アクション・エンバイロンメンタル・ソリューションズ社は資源ゴミ回収の新基準を確立

新たな基準を打ち立てたリサイクルセンタ

課題

  • 資源ゴミの選別を手作業で行なっていたアクション・エンバイロンメンタル・ソリューションズ社は、選別中に見過ごしてしまう資源が多く、何とか回収できる量を増やしたいと考えていました。

ソリューション

結果

  • 良質なプラスチックの1か月の回収量が25トンから65トンに増加
  • 白い紙の1か月の回収量が250トンから400トンに増加
  • 5年間で5トンしか回収できなかったアルミニウムが6か月に63トンに増加

背景
「眠らない街」と歌の歌詞にもあるニューヨーク。人間の活動が止まらないこの街では、ゴミ処理システムも止まることがありません。市のゴミ処理システムを稼動させているのは、市内最大のゴミ回収・リサイクル業者であるアクション・エンバイロンメンタル・グループであり、市の5地区を受持っています。同グループのリサイクル会社であるアクション・エンバイロンメンタル・ソリューションズ(AES)は、市内の商業ビルから資源ゴミを回収し分別、山積みになった紙やプラスチック、アルミなどを束にして国外の業者に販売しています。

これらは靴やウォーターボトル、再生紙などに生まれ変わります。購入するにあたり、国外の業者が求めるのは、できるだけ異物の混入が少ないもの、つまり資源のみが束になったものです。例えば、中国の「グリーンフェンス」政策は異物の混入率を3%以下と定めています。ところがこれを実行したくても、こちらの法律がそうさせてくれません。ニューヨーク市では、資源ゴミはビニール袋に入れて家の縁石のところに出しておくことと定められています。何もかも一緒くたに袋に入れて出すため、異物の混入が多くなります。

課題
2013年までは、AESは回収から選別、束ねる作業までを1つのリサイクル工場で行なっていました。分別は職員が手作業でやっていました。自動システムがなく、動いているコンベアから手作業でさっさと選り分けるのは限界があり、販売できるのに見過ごしてしまう資源が大量にありました。そこで同社は、異物の量を減らし資源ゴミの量を増やす方法を模索しました。資源ゴミの量が増えれば、ゴミ埋立地に捨てる量も少なくなります。リサイクル用オートメショーン技術は、このAESによる現施設建設が契機となり劇的に改良され普及しました。

AESチームは最新式施設の建設を決意しましたが、その目標はリサイクル工程を自動化し、1時間当たりの良質資源ゴミ分別能力を向上させることでした。同社が考えた自動システムは、選別機の数が多く、磁石でアルミとプラスチックを、光学式選別機で白い紙や良質の紙類だけを回収するという非常に高度な資源回収機器です。これをつくるには複数のメーカに依頼することになります。AESはリサイクルの需要をしっかり把握した専門のインテグレータを見つける必要がありました。機器の調整と施設の全自動化に精通したエンジニアのいるインテグレータです。見つかったのはベコプラン社です。同社はリサイクル技術の構築と自動化を手がける業界大手で、自信をもってこの仕事を引受けてくれました。

ソリューション
高度なソータや処理機の手配はAESが行ない、システムの制御機能の設計はベコプラン社(本社所在地:ニューヨークのアークデール)が手がけました。これは簡単な作業ではありませんでした。ブロンクス地区に新しく建設される資源回収施設は、完成すれば市内最大となります。施設の規模と処理の複雑さから考えると、コンベアの速度や光学式選別機、および複雑な工程を制御できるしっかりした制御機能が必要でした。リサイクル工程の流れを簡単に説明すると、まず、いろいろなものが混入したゴミがトラックで施設に持ち運ばれ床に落とされます。これをグラップルでつかみ、測量計に載せ、重量を測った後でコンベアに流します。

