AGL社のロイヤン鉱山は、採鉱用コンベアをアップグレード

AGL社のロイヤン鉱山は、採鉱用コンベアをアップグレード

課題

  • AGL社ロイヤン鉱山で長距離コンベアシステムを動かすために大きな駆動力が必要とされていました。そのためには、制御システムとドライブのアップグレードが必要でした。

ソリューション

結果

  • 生産の停止、故障、予定外のダウンタイムが最低限に抑えられるようになった
  • 高度な診断およびトラブルシューティング機能
  • 保守作業の低減
  • 既存のドライブシステムと制御アーキテクチャとの統合が簡単
  • 絶縁トランスの廃止

システムのアップグレードが合理的にできる画期的なドライブソリューション、その土台はロックウェル・オートメーションのPowerFlex 7000高圧ドライブ

オーストラリアでは、石炭火力発電が貴重な発電源として定着しています。大量の電力を安価で確実に供給できる石炭火力発電は、国の年間電力生産量の約75%を占めます。炭鉱から発電所、電力供給まで、オーストラリアの石炭火力発電インフラ基盤を稼動させ続けることは、国の産業を推進させ続けることにもなります。

停止や故障、予定外のダウンタイムなどが発生すると生産が中断します。これは、どのような生産工程にも言えることで、発電でも同じです。このような原因で停電すると、ほんの数分のうちに収益減少という事態が発生します。影響を受けるのは発電事業者だけではありません。エンドユーザも影響を受け悲惨な状態に陥るのです。

そんな中、電力供給を途絶えさせない方法を模索し投資を行ない、業界の進むべき方向を示した企業が、ビクトリア州最大の発電事業者であるAGL社ロイヤンです。メルボルンの東165キロ、ラットローブバレーの中心に所在するAGL社ロイヤンは、オーストラリア南東部の産業と消費者に効率的で信頼性のある電力供給を実現しています。

信頼性があり費用効果の高い電力生産に取り組んできたAGL社ロイヤンは、その一環として、4段階式の露天掘り炭鉱施設、ロイヤン鉱山のアップグレードに乗出しました。このアップグレードは、既存の石炭搬送コンベアのドライブシステムの設計を見直し段階的に切換えていくというもので、過酷な炭鉱環境の中でも24時間休みなしで搬送できるドライブソリューションが必要とされました。そこで、AGL社ロイヤンが選んだのがエンジニアリング実績の豊富なロックウェル・オートメーションです。

AGL社ロイヤン

ロックウェル・オートメーションとAGL社ロイヤンのエンジニアリングチームは、協調的な取組みを通じて新たなドライブソリューションを開発しました。その土台となったのがAllen-BradleyのPowerFlex 7000高圧(MV) ACドライブです。

発電所への石炭搬送

年間の褐炭産出量が3000万トン、表土(炭層を覆っている土)が400万立法メートルに上るAGL社のロイヤン鉱山は南半球最大の炭鉱です。採掘プロセス、そして坑底から発電所までの搬送がほぼ完全に自動化されており、高度な採鉱技術やマテリアルハンドリング技術がさまざまと導入されています。

高さ50メートル、長さ190メートルもの巨大な電動式バケット・ホイール・ドレッジャが露天掘り炭鉱の「ベンチ」を巡回し、1時間に平均4,000トンもの石炭が採掘されています。石炭はバケットホイールから、まずドレッジャのコンベアに移され、続いて搬送コンベアシステムへと流れていきます。

搬送コンベアシステムは、ベルト幅2メートル、秒速5.2メートル(時速19km)で動く複数のコンベアで構成されています。全部合わせると25km以上もの長さとなるこのコンベアシステムは、掘出したばかりの石炭を坑底から地表へと運び出します。石炭は搬送コンベアシステムで原炭バンカへと運ばれます(バンカの収容力は80,000トン)。

その後、石炭はバンカから直接(コンベアで)、鉱山「入口」にある2つの発電所へと運ばれます。1つはAGL社のロイヤン発電所(2,210MW)、もう1つはGDFスエズ社のロイヤンB発電所(1,000MW)です。

コンベアの運転を止めない

発電所を常時稼動させ費用効率に優れた電力を生産するには、一定量の石炭を絶えず石炭バンカに送込む必要があります。バンカが収容できる石炭量は20時間分であるため、コンベアシステムの性能が極めて重要です。

ロイヤン鉱山で使用している旧式の搬送コンベアのドライブシステムは水冷・渦電流式カップリング(ECC)技術を土台としています。何年も前に導入した当初は、さまざまな速度で高トルクを実現する理想のドライブソリューションでした。莫大な量の石炭を坑底から地表へと運び上げるのに最適だったのです。

しかしながら、旧式のドライブシステムによる石炭搬送は今の時代に適っていません。もっと効率的に搬送できる手段があることにAGL社ロイヤン鉱山のエンジニアチームは気付きました。そのうえ、渦電流式カップリングを使用した既存のドライブシステムは保守が難しくなっており、制御システムの信頼性も低下していました。

