水生産の流れを明確に把握

水生産の流れを明確に把握

課題

  • 水処理システムにある生産データの保存、分析、報告が簡単でない

ソリューション

結果

  • 生産工程の可視性が高まり、リアルタイムや過去のレポート、分析を入手できるようになった
  • 事前検証済みのデータを収集、保管するため、正確な情報のみがレポートに使用されるようになった
  • Webベースのポータルでデータをレポートするため、データのバージョンが常に正しいもの1つのみになった
  • システム全体にある生産指標に即アクセスできるため、パイプライン漏れといった故障が深刻な問題となる前に対応できるようになった
  • 規制で定められたレポート作成にかかる時間を3~4日から数分に短縮、年間で23,000ドルの節約に成功

背景
ニュージーランド保健省は2008年、飲料水の安全性向上に向け飲料水基準を改訂しました。これに準拠するため、水処理施設は水生産と取水放水のレベルを毎月追跡・保存して報告する必要があります。同時に水供給業者は、各都市が水需要に関する予算組みと予測を適切に実行できるよう時宜に適った利用状況レポートを必要としています。

ニュージーランドの全人口の10%以上に上水を供給する、国内最大の水生産業者の1つであるグレーターウェリントン地域協議会(GWRC)は、この要件を十分理解しています。GWRCは湖や河川、井戸、帯水層から引水した水を処理し、ローアーハット、ポリルア、アッパーハット、ウェリントンの各市に供給しています。

規制の変更を受け、GWRCでは、既存の水処理生産・制御システムのインフラ基盤から自動取得されるデータを基に、正確かつ時宜に適ったレポートを作成できるレポートソリューションを必要としていました。最終的にGWRCは政府の報告要件に準拠するとともに、リアルタイムの生産データを使用し水処理、配水を改善し、社内外の利害関係者に水生産と水利用について正確なレポートを作成できるようになりました。

課題
GWRCでは、ニュージーランドでも最新の水処理システムを導入しています。監視制御とデータ収集(SCADA)システムを備えたこのシステムは、4つの全自動水処理施設と15のポンプステーション、180km (110マイル)に及ぶパイプラインを稼動しており、ノースアイランド南部に良質の水を供給しています。

しかしながら、散在するデータ源からプロセスデータを収集するのは困難でした。後の分析・報告に向け信頼性の高い時系列アーカイブにデータを保存する必要があったことなどがその理由です。GWRCのデータ分析者であるリリー・ワン氏は、政府へのコンプライアンス報告に向け、水処理システム内の異なるデータ源からデータを手動で抽出・整理する作業は実に手間のかかるものであったと述べています。短時間で正確に報告できる自動レポートシステム、つまり事前に設定したレポートを自動作成し、権限のあるグループと共有できるシステムが必要でした。またこのシステムは、データ検証機能と10年間のデータ保持機能を備えたものでなければなりませんでした。

ソリューション
「ロックウェル・オートメーションはいくつかのオプションを比較した後、当社のデータ収集・レポート要件を満たす、いやそれ以上の最新システムを提供してくれました」と、ワン氏は述べています。

GWRCはサーバにFactoryTalk® Historian Site Edition (SE)とFactoryTalk VantagePointエンタープライズ製造インテリジェンス(EMI)ソフトウェアを実装しました。Historianにより、GWRC処理施設のオートメーションシステムのコントローラに即接続可能となり、各種コントローラからインターフェイスノードを介してタグを自動的に直接取り込むこともできます。その後タグは10年間の保持期間中、FactoryTalk Historianサーバに保存されます。保存した情報は、トレンド比較やその他分析、レポート用に取得することができます。

FactoryTalk VantagePoint EMIソフトウェアを使用するGWRCのデータ管理システムでは、毎週および毎日の水消費量、放水、取水、水質、貯水レベルに関する情報や湖の貯水量、総合的な流量のレポートなど11の自動生成レポートをスケジュールして作成することができます。

こうしたデータには、ワン氏のような分析者をはじめ、水生産/保守エンジニアおよびオペレータ、事業部マネージャ、マーケティング担当者、GWRCの水供給管理および地域戦略の担当者らがどこからでもアクセスできます。Webブラウザから安全な方法でログインすることで、各利害関係者がひとつのポータルにアクセスし事前に設定されたダッシュボードやチャートを利用できます。

施設オペレータはリアルタイムの消費データから利用レベルが期待通りであるかを検証でき、需要がピークになると他の施設からさらなる給水を行なうことが可能です。事業部マネージャは利用量年度累計の前年比を基に、過去の利用量が正確であることを前提に請求額を予測したり、期待収益を更新することができます。

ワン氏は次のように述べています。「FactoryTalkソフトウェアスイートは当社施設内の既存ハードウェアとソフトウェアコンポーネント、そしてビジネスシステムへの統合と互換性、接続性が非常に高いため、多種多様なデータ源から信頼性の高いデータを取り込むことができます。FactoryTalk VantagePointソフトウェアの処理力とアクセスしやすいダッシュボード、トレンド、X-Yプロット、Microsoft Excelレポートの組合せで、豊富なデータを実用的な情報に変換し、さまざまな目的で活用することができます。」

結果
信頼性が高く効果的なデータ管理ソリューションを必要としていたGWRCは、ロックウェル・オートメーションと提携し、利害関係者が情報に基づく意思決定を行なえるよう、必要な情報の入手権限を付与するという製造インテリジェンス戦略を策定しました。

正確なデータをこれまでより短時間で入手できるようになりました。「作成に週の大半、さらに検証に数日かけていたレポートが今では数分、もしくは数秒で完成します」と、ワン氏は述べています。事業部マネージャやビジネスリーダはこのレベルの洞察が得られると、確かなデータに基づいて生産指標を事業計画に取り入れたり、システム技術者にフィードバックすることができ、より迅速な問題解決や運用改善につながります。

データ分析者であるワン氏は毎日取水と生産のデータを確認します。「リアルタイムのデータがすぐに入手できるため、バランスチェックのように簡単です。」2012年の夏は、飲料水システムに入った量よりも取水量の方が多かった、つまり漏れがあったことが1日の検証でわかりました。ワン氏は当該施設を担当する保守エンジニアにすぐに連絡をとり、関連するパイプラインを検出し漏れを修正するよう指示することができました。この漏れの問題は生産エンジニアが気付く前、つまり大問題に発展する前に検出・解決されました。ワン氏はさらに、「当社のデータシステムは非常に高い信頼性を誇るものとなったため、現在では一般公開しています」と、語ります。

GWRCは、現在の水供給状況を示すライブマップ*を提供しています。このマップは15分毎に更新され、地域の住民は都市別の水利用状況を月間、4半期、年間で確認できます。GWRCは、水の生産と利用状況について市民が情報を得ることで、特に需要のピーク時における水節約につながると期待しています。

GWRCではこの拡張性の高いソリューションをさらに展開し、システム全体での化学薬品と電力の利用状況の追跡にも使用しています。「化学薬品と電力の利用状況については正確に把握しています。制御システムを最適化し必要な情報を事業部マネージャに伝達することで、予算を最大限に活用できます」と、ワン氏は述べています。

*http://www.gw.govt.nz/live-water-supply

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