ラインを流れていく過程で、まず赤外技術と高速カメラを使用し光学式選別機で良質の白い紙だけを取除きます。続いて、磁石で缶やアルミニウムを回収し、最後に別の光学式選別機で良質プラスチックを回収します。作業員の仕事は、できるだけ多くの資源を回収できるようにコンベアラインに付いていることです。ベコプラン社の技術部バイスプレジデントであるトッド・カーズウェル氏が次のように述べています。「このシステムは実に独特で、さまざまなメーカの機械がネットワークを通じて相互に接続しています。当社はロックウェル・オートメーションの制御技術に慣れていましたし、同社から技術サポートも提供されたため、接続は簡単でした。」機械の機能はすべて、2台のAllen-Bradley®のCompactLogix™プログラマブル・オートメーション・コントローラ(PAC)で管理しています。また、EtherNet/IP™などのネットワークを通じて、他のシステムコンポーネントともシームレスに統合されています。

システムの前半、つまり大まかな分別は1台目のPACで、特殊な分別は2台目のPACで行ないます。新施設では、光学式選別機のおかげで、月々販売できる白い紙の量が400~500トンにも増えました。以前は1か月当たり250トン程度だったので大きな改善です。施設全体の機能とスループットをモニタするのはオンサイトのオペレータで、その際には4台のAllen-BradleyのPanelView™ Plusヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を使用します。コンベアの速度を一斉に上げたり、1基の光学式選別機のみ速度を落とすなど、コンポーネントレベルの調整は手作業で行ないます。HMIには、トラブルシューティングガイドが含まれており、ラインで問題が発生すればこれを見て対処します。

このガイドには段階的な是正措置と解説図がコンポーネントレベルで記されており、故障などの修理の際に役立ちます。ダウンタイムの低減にもつながります。HMIのプログラミングには、アラームロギング、イベント履歴、システムの始動/停止回数といった詳細を提供するFactoryTalk® View Machine Edition (ME)ソフトウェアを使用します。オペレータはこのHMIからデータにアクセスします。HMIはフロアと中央制御室にあります。70基あるコンベアのモータ制御には、Allen-BradleyのPowerFlex® 40P可変周波数ドライブが採用されています。このドライブのデータがEtherNet/IPネットワークからマスター制御室へと送られ、これを基にオペレータが施設の運用状況をしっかり把握できるようになっています。

結果
AESが現在販売しているのは、異物の混入が少ない良質資源です。販売量も増加し国際規格も満たしています。例えば、1か月当たりの良質プラスチック回収量は、旧施設の場合25トンでした。それがブロンクスの新施設では平均65トンになりました。新施設では、光学式選別機のおかげで、月々販売できる白い紙の量が400~500トンにも増えました。以前は1か月当たり250トン程度だったので大きな改善です。

AES社のプロジェクトマネージャであるロン・ベンソン氏は次のように述べています。「当社ほど大量の資源を生産できる施設はこの市に2つとありません。高度なオートメーションおよび制御技術のおかげで、当社はスループットの最大化とダウンタイムの低減に成功しました。」AESの管理層が最も感心した点はこのシステムで回収されるアルミニウムの量です。旧施設のときは、5年間にせいぜい5トン販売できた程度でした。ところが新施設の操業開始後6か月で、63トンものアルミニウムが生産できたのです。

ブロンクス施設では、毎日300~400トンの廃棄物と資源ゴミを分別しています。AESは、この数を月々10,000トンに増加させる意気込みです。そのメリットは財務的な面だけではありません。再利用可能な資源をゴミ処理システムから取り除くことで、汚染や温室ガスを低減しゴミ埋立地の面積を節約できるのです。同施設の処理能力が最大に達すれば、埋立地300,000平方ヤード分の資源ゴミが回収されることになります。


ここで紹介した成果は、アクション・エンバイロンメンタル・ソリューションズ社でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。

お問い合わせ

ロックウェル・オートメーションならびに当社パートナの仕事は優れた知識を通じて、自動化の設計と導入をお手伝いしその投資がいかされるようサポートすることです。

最新ニュース

ロックウェル・オートメーションにご登録いただければ、最新のニュースと情報を電子メールにて直接お届けします。