トヨタでプレス工場移送系統の稼働時間が増加

トヨタにおける制御システムの一新

ソリューション

結果

  • 稼働時間が大幅に増加
  • 期限内、予算内
  • 非常に丈夫
  • アップグレードの経緯が明確
  • オープンなやりとり

背景
コンポーネントや車体パネルが必要なそのときにきっちりとラインを流れてくるというリーン生産やジャスト・イン・タイム生産方式。この考えを最初に定義付けたのはトヨタなどの企業です。これは時間や在庫の保有、不動産という点で非常に効率的な方法ですが、下流の工程に非常に大きな負担をかけます。ジャスト・イン・タイム(JIT)のよさはそのチェーン内の最も脆弱な部分がどの程度の力をもっているかで決まります。JITと年中無休の生産体制は保守部門にも厳しい課題を突きつけます。保守部門が活用できる長期ダウンタイムは2週間の夏季工場閉鎖中のみです。つまり、生産が再びフル稼働するまでのこのわずかな期間に、大掛かりなエンジニアリングプロジェクトをすべて完了させる必要があるのです。ダービーシャー州バーナストンのトヨタ自動車プラントでは、生産ラインの最初の部分であるプレス工場のAGV修理という大掛かりなエンジニアリングプロジェクトが決行されることになりました。AVGは故障すれば、生産に深刻な影響を及ぼす恐れがあるシステムです。

最初、修理と分類されたこのプロジェクトは、新型車オーリスとアベンシスの生産需要に伴い製造上の優先項目が突如変更され、重要プロジェクトそれも比較的短期で完了する必要のあるプロジェクトへと急遽変更されました。しかしながら、この問題は、ロックウェル・オートメーションのソリューションパートナであるANDオートメーション社の水平思考と代替技術を積極的に受入れようとするトヨタの姿勢、そしてロックウェル・オートメーションのベースソリューション(アップグレードが非常に簡単かつ効果的にできる)のおかげですぐに解決されました。

課題
当時のAGVはプレス機の両側とスタッカ、デスタッカの4か所を行き来していました。トヨタのプレスおよび溶接部門プレスエンジニアであるスチュアート・コープ氏は次のように説明しています。「AGVシステムは元々8両構成で、ユニットや制御システムを取り外して新しくするなど何度もアップグレードを繰返していました。昨年、使える車両が1両となってしまいましたが、インフラ基盤は8両用で複雑、保守が難しくなっていました。」つまり、重荷となりはじめていたのです。さらにコープ氏は次のように続けます。「プレス工場は常に稼動しているわけではなかったので、最初はまた修理すれば十分ということになっていました。しかしながら車の売れ行きが好調で、プレスの需要が高まり2つ目のプレス工場も稼動させることになりました。

まったく新しいシステムが必要となり、修理はやめることになりました。短期で至急、新システムを開発し夏季工場閉鎖中に取付ける必要がありました。」トヨタは最初に立てた予算内で新システムを提供してくれる業者を探す必要がありました。そこで、AGV/RGVの製造メーカ数社をはじめオートメーションおよび制御の専門業者に連絡しました。そのひとつが、以前にも使ったことのあるANDオートメーション社でした。ANDオートメーション社から提案されたのは、レール・ガイド・システムでした。これなら丈夫でシンプルなだけでなく、予算内、期間内に設計し取付けられます。コープ氏は次のように説明します。「ANDオートメーション社から、ハードウェアを提供してくださる会社を紹介されたとき、その丈夫さに感心しました。プレス工場では何もかもガンガンと打ち付けるためすべて丈夫なものでないとなりません。」

ソリューション
ANDオートメーション社のセールスディレクタであるトニー・ブルックス氏は同社が開発したこのソリューションについて次のように説明しています。「元の制御基盤にはAllen-Bradley®のPLC5®が使われていましたので、新たにロックウェル・オートメーションの最新ソリューションを統合するのはとても簡単でした。トヨタはAllen-Bradley®の機器に満足されていましたので、習得にかかる時間も少なくてすみました。」

