ヤルンバ社のオックスフォード・ランディング・ワイナリーが最新のワイン醸造技術を採用

Oxford Landingワイナリーが最新のワイン醸造技術を導入

ロックウェル・オートメーションの高度なオートメーションおよびプロセス制御ソリューションを活用し、年間を通じて消費者需要に対応。

オックスフォード・ランディング・エステート・ビニヤード・アンド・ワイナリーは、かつて家畜商人が羊の群れに草と水を与えた場所にちなんでこのように名付けられました。現在このワイナリーでは、並々ならぬ誇りを持って長年こつこつとワイン醸造に取り組んできた職人たちが腕を振るい、世界中で愛されている質の良いワインを生み出しています。

オックスフォード・ランディング・エステートが保有する650エーカーのブドウ畑は決して小さくありませんが、130エーカーずつの5つの区画をそれぞれ独立したエコシステムとしてきめ細かく管理することにより、どのブドウにも理想の風味を実現するための要素が過不足なく与えられています。

緻密な剪定やキャノピーの管理、房の間伐などの手法は、このワイナリーにおける各区画の個性の自由な表現に一役買っています。オックスフォード・ランディング・ワイナリーは、果実が熟したら、鮮度を少したりとも落とさないようたとえ少量ずつでもすぐに収穫するという機敏さを誇っています。

バロッサバレーの北端に位置するオックスフォード・ランディング・エステート・ワイナリーの成功の秘訣は、高度なオートメーションおよび制御システムによる、連続した生産フローの実現にあります。ワイン醸造においてはタイミングが大きな決め手であり、ブドウの酸と糖分が最適な含有量に達するのを正確に見計らって加工を行なう必要があります。

これを徹底し、なおかつ高まる消費者需要に対応するため、世のワイン職人らはプロセスを合理化する技術を求めています。

10年以上にわたるサービスとサポート

ヤルンバ社はオーストラリア最古の家族経営ワイナリーであり、同国最大のワイン輸出業者のひとつでもあります。アンガストンにある同社のワイナリーは、1849年、南オーストラリア州の名所であるバロッサバレーに設立されました。その後、ヤルンバ社のワインに対する需要は徐々に高まり、歴史的遺産としても認定されているアンガストンの施設の加工能力が追い付かなくなりました。この状況を受けて設立されたオックスフォード・ランディング・エステート・ワイナリーは今やオックスフォード・ランディング・エステート最大のワイン生産業者となり、ヤルンバ社の人気商品である2リットル入りのカスクワインシリーズもこのワイナリーで生産されています。

ワイン醸造において特に大きな課題となるのが、一貫性を求める消費者の舌を満足させることです。特定の銘柄に馴染みのあるお客様は毎度同じ風味を期待しますが、果実の酸度や糖度、香り、色合いは毎年異なります。

ヤルンバ社のワイナリー運営マネージャであるジョン・アイド氏は次のように語ります。「オックスフォード・ランディング・ワイナリーは、最新のワイン醸造技術と画期的な手法を用いた加工工程を採用し、環境にやさしいプラントを実現することを目標としていました。これによってプロセスと製品の管理を改善したかったのです。」

同ワイナリーは、ロックウェル・オートメーションならではのプロセス・オートメーション・ソリューションを活用し、頻繁に変化する生産上の要求を満たすための敏捷性を手に入れました。この敏捷性と、Integrated Architecture (統合アーキテクチャ)のお家芸とも言える端から端までを網羅したプラント全体の制御の効率化により、このソリューションはヤルンバ社に大きな成功をもたらしました。

オックスフォード・ランディング・エステート・ワイナリーは、2005年の立上げ以来10年以上にわたって市場の要求を満たし、製品の品質を向上させてきました。アイド氏いわく、その秘密は、最適な条件下でのブドウの発酵を徹底する自動加工工程にあります。しかも、これは大量処理能力の維持を前提としたものでした。特に重要なのは、常に発酵速度を制御すること、そして酸化を極力防ぐことですが、この両者はいずれも温度に大きく左右されます。

収穫時に皮が破れた瞬間から、冷やして粉砕し、発酵タンクという制御された環境に移すまでを速やかに行なうことが重要です。

各加工工程は、3つある受入ホッパー/破砕機エリアのひとつで開始されます。ここではまず、投入されたブドウが「マスト(果醪)」、つまり果汁と皮と種の混ざったものになります。マストは、ポンプによって3台のマスト冷却装置のいずれかを通過し、白ワインの場合は摂氏12度前後まで冷却、赤ワインの場合は25度まで冷却または加温されます。白ワインの場合は、発酵前の時点で皮と種が取り除かれ、果汁が清澄化されます。これに対し赤ワインでは、皮が含まれたまま発酵槽で発酵させられます。赤白いずれにおいても、良質なプレミアムワインの原料となる「フリーラン果汁」だけが分けて取り置かれ、残りの部分だけが第2工程(フリーラン果汁抽出後の果実を「プレス」する段階)に回されて、その後の加工と貯蔵も別々に行なわれます。発酵後のワインは清澄化され、最終製品へとブレンドされてから、濾過と瓶詰めが行なわれます。

