題となりました。ロックウェル・オートメーションが提供する制御要素により、異種の技術を単一のシステムに統合し、年間を通じた自動運用が可能となりました。

ハンブルクで開かれたIBAでは、21世紀の街の未来を築くという目標が掲げられました。この目標の一環として、IBAでは都市開発をめぐる昨今の疑問に応える革新的かつサステナブルな対策を含むいくつかのプロジェクトが開発されました。2013年にIBAで公開されたのが、ハンブルク、ヴィルヘルムスブルク地域に登場した自家発電の家、BIQです。世界初のバイオリアクタファサードを設置したこの家は、厚板ガラスタンクで微細藻類を培養し、太陽エネルギーと光合成作用からバイオマスと熱を生産します。生成された熱は熱交換器に送り込まれ、ビルの暖房に使用できます。藻は定期的に収穫され、バイオガスの原材料として使用されます。緑色のファサードが個性的なこのビルは、「BIQハウス」というニックネームが付けられています。

藻は定期的に収穫され、バイオガスの原材料として使用される。

BIQハウスは立方体の5階建てパッシブビルで、内部には15世帯のアパートが入っています。ビルの設計はオーストリア、グラーツの建築事務所であるスプリッタヴェルク社が手がけており、同社のコンセプトはIBAの建築設計コンペティションを獲得しています。このファサードシステムを共同開発したストラテジック・サイエンス・コンサルタント株式会社(SSC)、アラップ・ドイツ株式会社、コルト・インターナショナル株式会社の各社が導入したのが、ロックウェル・オートメーションのオートメーション製品およびサービスで、戦略的提携パートナであるエンドレス・ハウザー社の計測およびプロセス技術がシームレスに統合されています。

課題

エネルギーシステムの中核となるバイオリアクタファサードの総面積は200平方メートルにおよび、個々のサイズが2.6m×0.7m、厚さ約2cm、容量およそ24リットルのガラスタンクから構成されます。タンクには栄養塩類を強化した培養液が充満しており、微細藻類の栽培に最適な環境となっています。藻が常に動き、二酸化炭素を継続的にリアクタに送り込んで光合成を促進するために圧縮空気が導入されており、二酸化炭素はガスボイラーから供給されます。藻が使用しない日光はリアクタの液体を温める働きもあり、太陽エネルギーシステムと同じく、この熱はエネルギー利用装置に分離され、ビルの暖房に使用されます。

SSC社の管理ディレクタであるマーティン・ケルナー氏は次のように述べています。「この先駆的なプロジェクトでは、藻類の培養技術を最新の建築技術と連携させることが大きな課題となりました。暖房やバイオマス生産といった微細藻類のファサードが有するさまざまな機能を確保しながら、ビルの防音や日光の遮蔽を行なうにはこれは不可欠でした。世界初のBIQハウスによって遂にこれを達成できたんです。」

ソリューション

オートメーション技術はシステム全体の重要な部分で、これによって年間を通してシステムを稼働することができます。ロックウェル・オートメーションのAllen-BradleyのCompactLogix™コントローラは、プログラミングソフトウェアとコントローラ、I/Oモジュールのシームレスな統合を実現するオートメーションシステムの中核となるもので、これにより初期開発にかかる時間を短縮し、立上げや運用のコストを削減することができます。

CompactLogixコントローラに接続されるその他のデバイスには、熱交換器や藻類の刈取り機、バイオマスをバイオガスに変換する変換ユニットといった建築技術システムが含まれます。またPLCは、リアクタモジュールを太陽の方向に誘導するのに使用するポンプも制御します。リモートI/OEtherNet/IPを介してコントローラに接続されており、ビルのフロア全体に分散型制御を提供するとともに、堅牢かつリアルタイムなネットワーク接続と高速ディスクリート制御を実現します。産業用アプリケーションの需要に対応するためネットワーク設計を次々と変更する他のネットワークとは異なり、EtherNet/IPではシステム全体の使いやすさと一貫性を確保することができ、リアルタイムの機能が高まります。

全体のシステムは、SSCストラテジック・サイエンス・コンサルタント株式会社の専門家がRockwell SoftwareのFactoryTalk® View視覚化ソフトウェアを利用して操作します。使いやすいグラフィカルな機能で全プロセスを正確に認識できるため、システムのモニタやプロセスの分析を簡単に実行でき、またエラーのアラートやアラームにも迅速に対応できます。視覚化ソフトウェアから定義済みの制御パラメータを変更できるため、必要に応じてプロセスに直接介入することも可能です。FactoryTalk Viewはエラーなくバイオリアクタを稼働させるうえで欠かせない重要な要素です。

BIQハウスの設計は、IBAの建築設計コンペティションを獲得した実績を誇る、オーストリア、グラーツの建築事務所であるスプリッタヴェルク社が手がけている

流量計や分析装置といったエンドレス・ハウザー社のいくつかの計測デバイスがAllen-Bradleyのコントローラに接続されており、これらの機器を使ってリアクタモジュールの充填量や、生育培地のpH、酸素、硝酸濃度をチェックします。バイオマスの除去も自動的に制御できるよう、藻の収穫時期はプロセス光度計を使って設定します。

このシステムは当初はプロトタイプとして設計されたものですが、ロックウェル・オートメーションは世界的な導入に向けて取り組んでおり、プログラミング言語も4つ追加されました。現地の技術者のバックグラウンドに応じ、システムはラダーロジック、構造化テキスト、ファンクションプラン、シーケンシャル・ファンクション・チャートを使ってプログラムできます。また、制御システムのタグベースのアーキテクチャを活用すれば、プログラミングプロセスが簡易化されます。

BIQハウスは、ビルに熱電を供給しながら高品質なバイオマスエネルギーを生産する史上初の分散型システムで、温室効果ガス(CO2)の削減にも貢献します。SCC社は2年間のモニタプロジェクトで生産と性能のデータを集計しており、ハンブルクのハーフェンシティ大学は新しい技術の受入れに関する情報収集に取り組んでいます。

「こういった正確なデータ分析と評価を行なうのは、将来的にさらに大規模なシステムにこの技術を導入し、よりエネルギー効率の高いエコロジカルな建築手法を実現するためですよ」と、SSC社のケルナー氏は最後に語ってくれました。

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ロックウェル・オートメーションならびに当社パートナの仕事は優れた知識を通じて、自動化の設計と導入をお手伝いしその投資がいかされるようサポートすることです。

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