アングロ・プラチナ社は、製造インテリジェンスを実現

アングロ・プラチナ社は、製造インテリジェンスを実現

課題

  • プロセス制御システムが老朽化したために特殊なスキルセットが必要となったほか、複雑なプロセスのニーズに対応できず、複数ベンダーがネックとなって更新が困難であった

ソリューション

結果

  • 可視性を向上 – あらゆるレベルでデータへのアクセスを取得してリアルタイムでレシピをトラックし必要に応じて調整可能
  • プロセスに関する洞察を獲得しバッチごとのばらつきを低減
  • 柔軟性を向上 – ベンダーを一本化したシステムにより固有の要件での実装とカスタマイズを容易化

拡張性と柔軟性に優れたPlantPAxプロセス・オートメーション・システムにより、リアルタイムのプロセスデータに関する洞察を得ると同時にレシピのトラッキングを向上

背景

プラチナは世界で最も希少な貴金属です。年間、約1,800トン採掘される金に比べ、プラチナは約133トンしか採掘されません。

しかし、プラチナが高級宝飾品として世界中でもてはやされているのは、希少性だけが理由ではありません。プラチナは退色しにくく、可鍛性にも優れていることから、ダイヤモンドなどの宝石を適切な位置で支持固定するのによく使われます。

南アフリカにあるアングロ・プラチナ社は世界最大のプラチナ生産業者です。アングロ・アメリカン社の子会社で、毎年、新しく採掘されたプラチナ全体のほぼ40%を処理しています。

アングロ・プラチナ社の貴金属精錬所(PMR)は、2つの世界最大級のプラチナ鉱山の近くにあります。この精錬所で処理される鉱石に含まれているのはプラチナだけではありません。ルテニウムやロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムといった他の「白金族」も含まれています。また、この精錬所では、ニッケルや銅、亜鉛などの卑金属も採取されています。

ここで生産されるプラチナの用途は、宝飾品にとどまりません。この貴金属は、自動車の排ガスからの汚染物質を除去する触媒コンバータにも使用されるほか、プラチナ燃料電池を使用した代替エネルギー源として、環境とエネルギーの懸念への対応に利用する方法も注目されています。

さまざまな金属を抽出する必要があるため、精錬プロセスは複雑で、アングロ・プラチナ社では、プロセス・オートメーション・システムのサポートが難しくなってきたこと、またそれが断片的なシステムであるため同精錬所の複雑な処理作業に不向きであることなどがわかり、その解決策を模索していました。

課題

白金族の処理は、地下坑内または露天掘鉱山から鉱石を取り出すことから始まります。アングロ・プラチナ社では、その後、鉱石を集中プラントの1つに輸送し、粉砕して浮遊させます。次に、製錬プロセスに入り、鉱石から不要な元素を取り除きます。その後、コンバータで産物を磁気コンセントレータプラントに輸送し、そこで卑金属と貴金属を分離します。

運用は、1980年代のさまざまなベンダーの製品が組み合わされた旧式の制御システムによって複雑化していました。その結果、この旧式システムを維持するために特殊なスキルが必要となりました。このような「つぎはぎ」のシステムは、アップグレードも困難になっていました。

アングロ・プラチナ社の制御技術専門家であるヘルマナス・デュ・プリーズ氏は次のように述べています。「当社の精錬所では、バッチプロセスと連続プロセスの両方が実施されるため、新しいソリューションを検討するうえで、多様性が重要となりました。当社のシステムは、連続プロセスを維持するとともにバッチをモニタする必要があります。つまり、複雑さに対処できなければならないのです。」

PMRは、複数のレシピに使用される機器を効率的にルーティングして共有するうえで問題に直面しました。オペレータは、さまざまなレシピに対応するために、どの機器がいつどのプロセスで使用されるかを決定する必要がありましたが、事前に機器の共有スケジュールを設定できなかったため、頻繁に遅延が発生することになりました。

拡張性と柔軟性に優れたシステムを構築するために、同社はベンダーを一本化することを決定しました。「作業を標準化して国際的なベストプラクティスに適合させ、10年、15年先の事業にも対応できるようシステムをアップグレードする必要があったんです」と、デュ・プリーズ氏は述べています。

ソリューション

アングロ・プラチナ社のPMRには、ロックウェル・オートメーションの制御システムを使用したネットワークインフラ基盤がすでに設置されていました。そのため、同社は制御システムのベンダーを一本化して標準化を図るべくロックウェル・オートメーションのPlantPAx®プロセス・オートメーション・システムを選択しました。