収穫時に皮が破れた瞬間から、冷やして粉砕し、発酵タンクという制御された環境に移すまでを速やかに実施

仮想化と可視性

オックスフォード・ランディング・ワイナリーでは、制御およびオートメーションシステムが重要な役割を果たしました。このシステムは、さまざまな加工工程の高度な制御を担うと同時に、職人たちが理想的な結果を目指して自ら腕を振るい経験をいかす余地を残しています。

このシステムの主要ユーザインターフェイスは1台の仮想サーバであり、これをサポートしている2台の仮想クライアントと6台のオンサイトクライアントはいずれもFactoryTalk® View SEを実行しています。ワイン職人とオペレータは、この監視レベルのヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を使用して加工工程や破砕速度、発酵スケジュールを指定し、プラント全体の運転状況をモニタできます。

アンガストンの施設では、保守担当オペレータがFactoryTalk ViewPointまたは仮想クライアントを介したリモートアクセスを活用して、施設を訪れることなく設備の動向を厳重に監視できます。このシステムは、ヤルンバ社の専有技術である「ワイン管理システム」(同一銘柄の整合性を確保するためのバッチ追跡を目的とし、すべてのワインの情報を集めた非営利データベース)と統合されています。

FactoryTalk View SEはオックスフォード・ランディング・ワイナリーのオートメーションシステムの主要コンポーネントであり、これを活用すれば、すべてのラインと生産工程を明確に把握できます。これにより、ターミナルおよびプラントフロアに配備された多数のPanelView™ Plusヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)を介して、施設全体のモニタと制御が統一されました。「共通した1つの仮想化プラットフォーム上にすべてが統一されていることは、このパッケージの魅力のひとつです」と、アイド氏は述べています。

プログラミングに関しては、Integrated Architecture® (統合アーキテクチャ)がFactoryTalkシステムの可動性と仮想性を活用して、すべてのアプリケーションに共通の開発環境を提供します。FactoryTalkにより、1つのアプリケーションで作成されたデータタグが、Integrated Architecture (統合アーキテクチャ)システム全体のすべてのアプリケーションで直ちに使用可能となります。

データタグを共有することで、ソフトウェアの開発時間を大幅に短縮できます。ネットワーク全体がワークショップで接続され、同時にプログラムされるのです。SCADAおよびPLCの両プログラマは、同一のタグデータベースを使用できます。作成されたタグはいずれも直ちに全員が使用できる状態になるため、インポートやエクスポート、接続の必要もなく、待機時間も発生しません。実際、システムのプログラミングは最初から同時に行なわれたため、遅れは発生しませんでした。

絶大なメリット

システムの中核には10台以上のAllen-Bradley®のControlLogix®プログラマブル・オートメーション・コントローラ(PAC)が据えられており、シーケンス、プロセス、およびドライブの制御に必要なハイブリッド機能を提供します。これには、キャップフィーダ、破砕機、ポンプ、プレス機、撹拌機などを制御する無数のAllen-BradleyのPowerFlex®ドライブの監視機能や、改良された温度のPID制御機能が含まれます。「このシステムは、新たに導入した発酵用のイーストの自動投入システムの制御も行なってくれます」と、アイド氏は言います。

また、ControlLogixは、最新の冷却プラントの制御も行ないます。これがおそらく最も重要な機能でしょう。「冷却プラントは、工程の全段階における温度制御を担う主要ツールです」と語るアイド氏の説明によると、アンモニア圧縮機3台とポンプシステム1台を使い、液体アンモニアを必要に応じてマスト冷却装置と「ラック・アンド・リターン」(デレスタージュ)タンク、そして発酵槽に循環させるのだそうです。

この制御システムは、目指す発酵速度に必要な冷却レベルに基づいて必要な負荷を見極め、どれをリード圧縮機とすべきか、最適な設定とは何かを指示します。「また、リード圧縮機の450kWモータにPowerFlex 755可変速ドライブを設置したことにより、収穫期の間中、効率と柔軟性を高め、エネルギーを節約できるようになりました」と、アイド氏は語っています。

オックスフォードランディングのプラントでは、このオートメーションシステム全体を接続するため、施設全体規模のEtherNet/IPネットワークを活用してSCADAサーバとクライアントを接続し、ControlLogix PACを用いてプラント全体におけるシームレスな情報の流れを実現しています。ControlNet通信ネットワークが高速のピア・ツー・ピア通信を提供し、DeviceNetがデバイスレベルの通信を提供します。