レール・ガイド・トロリーを動かすために採用された新しい制御ソリューションは、Allen-BradleyのCompactGuardLogix®プログラマブル・オートメーション・コントローラ (PAC)を土台に作られています。主なデバイスや各I/Oポイント(安全と非安全のPoint I/O™を含む)への通信は、EtherNet/IPを介して行なわれます。トロリーカーはそれぞれ、リモート制御とI/O、安全I/O、オン・ボード・インテリジェンスを搭載しており、壁や機械に表示されている無言の目標を見て反応します。

リモートパネル(3両すべてのAllen-BradleyのPowerFlex®ドライブ(位置制御用)と安全I/OとI/Oが収まっている)への電力供給は、PACと配電、I/Oが収まっているメインパネルから行ないます。メインドライブの位置制御にはPowerFlex 753を、トロリーカーのローラ・ベッド・コンベアにはPowerFlex 4を採用しています。これらのドライブ(EtherNet/IP経由で実行)には安全トルク・オフ・ボードも搭載されています。主要コンポーネントの最後は完全な診断とセットアップ、構成、アラーム機能を提供するAllen-BradleyのPanelView™ HMIで、これはメインパネルの扉に取付けます。安全ソリューションは複数のエントリポイントを備えた1本のフェンスラインで構成されています。エントリポイントは他の機械の安全ソリューションとインターフェイスでつながっており、オペレータが入力する場所に応じてゾーンを複数作成することができます。作成したゾーンは変更することも可能です。また、GuardLogix PACのおかげで、ハード配線式ではなくプログラム式の実用的な機能安全を実装できます。その結果、トロリーの位置をしっかりモニタして、ダイナミックな安全ゾーンを複数作成できるため柔軟性が大きく向上します。

結果
「レール・ガイド・ソリューションはこれ以外になく、当社にとってはまったく新しい試みでしたが、しっかり機能しています。旧式の通信手段が主な原因で初期に小さな問題があったものの、ANDオートメーション社が最新型のハードウェアを使って旧式通信システムを模造してくださいました。旧式に比べ稼働時間が大幅に増加しました」と、トヨタ購買部門セクションマネージャであるジェニー・ブロスナン氏は購買部門担当者の観点からこのプロジェクトについて話しています。ブロスナン氏は次のように続けます。「普通、会社で機器を購入する際は、生産部門と相談し仕様を決定したうえでそれに準じた製品を探します。ところが今回のプロジェクトは元々、アップグレードか交換を検討していました。しかし、代替案を受入れる柔軟性が当社にあったことが功を奏しました。当社には他のアイデアを受入れる姿勢があったのです。ANDオートメーション社からお返事をいただいたとき、決めていた仕様に固執するのでなく、同様の結果が得られる技術もあるのでは、と考えました。

まったく新しい試みでした。試行錯誤の末に行き着き定着していた従来の方法に挑んだのです。比較するものはありませんでした。しかし、採算のとれる話でしたし、プレス工場でこのアイデアを試してみようと思いました。」「AND オートメーション社とは何でも話せるオープンな関係を維持しています」と、ブロスナン氏は語ります。「どのような考えでこのソリューションに至ったのかオープンに明確に説明してくださいますし、あちらのサプライヤさんとお会いした結果、プロジェクトチームも編成されました。プロジェクトが開始し新しい仕様の詳細を決める必要がありました。その際、最初と最後だけでなく、プロジェクトの全体に購買部門を参加させてくれました。このすべてをANDオートメーション社がとりまとめてくれました。

型にはまった意思決定プロセスを使うこともできたのですが、我々は最後までオープンな姿勢を保つことにしました。調達部門の観点から、「このプロジェクトをお願いします。仕様はこの通りです...」とか、「この会社は仕様を満たしていないから、却下」などという声を耳にすることがよくありますが、当社では、代替案を積極的に受入れるようにしています。」

ここで紹介した成果は、トヨタでロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。

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