グローバルな飲料製品メーカは生産能力を拡大し一貫性を向上

飲料メーカが増産に成功

課題

  • 飲料生産工程のスループット増加と一貫性の向上を目指し、バッチシステムを拡張、旧式から移行

ソリューション

  • PlantPAxプロセス・オートメーション・システム – 1つに統合された完全冗長システムでサーバ仮想化を活用し可用性を改善
  • 情報対応型、拡張可能な多分野にわたる制御プラットフォームを基盤とし、通信機能と本質安全なI/Oを搭載
  • オペレータが生産情報を把握できるように監視レベルでの視覚化機能を搭載
  • データ管理、性能、可視性、生産管理ソフトウェアでプロセス制御とバッチ制御を最適化

結果

  • システム全体の効率性とスループットの増加
  • プロセスの一貫性が向上 – バッチごとの修正数を最大1回に抑えるという目標を達成
  • システムの柔軟性が向上 – 原材料の変動に合わせ自動調整、レシピ作成を合理化
  • 個別ログイン、電子署名、自動サインアウト機能が付きシステムセキュリティが強化された

背景
どのような飲料でも製造プロセスで重視されるのは、製品の安全性と一貫性です。プロセスの質、そしてスループットを維持するため、飲料生産業者は何十年も標準外のバッチシステムに依存してきました。

ところが最近は、規制の強化や熟練労働者の不足、執拗に多様な製品を求める市場といった課題のため、飲料生産業者は標準化を図る必要性が高まっています。

イリノイ州にプラントを持ち世界規模で展開している、ある業者もそのひとつです。同社は蒸留飲料やビール、ワインの生産業者で生産能力の拡大を計画し、プロセス設計を手がけるバーナム・メカニカル社にターンキーソリューションの提供を依頼しました。新しい制御システムの設計に向け、バーナム社はインダストリアル・オートメーション・グループと手を組みました。

インダストリアル・オートメーション・グループは、カリフォルニア州モデストに本拠を置く、食品飲料業界向けのプロセス制御ソリューションの専門家です。同社は、ロックウェル・オートメーションも評価するシステムインテグレータで、米国制御システムインテグレータ協会(CSIA)の認定会員でもあります。

課題
インダストリアル・オートメーション・グループのプログラムマネージャであるニニヴ・タミーミー氏は次のように述べています。「インストールベースのプロセス効率を改善することがこの飲料メーカの一番の目標でした。また、原材料の貯蔵庫や中間タンク、バッチタンク、瓶詰めタンクをシステムに追加して生産能力の拡大を図るという計画もお持ちでした。」

プラントの拡張が大々的に行なわれ、鉄道の駅/トラックステーションと荷受詰所の貯蔵タンクの数が75%ほど増えました。混合室でも同程度の増加がありました。瓶詰めのタンクも追加され、既存のタンクもいくつかが「フレキシタンク」となり、瓶詰めや原材料の貯蔵に使用されることになりました。

「この拡張に伴い、バッチを「オール・イン・ワン」ソリューションに切換えることになりました」と、タミーミー氏は語ります。「求めておられたのはS88規格に準拠した効率的なシステムでした。」

ANSI/ISA-88 (S88)規格とは、物理モデルや手順、レシピ管理といった産業用オートメーションにおけるバッチ制御の用語と基準を定める規格です。当時のシステムはS88に準拠していませんでした。

「レシピの保存に業務用のデータベースソフトウェアを使用しており、バッチシステムはVisual Basic for Application (VBA)のコードと旧式のHMIを使用してプログラムされていました」と、タミーミー氏は語ります。そのシステムで許容範囲の製品品質を実現するには、バッチごとに2、3修正しなければならないことがよくありました。バッチ修正のテストにはおよそ2時間かかり、そのうえ、システムには「フェイルオーバ」機能や冗長機能がありませんでした。

そのため、サーバが故障すると、システムも2~4時間ほど使えなかったのです」と、タミーミー氏は語ります。「製品品質の改良に加え、システムの可用性を向上させるというニーズもお持ちでした。」

そして、セキュリティ機能を強化する必要もありました。当時のシステムはログイン名がOperator (オペレータ)、Supervisor (監督者)、Administrator (管理者)の3つしかありませんでした。ユーザからユーザへとパスワードをやすやすと伝えられるような状態でした。新しいプロセスシステムではユーザ固有のログイン名と自動サインアウト、電子署名機能が欲しいという具体的な要求がありました。