AGL社ロイヤン鉱山の電気監督者であるロバート・コリンズ氏は次のように述べています。「ECCは古いコンベア制御法です。当社では、採掘事業の拡大に伴い、もっと大きな駆動力を必要としていました。新しいシステムに切換える必要があったのはそのためです。

高まる電力需要に対応しなければならなかったことが、AGL社ロイヤンにとって、最新技術の搭載されたドライブソリューション、鉱山の過酷な環境の中で効率よく稼動するドライブを導入する契機となりました。」

現場にはコンベアがたくさんあります。そのため、AGL社ロイヤンでは新しいドライブ技術の導入を段階的に行ない、既存のドライブシステムと制御アーキテクチャに徐々に統合させています。

完全自立型のMVコンベア・ドライブ・パッケージ

鉱山のコンベアに取付けられているドライブはほとんどが完全自立型のMVコンベア・ドライブ・パッケージです。

コンパクト、自立型、冷却式

ロックウェル・オートメーションとAGL社ロイヤンのエンジニアリングチームは、協調的な取組みを通じて新たなドライブソリューションを開発しました。その土台となったのがAllen-BradleyのPowerFlex 7000高圧(MV) ACドライブです。「ダイレクトドライブ」技術(新しいモータでも既存のモータでも絶縁トランスを必要としない技術)を採用したAllen-BradleyのPowerFlex 7000 MV ACドライブは、空間効率が高いうえ、要求の厳しいさまざまなドライブアプリケーションにおいて優れた速度制御とトルク制御を実現します。

コンベアの一つひとつに完全自立型、冷却式、取り外し可能(そのためコンベアへの取付けと取り外しが簡単)なドライブパッケージを装備するという鉱山エンジニアチームのアイデアも採用されました。これなら可搬性が高まり生産の柔軟性が向上します。

ロックウェル・オートメーションのエンジニアリングチーム主任であるジョン・ダンの話では、PowerFlex 7000ドライブはコンパクトなためドライブパッケージの開発が簡単だったということです。

ジョン・ダンは次のように語っています。「PowerFlex 7000は構成上、トランスがないため、ドライブパッケージの設置面積が小さくて済みます。その主な電気機能は、コンベアに搭載された各ドライブ間の負荷分割です。エンクロージャは仕切り付きのステンレススチール製、IP65に適合したもので、空調による冷却システムを装備。それぞれ6.6kVのPowerFlexドライブを格納しています。」

「コンポーネント数の少なさ」もPowerFlexドライブソリューションの特長です。部品数が少ないということは問題の生じるモノの数も少ないということです。

シームレスな統合

これまでにロイヤン鉱山に提供したドライブパッケージは9つになります。今回のアップグレードの最大の課題は、ロックウェル・オートメーションのドライブ技術を既存のドライブ技術と制御アーキテクチャに統合させることです。最初のPowerFlex 7000ドライブパッケージは、隣接する電気室にあるPLC5システムパッケージとつながっています。

ControlLogix®は、鉱山に元々あった通信ネットワークを通じて監視制御とデータ収集(SCADA)システムにつながっています。ドライブパッケージはそれぞれ、ドライブエンクロージャのフロントパネルにあるAllen-Bradleyの電子オペレータインターフェイス(EOI)を装備しています。

「ドライブへの問合わせは、このEOIまたは鉱山のSCADAシステムを通じて行ないます」と、ダンが語ります。「EOIがローカルに取付けられていますので、防塵エンクロージャを開けなくてもドライブ診断にアクセスできます。ドライブが風雨や砂埃、太陽光などに晒されることがありません。」

ロックウェル・オートメーションとAGL社ロイヤンのエンジニアリングチームは、新しいドライブパッケージと既存のECCドライブの同期化戦略を立てました。その目的はシームレスに同期をとることです。

「ロックウェル・オートメーションには長年お世話になってきました。おかげ様で、鉱山での新ドライブの統合が比較的簡単に完了しそうです。今ではドライブをしっかり使いこなせます。鉱山の操業もずいぶん楽になりましたし、アップグレード完了までもさほど時間がかからないでしょう」と、コリンズ氏が語ります。

長年のよい関係

ダンは次のように述べています。「このプロジェクトでは取掛かりから設計段階、ソリューション提供、設置にいたるまで携わらせていただきました。統合から柔軟性まで、この鉱山での仕事は本当に成果の大きいものでした。」

ロイヤン鉱山のアップグレードは引続き行なわれ、するべき仕事はまだまだたくさんあります。鉱山の残りのECCドライブからの切換えは段階的に行なう予定です。「ロックウェル・オートメーションにお願いしプロジェクトを開始した当初は、とてつもなく大きなプロジェクトだと思いました。しかし、長年お世話になり、本当にシームレスに統合が進むようになりました」と、コリンズ氏が語ります。

AGL社ロイヤンでは現在、新しいコンベアを建設中です。このドライブには新しい電気室にあるPowerFlexドライブが使用されます。また、鉱山の充填用の下りコンベアも設計中で、これにはロックウェル・オートメーションのドライブソリューションが使用されるそうです。

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ロックウェル・オートメーションならびに当社パートナの仕事は優れた知識を通じて、自動化の設計と導入をお手伝いしその投資がいかされるようサポートすることです。

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