PlantPAxシステムは、プラント全体のオートメーションシステムを管理するために設計された最新式のDCSです。その結果、アングロ・プラチナ社は精錬所全体で同じオートメーション技術を使用してシームレスな統合を実現しました。これにより、情報に簡単にアクセスし、需要の変化や製品の変更に応じて簡単に変更を行なえるようになりました。

「PlantPAxは当社にぴったりのソリューションでした。既存の制御基盤に完全かつ堅牢なシステムを配備することで、当社のプロセスに必要な標準の制御モジュールを構築できました」と、デュ・プリーズ氏は述べています。

カスタマイズはこのソリューションに不可欠な要素でした。ロックウェル・オートメーションと密接に協力して、アングロ・プラチナ社はバッチプロセスと連続プロセスの両方に対応しISA-88規格に準拠するハイブリッド・プロセス・システムを実装しました。

例えば、アングロ・プラチナ社は、オペレータが機器共有のために機器の使用スケジュールを効率的に管理できるよう、精錬所の運用に「ルーティングブロック」を追加しました。オペレータはまた、キュー内の優先順位をオンラインで変更できるようになりました。これは、最新式のDCSシステムで可能となった新しい時間節約オプションです。

手順と規制の両方に関する制御が組み込まれ、カスタマイズされたアドオン命令(AOI)を構築可能な柔軟性の高いシステムにより、PMRはバッチレポート機能を利用できるようになりました。この機能は、カスタムビルドのバッチレポートAOIを使用して提供されます。

これにより、運転時間やクリティカルフェーズの時間、処理能力、バッチのばらつきなどの主要業績評価指標(KPI)のうち、どれが満たされているか、また特定のバッチが各段階のどの位置にあるかを画面上に表示でき、オペレータはプラントをより的確に制御できるようになります。レシピのパラメータを示したレポート(パラメータの適合と逸脱を表示)により、オペレータはリアルタイムのデータにアクセスしてレシピの実行に関する信頼性を高めることができます。

FactoryTalk Historianソフトウェアは、自動的に特定、収集、保存された情報を活用して、オペレータがプロセス関連データを分析するのを支援します。精錬所のオペレータは、サンプルの検証に要した時間や、特定機器が利用可能になるまでの時間を確認できるようになりました。

「当社のオペレータは、例えば、16時間で生産できるはずのバッチになぜ20時間要したかを理解するのに役立つ貴重な情報を取得しました。これにより、可視性の向上により、以前は必ずしも認識していなかった精錬所のプロセスの制約を特定することができました」と、デュ・プリーズ氏は述べています。

新しい最新式のDCSシステムには、制御の厳格化というメリットもあります。生産を開始または停止するたびにヒストリアンソフトウェアによってレポートされるため、オペレータは各プロセスとバッチの実態を認識できます。

例えば、あるバッチがレシピのパラメータから大きく逸脱した場合、プロセスは安全状態に入ります。それを修正して再起動すると、そのバッチは特定のKPIを参照することで一次停止された箇所から再開されます。

これまで、プロセスの中断はすべて人間が介入して行なわれており、常にレポートされるとは限りませんでした。このように自動化されてはいますが、必要に応じてオペレータが柔軟に介入することも可能です。

PlantPAxソリューションにより、アングロ・プラチナ社のマネージャは標準のレシプテンプレートとライブラリを開発できます。保守の観点からは、これによりトリップや故障、その他の問題が不要に発生している運用領域を特定するのが容易になります。

結果

オペレータは処理の各段階、各レベルでレポートにアクセスでき、レシピをリアルタイムでトラックし、生産中、制御力を強めることができるようになりました。

「当社では、運用の実態をより正確に認識できるようになりました。情報が増え、可視性も向上したことで、オペレータはプロセスをより的確に把握できます」と、デュ・プリーズ氏は述べています。

可視性の向上により、バッチのばらつきも低減されました。オペレータは、バッチを素早くKPIと照合して、逸脱しているかどうかを特定できます。システムと連続バッチのモニタに熟練すると、一定のバッチにどのくらい時間がかかるはずか、また問題がある場合を認識できるようになります。

また、アングロ・プラチナ社では、ISA-88に準拠したPlantPAxソリューションにより、保守とトラブルシューティングも向上し、厳格なプロセス制御の国際規格に準拠できました。

「PlantPAxの最新式DCSシステムは柔軟性と拡張性をもたらしてくれます。当社では対応が必要な固有の要件が常に存在しますが、このシステムはそれらを満たし、コンプライアンス遵守を維持する手段を提供してくれます」と、デュ・プリーズ氏は述べています。

ここで紹介した成果は、アングロ・プラチナ社でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。

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