ソリューション
インダストリアル・オートメーション・グループが採用したのは、ロックウェル・オートメーションの最新式分散制御システム(DCS)、PlantPAx®プロセス・オートメーション・システムを土台にした制御ソリューションでした。

「PlantPAxソリューションのおかげで、可用性の高いシステムを設計できました。仮想化などの新しい技術を活用するシステムです」と、タミーミー氏は説明します。「実際、このアプリケーションでは仮想環境を採用しました。」

ロックウェル・オートメーションでは、VMware®対応ソフトウェアで仮想化のサポートを行ない、ランタイム生産アプリケーションを扱う際はサーバ仮想化とVMware vSphere®を採用いただくようお奨めしています。サーバを仮想化すると、ホストのオペレーティングシステム(OS)に依存することがなくなり、クリティカルなアプリケーションでも安定性の高い環境が実現されます。

新しいシステムは情報対応型、拡張可能な多分野にわたる制御プラットフォームを基盤としています。このプラットフォームはプロセス制御とディスクリート制御、通信機能と本質的に安全なI/Oの組み合わせです。これは完全なる冗長システムで、定置洗浄(CIP)スキッドをはじめ工程で使用するアプリケーションを制御します。クラス1、ディビジョン1危険な領域での工程用にリモート制御も導入されました。オペレータのワークステーションは制御室とバッチ作業室に設置されました。エンジニアリングワークステーションも制御室に設置され、プロセスをその場で最適化できます。

また、PlantPAxシステムには監視レベルでの視覚化機能も搭載されており、オペレータにとって生産情報の把握が可能となります。データ管理、性能、可視性、生産管理ソフトウェアからプロセス制御とバッチ制御が提供されます。

このアップグレード期間中、できるだけプラントを稼動させ続けるためにインダストリアル・オートメーション・グループがとった方法は段階的にシステムを導入するという方法でした。まずは鉄道駅やトラックステーションなどのバルク液体の荷受詰所の新設、そして新しいバルク貯蔵タンクの追加が行なわれました。これらの資産にはCIPシーケンスも適用されました。

次に、新しいバッチシステムの追加が行なわれました。システムの導入にあたり120のオリジナルレシピを作成し直しました。プラント拡張と新資産の実装に伴い、バッチ時間を短縮させ品質を保つためのプロセスの一環として材料追加の順序を見直したのです。

「特に重視した点は厳格なテストを実施し品質管理を行なうことでした」と、タミーミー氏は語ります。「新しいシステムで既存のレシピが実行されることを確認するまでは旧システムを廃止しないという方針でした。」工場受入試験(FAT))が終了した時点で、2週間のシャットダウン中に新しい制御システムが導入されました。その後もテストが行なわれ、必要に応じてパラメータとレシピの調整が行なわれました。


結果
タミーミー氏は次のように述べています。「プラントのスループットと一貫性が全体的に向上しました。作業やユニット手順がだいたい同じなので、新しいレシピをバッチシステムに追加するのも簡単になりました。」

レシピの作成をさらに合理化するために、オペレータの入力情報や定義済みの変数を基に優先順位を付けられます。バッチソフトウェアにある材料管理機能のおかげで、別のタンクに同じ材料がある場合はレシピを書き直す必要がないのです。

インダストリアル・オートメーション・グループのサポートを通じて、同社は立上げ段階に新レシピを50も作成することができました。

CIPレポート機能も改善されました。CIPサイクルが完了するごとに、シーケンスの追跡とレポートの自動生成が行なわれます。こうして次のバッチ実行前に、正しい手順に従い洗浄したことが記録されるのです。

また、製品の一貫性を確保する機能もあります。

タミーミー氏は次のように述べています。「システムへの入力時、原材料がレシピに定義されている通りのプロパティであるとは限りません。異なる場合は、システムのパラメータを更新します。するとレシピごとに材料の量が自動調整されるのです。」

PlantPAxシステムの導入以来、この飲料製造プラントではバッチごとの修正数を最大1回に抑えるという目標を達成、維持しています。

また、最後になりましたが、個別ログインや電子署名機能が付くなどセキュリティも強化されました。また、重要度の高い項目については、15分間で強制的に自動サインアウトされ認証情報の再入力を求められるという機能も付きました。

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