さらに、加圧濾過機およびクロスフロー濾過機などの機器には制御システムとしてCompactLogix™が使用され、これらの機器はイーサネットを介してControlLogixにネットワーク接続されています。このため、FactoryTalk ViewPointを活用し、タブレットで離れた場所からリアルタイムデータおよび履歴データを視認してトレンド分析を行なうことができます。「プラントのすべてのエリアを1つのプラットフォームに統合するFactoryTalk View SEの活用の成功を受け、今度はこれをアンガストンのヤルンバ社施設でも展開しました」と、アイド氏は述べています。

PowerFlexドライブが、圧縮機、キャップフィーダ、破砕機、ポンプ、プレス機、撹拌機を制御

この制御システムは、目指す発酵速度に必要な冷却レベルに基づいて必要な負荷を見極め、どれをリード圧縮機とすべきか、最適な設定とは何かを指示します。「また、リード圧縮機の450kWモータにPowerFlex 755可変速ドライブを設置したことにより、収穫期の間中、効率と柔軟性を高め、エネルギーを節約できるようになりました」と、アイド氏は語っています。

オックスフォードランディングのプラントでは、このオートメーションシステム全体を接続するため、施設全体規模のEtherNet/IPネットワークを活用してSCADAサーバとクライアントを接続し、ControlLogix PACを用いてプラント全体におけるシームレスな情報の流れを実現しています。ControlNet通信ネットワークが高速のピア・ツー・ピア通信を提供し、DeviceNetがデバイスレベルの通信を提供します。

さらに、加圧濾過機およびクロスフロー濾過機などの機器には制御システムとして CompactLogix™が使用され、これらの機器はイーサネットを介してControlLogixにネットワーク接続されています。このため、FactoryTalk ViewPointを活用し、タブレットで離れた場所からリアルタイムデータおよび履歴データを視認してトレンド分析を行なうことができます。「プラントのすべてのエリアを1つのプラットフォームに統合するFactoryTalk View SEの活用の成功を受け、今度はこれをアンガストンのヤルンバ社施設でも展開しました」と、アイド氏は述べています。

FactoryTalk View SEを活用して、すべてのラインと生産工程を明確に把握。

グリーンな運用の2つの意味合い

オックスフォード・ランディング・ワイナリーの施設は、あらゆる戦略を策定して環境にやさしい運用を徹底しており、彼らが誇る「グリーン」な運用は決して一義的なものではありません。同施設の冷却システムは、オフピークへと負荷をシフトするオプションを備えているため大変効率が良く、これによって圧縮機の効率を最大化し、電力コストと消費電力の両方を低減しています。また、熱せられて返流するアンモニアガスを利用してプラント内のすべての洗浄槽用の水を加熱しているほか、オックスフォード・ランディング・ワイナリー内部にフル機能の廃水リサイクリングプラントがあり、このプラントもまたFactoryTalk® View SEシステムとインターフェイス接続され、視覚化および制御をサポートしています。

このプラントおよび廃水処理施設は日々ベストプラクティスを実践しており、最近では南オーストラリア州ワイン産業協会(SAWIA)から環境アワードを授与されています。これは、生産量を高めながらプラントでの再利用によって無駄を最小限に抑えるという、革新的なクロスフロー濾過システムを導入したことが評価された結果です。

オックスフォード・ランディング・ワイナリーは常に、プラント全体における連続した生産フローを最大の目標として掲げてきました。アイド氏いわく、この目標を達成し、良好な状態を維持するにあたって重要な鍵となったのがロックウェル・オートメーションのIntegrated Architecture (統合アーキテクチャ)です。「FactoryTalk Viewを活用すればリアルタイムで動向を確認でき、必要に応じて特定のバッチを逆戻りすることもできます」と、アイド氏は言います。「トラブルシューティングも簡単です。例えば、離れた場所からドライブの情報を詳細に把握し、プログラミングや構成を変更したり、その他あらゆる操作を行なうことができます。これは、完全に統合され、外観も使い心地も全体的に一貫しているシステムならではのメリットです。」

「さらに我々は現在、新たに設置したFactoryTalk® EnergyMetrixシステムを活用しています。これは、上限を設けて電力需要を制御し、制限値に近付くと電子メールでアラームを送信してくれるシステムです。今では統合システムを使い、上限に近付いた際には、需要を低減するためさほど重要でないモータを自動的にシャットダウンするにいたっています」と、アイド氏は説明します。

ヤルンバ社の事例は、効率は品質に直結していること、そしてオートメーションにより効率を上げ、品質を高められることを実証しています。大量加工技術と職人芸こそが、ヤルンバ社を成功へと導いているワイン醸造の両輪であり、ボトルに詰まった紅白の神秘と世界中で愛される味わいの底流にあるものです。

ここで紹介した成果は、お客様の組織でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。成果は、事例ごとに異なる場合があります。

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ロックウェル・オートメーションならびに当社パートナの仕事は優れた知識を通じて、自動化の設計と導入をお手伝いしその投資がいかされるようサポートすることです。

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